韓国ドラマに“江南警察署”が頻繁に登場する理由とは

OSEN |

写真=SBS
最終回を控えているSBS月火ドラマ「神様がくれた14日間」、そして近日初放送されるSBS新水木ドラマ「君たちは包囲された!」が、“江南(カンナム)警察署”という共通点で注目を集めている。

「神様がくれた14日間」で、江南は主人公キム・スヒョン(イ・ボヨン)の家族が住んでいる地域である。スヒョンの娘セッピョル(キム・ユビン)の拉致事件も江南警察署が管轄している。一方「君たちは包囲された!」では、江南警察署はドラマの主な舞台として登場する。文句のつけようのない完璧なルックスを誇るが、警察としての能力はゼロの警察4人が成長していく場所である。

韓国の映画やドラマなどを見ると、江南警察署はかなりの頻度で登場する。ソウルにある数多くの警察署の中でも、特に江南警察署がよく使われる理由は、その劇の人間群像をリアルに描ける素材であるからだ。

いわゆる“お金持ちの町”と呼ばれる江南だが、実はスラム街も存在している。外からは完璧に見えるが、その内部に入ってみると、うつ病患者もかなり多い。2012年発表された国民健康保険公団の集計によると、うつ病で診療を受けたことのある患者の数は、瑞草(ソチョ)区が人口10万人当たり1750人で最も多く、2番目に多かったのは1683人の江南区だった。

このような社会の側面は、ドラマにそのまま反映されている。あるドラマ制作社の関係者は「傍から見ると華やかそうにみえる江南だが、その中にいる人の憂鬱や孤独、苦しい感情などはまったく同じだ。むしろ、何も不足していない環境で住んでいるからこそ、小さな衝撃でも大きく揺らいでしまう可能性もある。このような理由から、“江南警察署”という素材がよく使われているのではないだろうか」と説明した。

また、ある放送関係者は「江南は富裕層が住んでいる町だと思われがちだが、そうではない地域も存在している。同じ地域でも生活はまるで違う。このような要素をドラマで表現することにより、視聴者に様々な感情を伝えることができると思う」と述べた。

この延長線上で考えると、“江南”の役割はかなり興味深い。「神様がくれた14日間」で、スヒョンは他人から羨ましがられる“江南奥様”である。不幸だった子供時代の過去は胸の奥にしまって、家庭的でありながら社会的な名誉も持っている夫ハン・ジフン(キム・テウ)と幸せに暮らしていた。しかし、実はジフンはスヒョンの後輩と不倫をしていた。また、娘のセッピョルが汚れた利害関係の犠牲者になり、深く傷ついてしまう。つまり、外から見える幸せは、ガラスのようにいとも簡単に割れてしまうというメッセージが含まれているのだ。

「君たちは包囲された!」の舞台は、まさに“江南警察署”である。チャ・スンウォン、イ・スンギ、Araなどが主演を務める。主人公たちが様々な事件、事故を解決しながら成長していくストーリーだ。このドラマで、果たして“江南”はどんな役割を果たすのだろうか。期待が高まる。

記者 : イム・ヨンジン