Vol.2 ― ソン・シギョン、YouTubeで見せる自然体の姿「そのままでいいんじゃないかという変な自信があります(笑)」

Kstyle |

ソン・シギョンが6月30日に開催された「オフコース・クラシックス・コンサート2022・6・30 in Budokan」に出演するため約3年ぶりに来日。その前日にはLINE LIVEで配信中の「見えるラジオ」の特別編として、来日記念スペシャルと題した生配信も行った。Kstyleは生配信の直前にインタビューも敢行。話題沸騰中のSNSやYouTubeの裏話、日本のファンに対する想いなどを聞いた。

Vol.1 ― ソン・シギョン、約3年ぶりに日本へ「久しぶりすぎて妙な気分でした」

【PHOTO】ソン・シギョン、日本活動にも期待「もっと自由に行き来できるようになれば…」

【プレゼント】ソン・シギョン直筆サイン入りポラを2名様に!応募はTwitterをフォロー&リツイート

 

YouTubeのお店探し「成功率は半分以下、食べ歩いて太ってしまうし…」

――前回のKstyleのインタビューをきっかけに「見えるラジオ season2」が再開されましたが、これまでやってみての感想をお聞かせください。

ソン・シギョン:生放送じゃないので、ファンに向けて一方的に手紙を送っている感じです。手紙をビンに入れて海に投げて届くのを待っている感じ(笑)。届いたことはSNSを通じてわかるんだけど、反応まではよくわからないまま、またビンに入れて送っています(笑)。視聴者の数は確認できるのですが……。

――SNSやYouTubeを頻繁にアップされているので、本当にお忙しくて大変だと思います。どんな苦労がありますか?

ソン・シギョン:YouTubeを始める前にYouTuberの方に「自分が好きなことをやったほうがいい」とアドバイスを受けたんです。やらなきゃいけないという義務感にかられると、すぐに疲れてやりたくなくなるからって。だから、最近料理をよく作るし、おいしいお店めぐりもしているし、ワンちゃんたち(マネージャーが飼っている3匹の犬)に会っているし、歌を歌っているから、それらをアップすることにしたんです。全部好きなものばかりです。……けど、疲れますね(笑)。

――具体的にはどんなところが大変ですか?

ソン・シギョン:一番大変なのは「モグルテンデ(食べちゃうぞ)」のお店探しです。知っているお店に行っても10年前と味が変わったりするし、僕の行きつけのお店はおいしいのでお客さんがいっぱいいて「宣伝はもういい」と断られたり、「マスターがもう高齢だからお客さんを増やさないでひっそりとやりたい」とか、保守的だからとか。いろんな理由で断られたりするんです。食べに行って思ったほどの味じゃない場合もあるし、おいしいお店を見つけても許可が下りないことも多いしで成功率は半分以下ですよ。食べ歩いてお店を探すから太ってしまうし。お店の下見の時はお酒を飲まないようにしていますが、それでも限界はありますね。

――自ら探しているんですね。そして、かなり苦労されている印象です。

ソン・シギョン:一度やり始めると手を抜けない性格も問題です。YouTuberの方が「毎日更新するほど頑張るな」とか「どの動画も再生回数を増やそうとしないで、バラツキがあってもいい」と言っていましたが、やっぱり僕は気になってしまうんです。「お肉ばかりだから海鮮もやってくれ」というので海鮮をやってみたら、そんなに人気がなくて「どこが悪かったんだろう」って考えてしまって。どの動画も100万超えてほしいって思ってしまうから大変なんですね。歌のコンテンツは帰ってからやりますし、犬は犬だからかわいいし、料理は1週間に1~2度なのでそこまで大変じゃないですが、お店めぐりは人気コンテンツになってしまった分、自分の首を絞めていますね。いいことでもあるのですが……。
 

YouTubeで見せる自然体の姿「自分を飾ることが苦手」

――YouTubeの影響で新しいファンが増えましたか?

ソン・シギョン:それは日本の方々の反応と同じで、よくわからないですね。そこまで分析はできていません。

――動画コンテンツ以外に、時々YouTubeライブもされていますが、どんな気分の時にYouTubeライブをやろうと思うのでしょうか?

ソン・シギョン:ファンを寂しくさせているかなと思う時ですね。昔はSNSを一切やらなかったんです。自分の私生活は絶対に見せなかった。世の中には変わった人もいるから怖い気持ちもあったし。アイドルはファンが育てるものだから、SNSが不可欠だと思いますが、僕ももちろんファンに育ててもらっているけれど、アイドルとはちょっと立場が違うと思います。昔はアーティストがなにか不祥事を起こしても音楽が好きならば関係ないという時代もあったので、必ずしもいつも清く正しく「ファンの皆さん、愛しています」ってやらなくてもよかったんです。僕はアーティストとアイドルの中間のような立場にいて、ファンが必要だけれど、アイドルほどにはプライベートを見せる必要もなかったんです。おいしいお店にしたって、わざわざみんなに広めるよりも、自分ひとりで楽しんでいたほうがいいじゃないですか。でも、最近はファンとのつながりを持とう、ファンサービスをしようという気持ちが生じてきたので始めました。

――どうしてそのような気持ちが生じたのでしょうか?

ソン・シギョン:もしかしたら日本活動をしたことが影響しているのかもしれません。韓国では誰もが知っている歌手だから、コンサートのチケットも売れているし、自分のやるべきことをしっかりやって、犯罪さえしなければ(笑)誰にもなにも言わせないというか。別に僕が嫌いならいい、僕の歌や僕が好きな人だけが来てくれたらいいという感じでした。でも日本では僕と握手をするために1人で何枚もCDを買ってくれる人がいて、そんな人がいないと日本で活動ができないから、もらった分ちゃんとやらないという気持ちになりますよね。昔はアルバムを出して、コンサートをやってという形でやってきましたが、今はファンと一緒に成功を目指していくという気持ちです。だからファンに対しては特別な感情がありますし、感情が複雑に混じりあった結果、このようにSNSを通じて近況を知らせるようになったんです。ファンあっての僕なんだという気持ちになってから、まだそんなには時間が経っていないですね。変に聞こえるかもしれないですが、以前は歌手あってのファンだと思っていました。そこがアイドルとは違うところかなと。

――髪がボサボサのままとか、あまりにも飾らない自然体でYouTubeライブをしていますが、自然のままの自分をさらけ出す理由は?

ソン・シギョン:汚いって怒られると思っていました(笑)。

――怒ってないですよ(笑)! 有名人がなかなかそこまで自然な自分を見せるのは普通、抵抗があるものじゃないかなって思ったんです。

ソン・シギョン:自分を飾ることが苦手なんです。そしてYouTubeライブをやるためにいちいちメイクをするのは費用的にも問題があります。そして僕は性格的にも変わったところがあって、自然体でやると「芸能人なのにそんな格好で」「髪切ってください」「汚いです」とか叩かれるんですけど、そう言われるとむしろもっと汚いままを維持したいという気持ちになるんです(笑)。
 

韓国で是枝監督に遭遇「酔っぱらいすぎて…」

――(爆笑)。でも、その自然体が好きだっていう人のほうがたくさんいますよね。

ソン・シギョン:地上波に出る時は僕を知らない人もいるだろうから、きちんとした格好をするのが礼儀だと思っていますが、YouTubeはもっと個人的な空間ですよね。僕のことが気に入らないのならば見なければいいのに、わざわざ見にきて「もっとちゃんとしろ」というのはむしろ僕への愛情だと思うんです。まぁ飾るのは面倒くさいし、費用的なこともあるし、なによりも自然な姿をお見せできる媒体だと思うので。僕はそもそもこういう人間だから、そのままでいいんじゃないかなという変な自信がありますね。

――逆に、そこまで振りきっているのがさすがだと思います。

ソン・シギョン:だから最近、僕のモノマネをする芸人さんが増えたんですよ。ボサボサのカツラをかぶったりしてね。

――ソン・シギョンさんの「モグルテンデ」のマネをしてグルメレポートをするトゥンシギョンというYouTuberもいますね。

ソン・シギョン:そうなんです。彼がもっと有名になったら、逆に僕が彼の訪れた店に行って「モグルテンデ」をやるのもアリかなって思っています。

――YouTubeライブで、韓国で是枝監督とカン・ドンウォンさんに偶然に遭遇したと話していましたね。

ソン・シギョン:「モグルテンデ」のお店探しをしていて、プルコギと冷麺を食べて3軒目のお店でお会いしたのですが、後ろで日本酒を飲んでいるイケメンがいて、それがカン・ドンウォンさんだったんです。カン・ドンウォンさんとは顔見知りなので挨拶に行ったら、一緒に是枝監督がいました。僕は是枝監督の映画で好きな作品が何本もあるのですが、かなり酔っぱらっていたからタイトルが曖昧にしか思い出せなくて言えなかったんです。「この映画が好きなんです」とタイトルを言えたらとよかったのにとすごく後悔しました。僕も会った人にただ「好きです」とか「歌がうまいですね」と言われるよりも、「この曲が好きです」とタイトルを挙げて言ってもらえるとうれしいから。それなのに酔っぱらいすぎて言えなかったんです。

――では、今、伝えてください。

ソン・シギョン:「そして父になる」はいい作品でした。「ワンダフルライフ」もよかったです。是枝監督の映画は見た後に、落ち込むというか、辛くなるんですが、だから好きです。たまにそんな気持ちになりたい時があるんですよね。「僕はちゃんと生きているのか」「人生って一体なんだろう」とか、自分に問いかけたい気持ちになる時に見たくなります。是枝監督と一緒に写真も撮りましたが、シブくてかっこいい方でした。
 

日本活動にも期待「もっと努力しないといけないですね」

――それでは、最後に長い間ソン・シギョンさんを待っていた日本ファンにメッセージをお願いします。

ソン・シギョン:これから先がどうなるかは分からないですが、また機会があればやる気はいっぱいです。もしやるのならば、きちんとやる。曖昧にやりたくないです。イオンモールで歌い過ぎました(笑)。でも、その経験もいい思い出ですし、ファンに対してありがたい気持ちです。ファンの皆さんから「もっと日本の番組に出てほしい」「歌番組に出てほしい」「こんないいアルバムなのに、なんでもっとうまく宣伝ができないの」と言われるのですが、それは僕のせいです。もっと努力しないといけないですね。

――この3年間、日本のファンの顏が思い浮びましたか?

ソン・シギョン:日本活動をしている間は、韓国のファンにすごく叩かれたんですよ。日本では新人だからなんでもやるじゃないですか。韓国でも新人の頃はなんでもやったんですけど、今はやれなくなったこともたくさんあるから「日本に行ったら私たちには一度もしてくれないことをしている」「日本人だけに優しい」とか言われて。でも、今は日本には行けなくなって韓国で頑張っているでしょう。SNSもやって番組にもたくさん出ているから、逆に日本のファンはどれだけ寂しいだろうって思います。まるで浮気をしている気分ですよ。日本に来たら韓国のファンに「ごめんなさい」という気持ちになるし、韓国にいると日本のファンにちゃんと接してあげられないことが申し訳なくなります。

――常に両国のファンのことを考えていらっしゃるのですね。

ソン・シギョン:そうですよ!! 今回、日本のファンの皆さんが空港に出迎えに来てくださったのですが、その姿を見たらまるで国を失った人たちみたいでしたよ。「いつか戻ってくると思っていました~」って感じで(笑)。「日本に来てくれさえすれば、私たちがおもてなしします」みたいな。だから、ありがたいし、申し訳ない気持ちになるんですよね。

取材:安部裕子 / 撮影:前手秀紀

■LINE LIVE見逃し配信中
「ソン・シギョンの見えるラジオ特別編<来日記念スペシャル>」
配信日時:2022年6月29日(水)20:00~
配信URL:https://live.line.me/channels/779/broadcast/20187181

■関連リンク
・ソン・シギョン日本公式サイト:https://ssk-purpleocean.jp/
・ソン・シギョン日本公式Twitter:https://twitter.com/sungsikyung_jp

記者 : Kstyle編集部