「ドラマの帝王」脚本家チャン・ハンジュンさん、キム・ミョンミンが全てではないんですね
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人気ドラマ「優雅な復讐」に3億ウォン(約2200万円)の間接広告(PPL:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)としてオレンジジュースを入れるために文字通り命をかけたドラマ制作会社の代表、アンソニー・キム(キム・ミョンミン)の奮闘を描いた第1話の前半部は、スピード感とキャラクターの性格、確実な見どころを与えた。
「あなたにはドラマが芸術かも知らないけれど、僕にはビジネスだ」と言うアンソニー・キムは「そのジュース一杯に3億ウォンが関わっている」としながら結局脚本家をだましてアシスタントのイ・ゴウン(チョン・リョウォン)を引き入れ、20年経歴の脚本家には言わず台本を修正する。撮影会場に向かうバスの中で修正された粗末な台本と、その台本で機械的に撮っていく撮影現場、大慌てでその撮影テープを待つ放送局の風景までが描かれる。
「作品のためなら父も捨てなければならない」という信条を持つアンソニー・キムは、気象悪化で諦めるしかなかったヘリコプターの代わりに江原道(カンウォンド)からソウルまで1時間で到着する条件で1千万ウォン(約70万円)で雇った宅配ドライバーが死んだ後、予定通りドラマを放送させるすごい根性を発揮する。その根性が結局「優雅な復讐」の視聴率30%突破と自身の没落を呼ぶ“神の一手”(?)になることも知らずに。
結局宅配ドライバーの死がスキャンダルに飛び火し、アンソニー・キムの没落が予告された第1話の核心は、韓流スターの顔と韓流ドラマの現況を羅列する編集が目立ったアンソニー・キムの講演で分かるように、ドラマチックな構成にドラマ制作現場の現実を適切に溶かしたものだった。
脚本家が撮影直前ギリギリに台本を送ることや、放送終了日の放送直前まで撮影することはよくあることだし、無理なスケジュールで居眠り運転をするマネージャーが頻繁に交通事故を起こす韓国ドラマの撮影現場。そこに過度な間接広告も台本の中に自然に溶かしてこそ実力のあるドラマの脚本家として認められる現実。
「映画撮影現場よりドラマの方がより戦場に近い」と言った脚本家のチャン・ハンジュンが見るドラマ制作現場は、お金が支配する弱肉強食の戦場だ。これを代弁する人物が、93.1%の成功率を自慢するアンソニー・キムで、彼と対立しながらドラマの芸術性を主張する人がイ・ゴウンである。
チャン・ハンジュン脚本家が妻である「サイン」のキム・ウニ脚本家と共同執筆した悲運のドラマ「危機一髪!プンニョンマンション」を思い出してもよい。あまりにも斬新だったせいで結局地上波で放送されなかった同ドラマは、シン・ハギュンの体を張った熱演とともに、物欲に目がくらんだ人間たちをコミカルながらも冷笑的に描いた。
そのようなチャン・ハンジュン脚本家の指向は、恐らく「ドラマの帝王」にもそのまま反映される可能性が高いと見られる。3年間身悶えしたアンソニーがイ・ゴウンのデビュー作である制作費100億ウォン(約7億円)のドラマ「京城の朝」を制作する過程を描いていく今後の展開でも、第1話で見せてくれたドラマ制作現場のディテールと現実感が、チャン・ハンジュン脚本家の指向通り表現される可能性が高い。
日本のヤクザである在日韓国人の投資家、傍若無人で突飛な韓流スターのカン・ヒョンミン(SUPER JUNIOR シウォン)、アンソニーの下で苦労していたが彼を裏切って代表になったオ・ジンワン(チョン・マンシク)、一時期アンソニーと付き合った女優のソン・ミナ(オ・ジウン)などのキャラクターこそ、アンソニーとイ・ゴウンが衝突するドラマ制作現場の裏を象徴するように見える。私たちがよく「ドラマみたい」ど言うときのロマンチックな感情と運命論が除去された現実、そのものの話だ。
どうであれ、一応視聴者が注目することは「不滅の李舜臣」「白い巨塔」「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」などで不敗神話を続けているキム・ミョンミンの存在感であるだろう。没落したスポーツマネージャーが再起する過程を描いたトム・クルーズの「ザ・エージェント」を思い出させるほど、「ドラマの帝王」のアンソニーは確かに魅力的なキャラクターだ。金と欲望だけを追った男が過去の過ちを反省し、新たな人間になる起承転結は典型的ではあるが、かなりドラマチックで魅力的なものではないだろうか。また、はっきりしたキャラクターこそキム・ミョンミンの得意分野であっただけに、第1話でキム・ミョンミンは自身の存在感を十分アピールできた。
ただ、懸念されることは多少知的なメタドラマで専門職を描いたドラマであるだけに、もう少し若くて感覚的な視聴者から先に反応が出る可能性が高いということだ。それだけ幅広い視聴者層を確保することが鍵になると見られる。「ドラマの帝王」初回放送の視聴率は、6%台だった。「ドラマの帝王」は、ドラマの中のアンソニー・キムの不敗神話を続けていくことができるのだろうか。
写真=SBS
スピード感とキャラクター、辛辣なリアリティーで満足を与えた初回放送
これほど自信満々なドラマ初回が最近他にあったのだろうか。人気ドラマ「優雅な復讐」に3億ウォン(約2200万円)の間接広告(PPL:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)としてオレンジジュースを入れるために文字通り命をかけたドラマ制作会社の代表、アンソニー・キム(キム・ミョンミン)の奮闘を描いた第1話の前半部は、スピード感とキャラクターの性格、確実な見どころを与えた。
「あなたにはドラマが芸術かも知らないけれど、僕にはビジネスだ」と言うアンソニー・キムは「そのジュース一杯に3億ウォンが関わっている」としながら結局脚本家をだましてアシスタントのイ・ゴウン(チョン・リョウォン)を引き入れ、20年経歴の脚本家には言わず台本を修正する。撮影会場に向かうバスの中で修正された粗末な台本と、その台本で機械的に撮っていく撮影現場、大慌てでその撮影テープを待つ放送局の風景までが描かれる。
「作品のためなら父も捨てなければならない」という信条を持つアンソニー・キムは、気象悪化で諦めるしかなかったヘリコプターの代わりに江原道(カンウォンド)からソウルまで1時間で到着する条件で1千万ウォン(約70万円)で雇った宅配ドライバーが死んだ後、予定通りドラマを放送させるすごい根性を発揮する。その根性が結局「優雅な復讐」の視聴率30%突破と自身の没落を呼ぶ“神の一手”(?)になることも知らずに。
“弱肉強食の戦場”で会ったキム・ミョンミン&チャン・ハンジュン
“カン・マエ”キム・ミョンミンとチャン・ハンジュン脚本家の出会いで早くから話題を集めた「ドラマの帝王」は、他のドラマが少なくとも2~3話にかけて見せる内容を、1話で見せる戦略に出た。そして、スピード感をアピールする「ドラマの帝王」が見せた自信満々な展開は、ドラマの序盤に高い集中度と吸引力で視聴者の視線を引くことに成功した。結局宅配ドライバーの死がスキャンダルに飛び火し、アンソニー・キムの没落が予告された第1話の核心は、韓流スターの顔と韓流ドラマの現況を羅列する編集が目立ったアンソニー・キムの講演で分かるように、ドラマチックな構成にドラマ制作現場の現実を適切に溶かしたものだった。
脚本家が撮影直前ギリギリに台本を送ることや、放送終了日の放送直前まで撮影することはよくあることだし、無理なスケジュールで居眠り運転をするマネージャーが頻繁に交通事故を起こす韓国ドラマの撮影現場。そこに過度な間接広告も台本の中に自然に溶かしてこそ実力のあるドラマの脚本家として認められる現実。
「映画撮影現場よりドラマの方がより戦場に近い」と言った脚本家のチャン・ハンジュンが見るドラマ制作現場は、お金が支配する弱肉強食の戦場だ。これを代弁する人物が、93.1%の成功率を自慢するアンソニー・キムで、彼と対立しながらドラマの芸術性を主張する人がイ・ゴウンである。
「彼らが生きる世界」…「オンエアー」とは違う温度差の根源は?
同ドラマが、ドラマに関するドラマである“メタドラマ”であるため、同じジャンルのノ・ヒギョン脚本家の「彼らが生きる世界」とキム・ウンスク脚本家の「オンエアー」が比較の対象にあがると思う。だが、芸術性のあるドラマとラブコメディに分類される2本のドラマが「そこも人が生きる場所だ」という命題に忠実だったり、俳優とマネージャーを軸にしたドラマ制作現場の構造に触れる内部の人の愛情のある見方で描かれたとすれば、「ドラマの帝王」はもう少し辛辣で冷笑的な見方を堅持すると見られる。チャン・ハンジュン脚本家が妻である「サイン」のキム・ウニ脚本家と共同執筆した悲運のドラマ「危機一髪!プンニョンマンション」を思い出してもよい。あまりにも斬新だったせいで結局地上波で放送されなかった同ドラマは、シン・ハギュンの体を張った熱演とともに、物欲に目がくらんだ人間たちをコミカルながらも冷笑的に描いた。
そのようなチャン・ハンジュン脚本家の指向は、恐らく「ドラマの帝王」にもそのまま反映される可能性が高いと見られる。3年間身悶えしたアンソニーがイ・ゴウンのデビュー作である制作費100億ウォン(約7億円)のドラマ「京城の朝」を制作する過程を描いていく今後の展開でも、第1話で見せてくれたドラマ制作現場のディテールと現実感が、チャン・ハンジュン脚本家の指向通り表現される可能性が高い。
日本のヤクザである在日韓国人の投資家、傍若無人で突飛な韓流スターのカン・ヒョンミン(SUPER JUNIOR シウォン)、アンソニーの下で苦労していたが彼を裏切って代表になったオ・ジンワン(チョン・マンシク)、一時期アンソニーと付き合った女優のソン・ミナ(オ・ジウン)などのキャラクターこそ、アンソニーとイ・ゴウンが衝突するドラマ制作現場の裏を象徴するように見える。私たちがよく「ドラマみたい」ど言うときのロマンチックな感情と運命論が除去された現実、そのものの話だ。
どうであれ、一応視聴者が注目することは「不滅の李舜臣」「白い巨塔」「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」などで不敗神話を続けているキム・ミョンミンの存在感であるだろう。没落したスポーツマネージャーが再起する過程を描いたトム・クルーズの「ザ・エージェント」を思い出させるほど、「ドラマの帝王」のアンソニーは確かに魅力的なキャラクターだ。金と欲望だけを追った男が過去の過ちを反省し、新たな人間になる起承転結は典型的ではあるが、かなりドラマチックで魅力的なものではないだろうか。また、はっきりしたキャラクターこそキム・ミョンミンの得意分野であっただけに、第1話でキム・ミョンミンは自身の存在感を十分アピールできた。
ただ、懸念されることは多少知的なメタドラマで専門職を描いたドラマであるだけに、もう少し若くて感覚的な視聴者から先に反応が出る可能性が高いということだ。それだけ幅広い視聴者層を確保することが鍵になると見られる。「ドラマの帝王」初回放送の視聴率は、6%台だった。「ドラマの帝王」は、ドラマの中のアンソニー・キムの不敗神話を続けていくことができるのだろうか。
記者 : ハ・ソンテ 写真 : イ・ジョンミン