「ドクター異邦人」イ・ジョンソク、本当の俳優として生まれ変わることができるか?
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写真=SBS放送画面キャプチャー
2年2組のクラス委員長であり、正義を重んじるコ・ナムスン、目を見れば相手の心を読み取ることができる能力をもつ少年パク・スハ、そして北朝鮮で育てられた天才医師パク・フン。これは全部一人の俳優が演じたキャラクターだ。キャラクターの設定だけでも魅力的な3人のキャラクターを俳優イ・ジョンソクが演じるならば、それこそ嬉しいことだ。
その理由は簡単であり、明確だ。身長186cmのスリムな体型、コスメブランドのCMモデルを数年間続けているほど、透明感のある肌など、女性視聴者の心を鷲掴みするのに十分なルックスを備えているからだ。イ・ジョンソクは2010年「検事プリンセス」のイ・ウヒョン係長役で視聴者に俳優として初めて顔を知らせ、「シークレット・ガーデン」では、天才作曲家サン役で神秘的な魅力を放った。また「ハイキック3~短足の逆襲」と「ゆれながら咲く花」に続けて出演し、高校生のキャラクターにピッタリな俳優という好評を得た。
しかし、イ・ジョンソクに“俳優”という肩書きを付けるには足りない何かがあった。イ・ジョンソクは「ゆれながら咲く花」で驚くべき成果を上げたが、彼自身は未熟だと言った。当時記者と会った場でイ・ジョンソクはモデル出身というレッテルを残念に思うと述べ、「僕は俳優になるために先にモデルとしてステージに立った」と明かした。彼は20代前半の役者として乗り越えなければならない演技の成長痛を経験しており「近いうちに大きな役を演じられる俳優になりたい」と話した。
そんな彼が昨年6月にSBSドラマ「君の声が聞こえる」を通じて女優イ・ボヨンと年上年下カップルのケミストリー(共演者の相性)を見事に見せ、高校生専門俳優というイメージを脱ぎ捨てた。しかし、当時スポットライトを浴びたのはイ・ボヨンであり、イ・ジョンソクは劇中のキャラクターに演技力が隠れてしまい、きちんと評価されなかった。
写真=マイデイリー DB
しかし今、彼の演技力はどのような基準においてもマイナスに評価することができない。今月5日に韓国で放送をスタートしたSBS新月火ドラマ「ドクター異邦人」(脚本:パク・ジヌ、キム・ジュ、演出:チン・ヒョク)で天才医師パク・フンに扮したイ・ジョンソクはコミカル、アクション、スパイ、ラブストーリーを盛り込んだ演技で視聴者に強烈な“一発”を見せたのだ。まだ2回しか放送されていないが、イ・ジョンソクに対して「必死で演技力を磨いた」という好評が続いている。映画「僕らの青春白書」(監督:イ・ヨヌ)で見せてくれた忠清道(チュンチョンド)の伝説のカサノバであるジュンギル役と「ゆれながら咲く花」の真面目な高校生コ・ナムスン、また女心を揺さぶった「君の声が聞こえる」のパク・スハは、「ドクター異邦人」のパク・フンというキャラクターを演じるのに大きく役立った。そのため、「ドクター異邦人」でイ・ジョンソクはその演技力を総合ギフトセットのように盛り込んで、作品に隠されることなく光を放つ活躍を見せているのだ。
南北関係をめぐるメディカルスパイアクションドラマ「ドクター異邦人」は度が過ぎると思われるほど、多様なジャンルが混ざっているが、イ・ジョンソクはその中で暴れている。パク・フンの父として登場した俳優キム・サンジュンと対立するシーンでも潰されることなく演技力を発揮してドラマに緊張感を与え、父の死に泣き叫ぶシーンでも視聴者は彼の悲しい眼差しを見てドラマに没入することができた。
最近トレンディーな作品を制作しているSBSドラマと爽やかなルックスで女心を鷲掴みにしている20代の若手俳優イ・ジョンソクの出会いにより期待が高まるのは当然のことだ。放送をスタートした「ドクター異邦人」では期待以上の好演を見せ、抜群のルックスよりも演技力が認められ始めている。イ・ジョンソクのワンマンショーとも言われる「ドクター異邦人」を通じて彼は本当の俳優として生まれ変われるのか、彼の今後の活躍にさらに期待したい。
記者 : シン・ソウォン