【ドラマレビュー】「会いたい」では、こんな姿にぜひ“会いたい”

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「それでもあなたを愛してる」というような白馬の王子様には飽きた

今までこんなにもヒロインがひどく悲劇に追い込まれたドラマがあっただろうか?「会いたい」は尋常ではない。第4話までで女性主人公イ・スヨン(キム・ソヒョン、大人役:ユン・ウネ)に対する設定があまりにも過酷に展開されている。誤認によるものではあるが、彼女は殺人犯の父親のせいで、様々な侮辱や蔑視にさらされており、性的暴行まで受ける。

オンラインやオフラインでは「あまりにも刺激的だ」「必ずそのような設定が要るのか?」等の批判の声が高い。だが、一方では凄まじい悲劇に対する解き方に期待の声もある。


従来のものとは異なる設定…いかに解いていくか知りたい

主人公の過去は大体“今日の幸せ”と対比するために用意されるものだった。その格差が大きくなればなるほど、視聴者の満足度はさらに高まるかもしれない。そのような点では「会いたい」も同じだ。凄まじい悲しみに主人公を追い込んでいくために、多様な設定が設けられているのだ。しかも、雪、雨、暗さなどを活用したシーンの演出及び悲壮美溢れる音楽等は、ドラマの雰囲気を一層悲劇的にさせた。

女性が主人公のドラマでは“生活力のある女性”のキャラクターが主流になってきた。貧乏な家、旦那の浮気、不良な兄や弟がいる環境が主なテーマだった。そこに“白馬の王子様”がすべてのファンタジーを完成させる。「白雪姫」「シンデレラ」「コンジとパッチ(韓国の昔話)」等の“ディズニー式”の結末だ。ただ、「会いたい」は困難ではあるが、十分に乗り越えることができそうな設定という面で、他のドラマとは少し異なる。

だが、父親が殺人犯ではないという設定が、もしイ・スヨンに最小限のモラル的免罪符を与えるための設定なら、ちょっと残念だ。彼女が追い込まれた過酷な設定の中で、世の中の偏見から自由になれるものは一つもないが、殺人犯の子であるかどうかは、彼女の本質とは何の関係もないことであるためだ。その事実に対して世間の人々がどう感じるかは別の問題だ。


主人公たちが自ら癒す姿に“会いたい”

「会いたい」は主人公の果てしない悲しみを見せることには成功した。これからの問題は、それをいかに解いていくかということだ。「美しい初恋のストーリー」でなく、「悲劇のヒロイン」になったイ・スヨンと、すべての痛みを見守り、それに対して強い罪責感を持っているハン・ジョンウ(ヨ・ジング、大人役:JYJ ユチョン)の今後の行動によるものだ。

“家族”の一員たちはその中で“社会化”“文化化”されるという。不健全な価値観を持つ父親、暖かい人ではあるが、平坦でない結婚生活をしていた母親を持つイ・スヨンは、すでに多くのものが欠乏している状態だ。しかも、彼女に与えられた試練は、自分で犯したことでもないのに、彼女を激しい“自己憐憫”“罪責感”に追い込ませる可能性がある。

このようなとき、ほとんどのドラマで男性主人公は、困難にぶつかるたびに現れて、正義の使徒になり、いつも視聴者の愛を独り占めにしてきた。ドラマが現実そのままになるのも面白くないが、毎回「それでもあなたを愛してる」のような解決方法にはもう飽き飽きしている。

イ・スヨンは第2話で牛乳パックを投げた友達にそれを返して、不当なことに立ち向かう姿を見せた。また、自ら一緒にいじめの対象になってくれたハン・ジョンウのために、どんなことでもする姿、そして暴行された自分の姿を見て逃げた彼のことを、電話越しに待ち焦がれる姿は、彼女の強い包容力を表すものであるとともに、世の中に堂々と立ち向かう姿を期待させた。

「会いたい」は恋に関するストーリーだ。それを成し遂げる過程で、お互いが誤解や葛藤を経験することになるだろう。だが、ドラマチックな展開とは別に、主人公たちが自ら自分の痛みを癒し、恋にも能動的になる姿に、今、このドラマで“会いたい”のだ。

記者 : ハン・ギョンヒ