イ・ミンホがおすすめする「印象に残る瞬間に一緒だった曲」
10asia |
私たちが思うイ・ミンホのイメージはいつも完璧な男である。私学最高の名門神話高校を牛耳るF4の中でも最強の男、ク・ジュンピョ(KBS「花より男子」)を演じ、男としても建築デザイナーとしても認められているクールな都会の男(MBC「個人の趣向」)や、高価な外車を乗り回して数100万ウォン(100万ウォン=約7万円)程度は簡単に使うことができる国家地図通信網チーム職員(SBS「シティーハンター in Seoul」)を演じた。全てのものを持ち、「花より男子」で一躍スターダムに上がった若手俳優。イ・ミンホというスターの魅力を語るのは簡単なことである。
しかし、彼の本当の魅力は見た目の完璧さと中身のギャップである。ク・ジュンピョが一瞬にして女性視聴者たちの心を捕らえることができたのは、堂々とした容貌と完璧な家柄に似合わない“ナルシスト男”だったからである。また、「個人の趣向」のチョン・チノは、韓屋(韓国の伝統的な建築様式で建てた家)「サンゴジェ」の秘密を探る建築デザイナーとしての目標と、ケイン(ソン・イェジン)を愛する一人の男としての純粋な心との間で右往左往した。さらに、財力と戦闘能力を備えた「シティーハンター」のイ・ユンソンは、悪人に正義の鉄槌を下す時に、もっといい方法がないかと悩むヒーローである。
もちろん、これはあくまでもキャラクター設定としてのもの。けれど彼が人気を得ている理由は、ただ単に演じた役が全て素敵な役だったという幸運に恵まれただけではなく、長い下積み時代で培った高い演技力があったからだ。映画「うちの学校のET」など、数々の出演作品を見れば、長い下積み生活に耐えながら演技を磨いてきたことがよくわかる。印象的な瞬間に聞いたという歌を選んだ今回のイ・ミンホのプレイリストやコメントが新鮮に感じられるのは、完璧な外見ではなく人間的な悩みと深さが垣間見えたからだろう。
1.キム・ヨヌ サバイバル番組「私は歌手だ 競演3-2 “ネットユーザの推薦曲”」
「気に入った歌は何回も繰り返して聞くんですが、この曲は本当にはまりました。実は『私は歌手だ』でキム・ヨヌさんがこの歌を歌ったとき、『シティーハンター』の撮影中だったので見れなかったんです。ところが、車に乗って移動する時にラジオからこの曲が流れてきたんです。落ち着いた語りと安らかな音楽で癒やされるラジオ番組を聞いているかのような歌詞と、ソフトで安らぐ声に感動しました。そして歌いやすそうに聞こえますが、実際歌ってみると絶対に真似できない高い音域の曲だということにびっくりします」
最近、最もよく聞く歌だと言いながら彼が推薦した最初の曲は、キム・ヨヌがMBC「私は歌手だ」でキム・ジャンフンの歌をリメイクして歌った「僕と同じなら」だ。ちなみにこの歌はキム・ヨヌが歌った歌の中でも、最もキム・ヨヌらしくない歌である。しかし、首に青筋を立てて熱唱する姿は、過去のキム・ヨヌからは想像できなかったという人も多かっただろう。
2.インスニ「ガチョウの夢」
「大学入試の準備しながら、本格的に演技のレッスンを受けたんです。新しいことを準備するということは楽しみでもありましたが、他の人より遅れてるんじゃないか、きちんと準備をしているのかって、その当時はすごく悩みました。周りから『俺がお前なら演技なんかしないで一生懸命勉強するのに』と言われると、僕も『何で学生生活を楽しまなかったんだろうか』と考えたりしましたね。覚えているのは、この歌にすごく勇気付けられたということです。俳優を目指して頑張っている人たちや受験生と一緒に聴きたい曲です」
先日、Mnet「ユン・ドヒョンのMUST」が“人生に疲れた! そんなあなたの力になる曲”というテーマでアンケート調査をしたところ、1位になった歌。イ・ミンホにとってもこの曲の意味は同じようだ。
3.2NE1「2NE1 1st Mini Album」
「蒸し暑い夏、海に行きたいなと思う時は、いつも車の中で聞きます。撮影をしに行く途中も、渋滞した道路でも、この歌を聴いていると旅行に行くような気持ちになります」
“ふらりとどこかへ旅したくなるとき”聴きたい曲として彼が進めた曲は、2NE1の「I Don't Care」。2NE1の第一印象は、タフな感じの「Fire」であったが、彼女らをスターダムにのし上げた曲は、やはり「I Don't Care」である。アクロバティックな激しい振り付けはなく、肩を揺らしながら楽しく口ずさめる歌。その後、楽しく歌えるレゲエの特徴をよく生かして、レゲエ風にアレンジしたバージョンもリリースされた。
4.グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ「『ONCE ダブリンの街角で』オリジナル・サウンドトラック」
「美しい映画と音楽で、押し付けられた感情ではなく、自然で穏やかな感動を受けました。これは僕の考えですが、人によって感動する映画や音楽も違うと思います」
彼が進めた四番目の曲は映画「ONCE ダブリンの街角で」の挿入曲である「Falling Slowly」。プロのアコースティックギタリストや、ギターを学びたいと思う人の殆どがこの曲を演奏したり、練習したという。映画の成功は、歌の人気につながったと言えるが、映画を見ていないのに「Falling Slowly」のイントロは知っているという人も多いほど有名な曲だ。そのおかげで、主人公を演じたグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによるフォーク・デュオ「スウェル・シーズン」も世界的な名声を得た。最近、堤川国際音楽映画祭で上映された「スウェル・シーズン」を見ると、「ONCE ダブリンの街角で」以後の彼らを見ることができる。
5.イ・ミンホ 「F4 Special Edition 2」
「『My Everything』は、『花より男子』スペシャルエディションアルバムに入っている曲です。歌はうまくないですけど、ドラマを応援してくださった視聴者の皆さんに恩返しをしたくて歌うことにしたんです。僕が歌うことになるなんて、誰も思っていなかったでしょうから、誰かに初めて歌を聞かせてあげるという気持ちで歌った曲です。僕が歌うと、客席も一緒に歌ってくれたことがあって、すごく感動しましたね。よく聞く歌とは言えませんが、のプレイリストにいつも入っている曲です」
最後の曲は彼本人が歌った「My Everything」。彼の低く柔らかい低音が引き立つ曲で、何より「花より男子」から5年後のアフターストーリーを描いたミュージックビデオが話題となった。
「これまで“イケメン”という呼ばれる一発屋の俳優としてのイメージが強かったんですが、『シティーハンター in Seoul』で俳優としての可能性を見せることができたと思います。俳優という肩書きに一歩近づいたと言うか、『シティーハンター』以来、愉快な役だけではなく真剣で孤独な役のオファーも入ってきて演技の幅が少し広くなったなと思います」
彼は「花より男子」で多くのものを得たが、失うものもあった。短いが強烈な印象を残した映画「カン・チョルジュン 公共の敵1-1」で演じた高校生役をはじめ、着実に積み重ねてきた彼の出演作の数々は、ク・ジュンピョのイメージに隠れたり、ラッキーな男という肩書きがスターや俳優という言葉よりも先についた。そんな彼には、今の人気に満足するか、それとも初心に戻るのかという二つの選択肢が残されている。もちろん、振り出しに戻ることは不可能である。しかし、「前は愛想もよくて人間関係も広かったんですけど、少し有名になってからはそれができなくなったんです。気まずい人はなるべく避けるようになったし、一年ぶりに会った人とどう話せばいいのか分からず困っている自分が悲しくなります」というこの男が、人気と周囲の反応に振り回されて自分を見失うことは絶対ないと自信を持って言える。人気は一時的なものなのかもしれないが、信頼というものはもっと長く続くものだ。一躍スターダムに上がった後、俳優の人生を支配するのはまさにその信頼である。
しかし、彼の本当の魅力は見た目の完璧さと中身のギャップである。ク・ジュンピョが一瞬にして女性視聴者たちの心を捕らえることができたのは、堂々とした容貌と完璧な家柄に似合わない“ナルシスト男”だったからである。また、「個人の趣向」のチョン・チノは、韓屋(韓国の伝統的な建築様式で建てた家)「サンゴジェ」の秘密を探る建築デザイナーとしての目標と、ケイン(ソン・イェジン)を愛する一人の男としての純粋な心との間で右往左往した。さらに、財力と戦闘能力を備えた「シティーハンター」のイ・ユンソンは、悪人に正義の鉄槌を下す時に、もっといい方法がないかと悩むヒーローである。
もちろん、これはあくまでもキャラクター設定としてのもの。けれど彼が人気を得ている理由は、ただ単に演じた役が全て素敵な役だったという幸運に恵まれただけではなく、長い下積み時代で培った高い演技力があったからだ。映画「うちの学校のET」など、数々の出演作品を見れば、長い下積み生活に耐えながら演技を磨いてきたことがよくわかる。印象的な瞬間に聞いたという歌を選んだ今回のイ・ミンホのプレイリストやコメントが新鮮に感じられるのは、完璧な外見ではなく人間的な悩みと深さが垣間見えたからだろう。
1.キム・ヨヌ サバイバル番組「私は歌手だ 競演3-2 “ネットユーザの推薦曲”」
「気に入った歌は何回も繰り返して聞くんですが、この曲は本当にはまりました。実は『私は歌手だ』でキム・ヨヌさんがこの歌を歌ったとき、『シティーハンター』の撮影中だったので見れなかったんです。ところが、車に乗って移動する時にラジオからこの曲が流れてきたんです。落ち着いた語りと安らかな音楽で癒やされるラジオ番組を聞いているかのような歌詞と、ソフトで安らぐ声に感動しました。そして歌いやすそうに聞こえますが、実際歌ってみると絶対に真似できない高い音域の曲だということにびっくりします」
最近、最もよく聞く歌だと言いながら彼が推薦した最初の曲は、キム・ヨヌがMBC「私は歌手だ」でキム・ジャンフンの歌をリメイクして歌った「僕と同じなら」だ。ちなみにこの歌はキム・ヨヌが歌った歌の中でも、最もキム・ヨヌらしくない歌である。しかし、首に青筋を立てて熱唱する姿は、過去のキム・ヨヌからは想像できなかったという人も多かっただろう。
2.インスニ「ガチョウの夢」
「大学入試の準備しながら、本格的に演技のレッスンを受けたんです。新しいことを準備するということは楽しみでもありましたが、他の人より遅れてるんじゃないか、きちんと準備をしているのかって、その当時はすごく悩みました。周りから『俺がお前なら演技なんかしないで一生懸命勉強するのに』と言われると、僕も『何で学生生活を楽しまなかったんだろうか』と考えたりしましたね。覚えているのは、この歌にすごく勇気付けられたということです。俳優を目指して頑張っている人たちや受験生と一緒に聴きたい曲です」
先日、Mnet「ユン・ドヒョンのMUST」が“人生に疲れた! そんなあなたの力になる曲”というテーマでアンケート調査をしたところ、1位になった歌。イ・ミンホにとってもこの曲の意味は同じようだ。
3.2NE1「2NE1 1st Mini Album」
「蒸し暑い夏、海に行きたいなと思う時は、いつも車の中で聞きます。撮影をしに行く途中も、渋滞した道路でも、この歌を聴いていると旅行に行くような気持ちになります」
“ふらりとどこかへ旅したくなるとき”聴きたい曲として彼が進めた曲は、2NE1の「I Don't Care」。2NE1の第一印象は、タフな感じの「Fire」であったが、彼女らをスターダムにのし上げた曲は、やはり「I Don't Care」である。アクロバティックな激しい振り付けはなく、肩を揺らしながら楽しく口ずさめる歌。その後、楽しく歌えるレゲエの特徴をよく生かして、レゲエ風にアレンジしたバージョンもリリースされた。
4.グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ「『ONCE ダブリンの街角で』オリジナル・サウンドトラック」
「美しい映画と音楽で、押し付けられた感情ではなく、自然で穏やかな感動を受けました。これは僕の考えですが、人によって感動する映画や音楽も違うと思います」
彼が進めた四番目の曲は映画「ONCE ダブリンの街角で」の挿入曲である「Falling Slowly」。プロのアコースティックギタリストや、ギターを学びたいと思う人の殆どがこの曲を演奏したり、練習したという。映画の成功は、歌の人気につながったと言えるが、映画を見ていないのに「Falling Slowly」のイントロは知っているという人も多いほど有名な曲だ。そのおかげで、主人公を演じたグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによるフォーク・デュオ「スウェル・シーズン」も世界的な名声を得た。最近、堤川国際音楽映画祭で上映された「スウェル・シーズン」を見ると、「ONCE ダブリンの街角で」以後の彼らを見ることができる。
5.イ・ミンホ 「F4 Special Edition 2」
「『My Everything』は、『花より男子』スペシャルエディションアルバムに入っている曲です。歌はうまくないですけど、ドラマを応援してくださった視聴者の皆さんに恩返しをしたくて歌うことにしたんです。僕が歌うことになるなんて、誰も思っていなかったでしょうから、誰かに初めて歌を聞かせてあげるという気持ちで歌った曲です。僕が歌うと、客席も一緒に歌ってくれたことがあって、すごく感動しましたね。よく聞く歌とは言えませんが、のプレイリストにいつも入っている曲です」
最後の曲は彼本人が歌った「My Everything」。彼の低く柔らかい低音が引き立つ曲で、何より「花より男子」から5年後のアフターストーリーを描いたミュージックビデオが話題となった。
「これまで“イケメン”という呼ばれる一発屋の俳優としてのイメージが強かったんですが、『シティーハンター in Seoul』で俳優としての可能性を見せることができたと思います。俳優という肩書きに一歩近づいたと言うか、『シティーハンター』以来、愉快な役だけではなく真剣で孤独な役のオファーも入ってきて演技の幅が少し広くなったなと思います」
彼は「花より男子」で多くのものを得たが、失うものもあった。短いが強烈な印象を残した映画「カン・チョルジュン 公共の敵1-1」で演じた高校生役をはじめ、着実に積み重ねてきた彼の出演作の数々は、ク・ジュンピョのイメージに隠れたり、ラッキーな男という肩書きがスターや俳優という言葉よりも先についた。そんな彼には、今の人気に満足するか、それとも初心に戻るのかという二つの選択肢が残されている。もちろん、振り出しに戻ることは不可能である。しかし、「前は愛想もよくて人間関係も広かったんですけど、少し有名になってからはそれができなくなったんです。気まずい人はなるべく避けるようになったし、一年ぶりに会った人とどう話せばいいのか分からず困っている自分が悲しくなります」というこの男が、人気と周囲の反応に振り回されて自分を見失うことは絶対ないと自信を持って言える。人気は一時的なものなのかもしれないが、信頼というものはもっと長く続くものだ。一躍スターダムに上がった後、俳優の人生を支配するのはまさにその信頼である。
記者 : ウィ・グンウ、翻訳 : ミン・ヘリン