Vol.1 ― 「太陽を抱く月」ヨ・ジング“千の顔を持つイ・フォン”
TVREPORT |
ドラマ序盤の子役の活躍が、ここまで話題になったことがあっただろうか。MBC水木ドラマ「太陽を抱く月」(チン・スワン脚本、キム・ドフン演出)で皇太子のイ・フォンを演じた15歳のヨ・ジングを当てたスポットライトが、当分は消えそうにない。ヨ・ジングは6話までの放送で、視聴率が29.3%(AGB二―ルセン・メディアリサーチ 全国集計)まで急上昇した人気の牽引役として評価され、次回作が楽しみな唯一の子役として挙げられている。
人気を実感しているのかという質問に、ヨ・ジングは「街を出歩いていないので、あまり実感はない」と恥ずかしそうに笑った。ただ「毎回放送が終わってから、Twitterやミニホームページなどを見ると、『太陽を抱く月』が話題になっているようだった」と付け加え、まだ中学生の彼に心を奪われてしまった“お姉さんファン(年上の女性ファン)”達の心は察しているようだった。
ヨ・ジングの“名品”とも言える演技は、同ドラマが初めてではない。ドラマ「ジャイアント」(2010年)「ペク・ドンス」(2011年)などで男性主人公の幼少期を演じた。個性溢れる彼の演技は、注目の的になった。ヨ・ジングは「フォンというキャラクターは、愛されて当然の人物。台本がとても面白くて、その中でもフォンは特に愛らしいキャラクターだった。キム・ドフン監督には、こんなフォンをさらにカッコよく撮っていただき、身に余る反響を得ることができた」と笑った。
良い結果が得られたのは喜ばしいことだが、フォンを演じるまでのヨ・ジングの悩みは大きかったという。彼は「これまで演じてきたのは、主に紆余曲折のある“雑草”のような人物だった。今回初めて皇太子を演じることになって、最初はピンとこなかった。私の演技を見て監督が『王様ではなく武士みたいだ』と指摘したこともあった」と打ち明けた。その後、ヨ・ジングは自らキム・ドフン監督に何度もアドバイスを求め、徐々に権威とお茶目なところを同時に持った皇太子フォンが出来上がった。
予期せぬことも起こった。成長期の少年に訪れた変声期だ。彼の台詞は低いトーンでささやいているように聞こえた。ヨ・ジングは意識的にトーンを高めて、台詞を大きく言う方法で危機を乗り越えたという。
最も大きな問題は、主人公のイ・フォンが持っている様々な姿をすべて表現しなければならないということだった。ヨ・ジングは「フォンは基本的にはお茶目な少年だが、ヨヌにだけは純粋で、彼女のためにサプライズイベントをするほどのロマンチストな面もある。しかし一方では皇太子としての権威もあり、成均館を利用して捲堂(同盟休学)を起こすほどの賢さも表現しなければならなかった。また、ユン・デヒョンと大王大妃(王の母)の前ではポーカーフェイスを保つ必要があるなど、シーンごとに表現する要素がとても多かった。様々なイ・フォンの姿を分かりやすく解釈して、自然に演じられるように努力した」と述べた。
ヨ・ジングは「ユジョンは、とても演技が上手だ。実際のユジョンは、シックな感じが強いが、劇中では大人しく読書を楽しむ品のあるヨヌを上手く表現した。実際の自分とは完全に異なるキャラクターを演じきるのを見て、演技に没頭するのがとても上手だと感じた」と話した。
世子妃の死を知り、宮殿を出ようとするフォンを臣下が阻止すると、立つことすらできず嗚咽するシーンを撮影した時は、重く憂鬱な空気が撮影現場に漂い、所々からため息が聞こえることもあった。休憩時間にもヨ・ジングをはじめチョン・ウンピョや助演の俳優らまでもが空を見上げ、幼い夫婦であるフォンとヨヌの別れを悲しんだという。
ヨ・ジングは「今回の作品は、感情をよくとらえることができた。台本を読むとすぐに感情が込み上げるほどとても悲しかった」と話した。特に4話で放送されたフォンがヨヌに人形劇を見せるシーンは、その後の悲劇をさらに強烈なものにするためのエピソードだった。また彼は「ヨヌが病のため実家に追い出され、フォンが変装をして会いに行くシーンが、ヨヌを想う気持ちが最もよく表れていたと思う。皇太子なのに、そこまでしてでも会いたいという気持ちが伝わって心が痛かった」と付け加えた。
「太陽を抱く月」は反響を得て当然の作品
人気を実感しているのかという質問に、ヨ・ジングは「街を出歩いていないので、あまり実感はない」と恥ずかしそうに笑った。ただ「毎回放送が終わってから、Twitterやミニホームページなどを見ると、『太陽を抱く月』が話題になっているようだった」と付け加え、まだ中学生の彼に心を奪われてしまった“お姉さんファン(年上の女性ファン)”達の心は察しているようだった。
ヨ・ジングの“名品”とも言える演技は、同ドラマが初めてではない。ドラマ「ジャイアント」(2010年)「ペク・ドンス」(2011年)などで男性主人公の幼少期を演じた。個性溢れる彼の演技は、注目の的になった。ヨ・ジングは「フォンというキャラクターは、愛されて当然の人物。台本がとても面白くて、その中でもフォンは特に愛らしいキャラクターだった。キム・ドフン監督には、こんなフォンをさらにカッコよく撮っていただき、身に余る反響を得ることができた」と笑った。
良い結果が得られたのは喜ばしいことだが、フォンを演じるまでのヨ・ジングの悩みは大きかったという。彼は「これまで演じてきたのは、主に紆余曲折のある“雑草”のような人物だった。今回初めて皇太子を演じることになって、最初はピンとこなかった。私の演技を見て監督が『王様ではなく武士みたいだ』と指摘したこともあった」と打ち明けた。その後、ヨ・ジングは自らキム・ドフン監督に何度もアドバイスを求め、徐々に権威とお茶目なところを同時に持った皇太子フォンが出来上がった。
予期せぬことも起こった。成長期の少年に訪れた変声期だ。彼の台詞は低いトーンでささやいているように聞こえた。ヨ・ジングは意識的にトーンを高めて、台詞を大きく言う方法で危機を乗り越えたという。
最も大きな問題は、主人公のイ・フォンが持っている様々な姿をすべて表現しなければならないということだった。ヨ・ジングは「フォンは基本的にはお茶目な少年だが、ヨヌにだけは純粋で、彼女のためにサプライズイベントをするほどのロマンチストな面もある。しかし一方では皇太子としての権威もあり、成均館を利用して捲堂(同盟休学)を起こすほどの賢さも表現しなければならなかった。また、ユン・デヒョンと大王大妃(王の母)の前ではポーカーフェイスを保つ必要があるなど、シーンごとに表現する要素がとても多かった。様々なイ・フォンの姿を分かりやすく解釈して、自然に演じられるように努力した」と述べた。
胸に染みる嗚咽の演技
ヨ・ジングの演技が最も輝いていた場面は、何よりも第5話の世子妃ヨヌの死への悲しみを演じたシーンだと言える。イ・フォンはヨヌと夫婦の縁を結び、原因の分からない病に倒れたヨヌを最後まで諦めなかった。結局彼女は亡くなり、別れを迎えた。まだ小学生のキム・ユジョンと中学生のヨ・ジングは、子役とは思えないほど切実な死別の悲しみを演じ、同ドラマの人気に拍車をかけた。ヨ・ジングは「ユジョンは、とても演技が上手だ。実際のユジョンは、シックな感じが強いが、劇中では大人しく読書を楽しむ品のあるヨヌを上手く表現した。実際の自分とは完全に異なるキャラクターを演じきるのを見て、演技に没頭するのがとても上手だと感じた」と話した。
世子妃の死を知り、宮殿を出ようとするフォンを臣下が阻止すると、立つことすらできず嗚咽するシーンを撮影した時は、重く憂鬱な空気が撮影現場に漂い、所々からため息が聞こえることもあった。休憩時間にもヨ・ジングをはじめチョン・ウンピョや助演の俳優らまでもが空を見上げ、幼い夫婦であるフォンとヨヌの別れを悲しんだという。
ヨ・ジングは「今回の作品は、感情をよくとらえることができた。台本を読むとすぐに感情が込み上げるほどとても悲しかった」と話した。特に4話で放送されたフォンがヨヌに人形劇を見せるシーンは、その後の悲劇をさらに強烈なものにするためのエピソードだった。また彼は「ヨヌが病のため実家に追い出され、フォンが変装をして会いに行くシーンが、ヨヌを想う気持ちが最もよく表れていたと思う。皇太子なのに、そこまでしてでも会いたいという気持ちが伝わって心が痛かった」と付け加えた。
1ヶ月間の強行スケジュール
約1ヶ月間の「太陽を抱く月」の撮影は短かったが、簡単なものではなかった。ヨ・ジングは「現場の雰囲気が和やかで、監督もとても性格がいい方で大きな不便はなかったが、夜の寒さと戦うことが辛かった」と話した。撮影のスケジュールも強行だった。彼は「平均睡眠時間が一日2~3時間で、最も短い時は一日40分しか眠れなかった。1、2話が放送されて、反響がよかったのでもっと忙しくなった。おかげで時間が空くたびに少しずつ寝て、睡眠時間を確保するようにした」と笑った。記者 : チョン・ソナ、写真 : キム・ジェチャン