Vol.1 ― 「共謀者」イム・チャンジョン、悪役が好評”僕を信じなかった人に痛快さを感じる”

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俳優イム・チャンジョンが、映画「共謀者」(監督:キム・ホンソン)を通じてこれまで自分につきまとっていたコミカル俳優というイメージを払拭させた。

今回の映画でイム・チャンジョンは、臓器密売組織の総責任者ヨンギュ役を演じた。針で突いても血の1滴も出ないような悪人に見えるが、内面に人間的な姿も持っている複合的な人物だ。彼は鋭い眼差しと、抑揚の強い釜山(プサン)訛りなどで、冷静でドライなカリスマ性を披露した。

「やっとコミカル俳優というイメージを払拭させた」という話にイム・チャンジョンは、「そうですね」と言い、笑った。続いて、「周りからもそういう話をよく聴く。ぎこちないと思われるのではないかと心配したが、全くぎこちなさを感じなかったと言われて気持ちいい」と付け加えた。

彼は映画「共謀者」を通じて初めて悪役に挑戦した。何も知らない旅行者を拉致し、臓器を摘出する悪人の中の悪人に扮した。イム・チャンジョンといえば、真っ先に笑顔が浮かび上がることを考えると、異例なキャスティングだ。

イム・チャンジョンは、「ヨンギュは自分がやっていることに対して何の考えもなく、まるで習慣のように悪行を繰り返していいるが、『倫理観が全く欠如したわけではない』ことに気づいた。善とはいえないが、人間が持っている最後の良心はあるんだなと思った。監督さんが僕にこの役を任せた時、そういう部分も表現してくれることを臨んでいるんだな、と思った。シナリオを読んですぐ、この役は必ず僕が演じますと話した」と語った。
だが、そんなに簡単な事ではなかった。コミカル俳優というイメージが強いため、キャスティングが変更されるのではないかと心配してた。「僕のせいで映画の公開が難しい状況ならば、僕をキャスティングしなくてもいい」という意思を伝えるほどだった。懸念の視線は映画の公開と同時に消えたが、演技の好評を受けている今、なぜもっと早く自分を信じてくれなかったのかという残念な気分になるのも理解できた。

「痛快ではないか」という質問に彼は、「痛快さは感じる」と言い、これまでの心労を伺うことができた。続いて、「痛快だというより、僕を信じてくれた人に対する感謝の気持ちがある。そして困難がたくさんあったが、その時に僕を信じてくれなかった人に対する痛快さは感じる」と話した。

周りの認識も大きく分かった。スリラー映画を通じて破格的な演技変身を見せた彼に、幅広い役のオファーが入ってきている。コミカル映画でなくても、俳優イム・チャンジョンが重い存在感を披露し、劇全体を左右することができるということを証明したおかげだ。
彼は、「僕の人生において事件だ。こうした映画でこんな役を演じることができた自体が事件だ。この事件の主導者はキム・ホンソン監督だ。そういう恩人、貴人に出会った」と伝えた。映画は韓国で29日に公開される予定だ。

記者 : キム・ミリ 写真 : ユ・ジンヒョン