「人気歌謡」のランキング制度廃止、その理由は?
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7月8日に「人気歌謡」でミューティズン賞を受賞したWonder Girls、写真提供=SBS
SBS音楽番組「人気歌謡」のランキング制度が廃止される。制作スタッフは、15日放送のオンエア分からミューティズンソング(ミュージック+ネチズン(ネットユーザー)の造語)制度を廃止することを決定した。ミューティズンソングは、CDセールス、音楽配信、インターネットユーザーの投票、オンエア数、リサーチなどを基準に選定され、これまでのランキング番組同様、第1位に該当する栄誉とされてきた。
SBSバラエティ部門の関係者は、「ランキングに縛られた進行で視聴者が、音楽を純粋に楽しめなくなっている。ファンの熱の入った競争もなくし、多彩なステージの構成で一層深みのある歌謡番組に跳躍することを期待している」と説明した。
2000年中盤からK-POPは、世界的に人気を博している。韓国の代表的な地上波音楽番組のひとつが、SBS「人気歌謡」だ。これまで持続的にランキング制を固守してきた「人気歌謡」のランキング制度廃止は、意味が大きい。
「人気歌謡」がランキング制度を廃止したことにより、地上波のKBS 2テレビ「ミュージックバンク」とケーブルテレビMnet「M COUNTDOWN」の合わせて2つの音楽番組だけが1位を発表することになった。
こうした「人気歌謡」のランキング制度廃止は、示唆している部分が大きい。“歌謡TOP10”を発表する代表的な音楽番組は、2000年前半にランキング制度を廃止した。それは、公正な競争が不可能だからだ。
当時、ランキング制度の廃止は、文化芸能の一部で提議された特定ジャンルの歌への偏りとランキングの独占、そして大手マネジメントの影響力を理由に消えた。だが、韓国が好む“競争”という部分が消滅してしまった音楽番組は、視聴率低迷が続いた。その結果、「ミュージックバンク」が2007年からランキング制度を復活させた。
「ミュージックバンク」のランキング制度復活により、地上波3社の音楽番組の中ではMBC「ショー 音楽中心」だけが、ランキングを適用していない状態だった。視聴率上昇のために固守したり、投入されたランキング制度は、導入されたばかりの頃には、純粋に機能していた。
ランキング制度が導入されたばかりの「ミュージックバンク」は、ランキング圏外から上位まで出演者を配置し、番組の面白さを高めた。
「人気歌謡」のランキングTake7、写真提供=SBS
だが、約5年が過ぎた現在、ランキング制度はこれ以上公信力も影響力もない。それだけでなく番組自体の面白さも欠乏してしまっている。もちろん、視聴率という面では、ランキング制度を採択してきた「ミュージックバンク」と「人気歌謡」が、「ショー 音楽中心」に比べて高いのは事実だ。だが、それは単なるどんぐりの背比べに過ぎないのだ。テレビ局では、公信力を主張しているが、その公信力を与えられるCD・音楽配信セールス及びファン投票、オンエア出演回数は、熱狂的なファンのおかげであり、マネジメントがコントロールすることができる数字だ。ファンではなく一般の人々の心に響くランキングではないという意見が沸き起こっている。それだけでなく、一部の熱狂的なファンと大手マネジメント会社では、歌手に第1位を獲得させるため、買占めやリクエスト曲を一曲にまとめてしまおうとするマイナスの動きも繰り返されている。
大衆文化評論家のカン・テギュ氏は、「ランキング番組については、一般の人々が広く共感できなければならないのだが、現在の音楽市場では、そうなっていない。また、ランキングを発表することへの緊張感を番組では付与しなければならないが、実際はそうなっていない。その原因は、人々が感じる第1位と、番組で示される第1位の距離感が離れすぎているからだ。アルバム市場の寿命周期は短く、長くても3週間ほどでランキング圏外になってしまうことに反して、週単位で放送される音楽番組で3週連続第1位を獲得することは、数多くあるからだ」と指摘した。
地上波の音楽番組のランキング制度についての非難は、最近持ち上がったことではない。2000年前半にこうした非難が沸き起こったていたが、当時とは状況が違っている。また、今回の「人気歌謡」のランキング制度の廃止が、韓国の全ての音楽番組から第1位を無くしてしまうわけではない。
だが、「人気歌謡」のこのような決定がスタッフによってどのようにして下されることになったのか、この決定になぜ人々が支持を表明しているのか、注目していかなければならないことだ。
記者 : キム・ギョンミン