Vol.2 ― シン・ヘソン「時間のある時気軽に呼べる神話のメンバーたちが大切」
10asia |
「セカンドアルバムのソロ曲の時に独立を決意した」
―ではいつからソロで歌うことを考えるようになったのですか?シン・ヘソン:実を言うと、僕は神話(SHINHWA)のメンバーの中で練習生時代が一番長くて、それなのにダンスが一番下手だったので一番怒られていました。だからダンスは他のメンバーより下手でも、歌だけは毎日練習して上手くなろうと思っていたんです。
2ndアルバムで「君のそばで」というソロ曲を歌ったんですけど、その時に、ある思いが湧いて来たんです。僕もこうやって一人で、ソロで歌えたらいいなあって。
今ではアイドルグループのメンバーがソロ活動をするのは当たり前になりましたけど、当時はまだそんなことなど考えることも出来ませんでした。本当に、神話はソロ活動が認められた初のグループだったんです。6人のメンバーが神話という枠の中で留まるにはみんな個性が強すぎましたからね。
その代わりに、メンバーがお互いを理解し合うことを重視しました。他のメンバーが一人で仕事を独占してテレビに出れば、嫉妬することも有り得ます。チョンジンが「出発!ドリームチーム」(KBS)に出演しながら、スポーツメーカー「ルカフ」のCMにも出演した時など、みんなしてすごく悩んだものです。そういう経験は初めてでしたし、CMはギャラも大きいですからね。これをどうしたものか、全部チョンジンの独り占め?それともみんなで山分け?って。結局は本当に山分けしましたけど(笑)
もちろん今の時代だとそうはいきませんよね。もし分けるとすれば少女時代なんて9人だからすごいことになりますし(笑) まあ、とにかく僕らにはそうした事をお互いに配慮出来るだけの友情があったから、個人での活動が可能だったのです。僕などはDJからはじめて、H.O.T.のカンタやイ・ジフンと一緒にグループ「S」を結成して活動しました。今では当たり前になった、グループメンバーのソロ活動という分野を切り開いたという点では、近頃のアイドルたちに感謝されたいものです(笑)
―確かに最近のアイドルグループはソロ活動が多いし平均年齢も低くなっています。彼らに何か言いたいことはありませんか?
シン・ヘソン:近頃はソロ活動が多くなって心配な面があります。いくら同時にスタートして仲良くお互いを気を遣っていても、ソロ活動を始めるとどうしてもすれ違いが生じてしまいます。少し先に行く人もいるし、少し遅れる人もいるので、そうした状況でお互いに気を配る必要があります。先に進んだ人は遅れている人を気にかける必要がありますし、遅れている人は嫉妬しないように意識する必要があります。
神話も時期的に見ると、エリックが役者として成長した時期があれば、チョンジンが「出発!ドリームチーム」で活躍した時期もあり、アンディだってシチュエーションコメディドラマへ出演するなど、それぞれのソロ活動が活発に行われた時期が違っているんです。その度にお互いに配慮し理解してあげるのが大切な事だったんです。
―アイドルとして暮らすのは一般的な人間関係から外れがちになりますから、メンバーとの友情が特に重要になりそうですね。
シン・ヘソン:本当にそうです。特に僕なんかは神話のメンバー以外の友達となると「S」の二人しかいないので(笑) メンバーたちが本当に大切ですね。時間が空いた時や飲みたい時に気軽に呼べるメンバーたちが大切です。
―お酒はたしなむ方ですか?
シン・ヘソン:お酒自体はあまり好きではありません、苦いから。だからいくら高かろうが強いお酒はだめですね。でも飲みに行かないとすることがないですから(笑) 家にいるとパソコンで遊んだり映画を見たりとか、それしかないですし。外へ出ても喫茶店などで座っているのも15分くらいで飽きてしまうし。だから飲みに行ってたんですけど、カンタは今軍隊へ入っていますし、イ・ジフンは下戸だから最近はそれも出来ませんね。
「今日は携帯のメールが1通だけ、しかもエリックから」
―「スターゴールデンベル」(KBS)でも寂しさについて語ってましたよね。シン・ヘソン:今日も携帯のメールはたったの1通しか来ませんでした。エリックから「どこで何してる?」って。今日も生放送を撮って来たのに、普通友達なら「見たよ」ってこう送ってくれないと。それなのにこいつからの1通だけで、それも友達設定された人へのグループメールかも知れないし(笑)
―暇だからと先にメールを送る時はありませんか?
シン・ヘソン:最近は仕事が多くて家へ帰ったらまず寝るので。でも普段暇な時は携帯の電話帳などを見る時があります。でも実際に連絡はしませんね。気軽に元気?って聞くのが出来ないんです。相手に「何言ってるんだ、こいつ」って言われそうで。昔は他の人もみんな自分みたいに考えていると思ってました。
―消極的ですね(笑) それなのに留学を諦めて韓国で歌手になろうと帰って来たのは意外です。
シン・ヘソン:当時は本当に大きなものを諦めたと思います。もともと歌手が夢だったわけではなく、アメリカのいい大学を卒業して、いいところに就職して、結婚したら両親もアメリカに呼んで、安定した人生を送るというのが夢でした。でも結果的には良かったですよね。留学中は思春期とホームシックが重なって大変でしたし、良くないことへの誘惑もありましたから。今思えばヒヤッとするほどです。
もちろん神話での活動を始めて不安になる事もありました。すべてを諦めて帰って来たのにドカンとヒットしたわけではありませんでしたから。当時はH.O.T.やジェクスキスのようにデビューと同時にヒットするか、もしくは消えてしまうか、そのどちらかでしたから。幸いにも地道に右肩上がりに成長しましたし、だからこそ今まで続けられたのだと思います。
―結局、最年長の現役アイドルグループのメンバー、そして安定して自分の音楽をやっていけるソロ歌手になりました。昔の夢が歌手ではなかったにしろ後悔はなさそうですが。
シン・ヘソン:もちろんです。今思えば歌手になってよかったし、幸せです。好きなことをしながら皆さんに愛されてますから。
記者 : ウィ・グンウ、整理:チェ・ジウン、ウィ・グンウ、写真:チェ・キウォン、編集:イ・ジヘ、翻訳:イム・ソヨン