韓国バラード界の皇帝 ソン・シギョンが2年ぶりに日本でアルバムをリリース!「いいエネルギーを持って一気に完成させた曲たち」

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「日本では新人の気持ちで活動したい」と意欲を語って日本デビューを飾ってからはや3年。韓国バラード界の皇帝、ソン・シギョンが約2年ぶりに日本で3枚目のアルバム『You Can Change My Life』をリリースする。そんなソン・シギョンにアルバム収録曲について思いの丈を語ってもらった。

コロナ禍で活動が思うようにできないアーティストが多いなか、新しい挑戦として製パンの資格を取得したり、充実した日々を送っているかと思えば、時には愚痴をこぼしてみたり、いつものシギョン節も炸裂。本人は「最近は日本語を使わないから下手になった」と言っていたけれど、以前と遜色ないくらい流暢な日本語でのインタビューとなった。

――インタビューするのは久しぶりな気がします。最近のSNSを見ていると、おいしそうな料理がたくさんアップされていますよね。パン作りもはじめられたそうですが、最近ハマっている料理はありますか?

ソン・シギョン:ハマっている料理は特にないですね。何でもかんでも作ってます。お菓子はテレビ局やラジオ局に行く時に差し入れとして作って持っていってます。一回やったら、持っていかないと申し訳ない気持ちになってしまって。「前の番組にはお菓子を作って持っていったそうじゃないですか」と思われてる気がして。だからすごく面倒くさいことになってますね(笑)。

――お菓子はみなさんに振る舞うために作ってるんですか?

ソン・シギョン:そうですね、自分のためには作らないです。量もものものしいし。クッキーとかパンって1個2個だけ作ることはできないじゃないですか。基本、10人分以上になるから。ケーキを作っても、ひとりで全部食べられる訳ではないし。そもそもケーキって特別感があるので、誤解されても困りますしね(笑)。普段はクッキーとかパウンドケーキ、エクレア、あとはシュークリームなんかを作ってますね。

――お菓子づくりをはじめたきっかけは何だったんですか?

ソン・シギョン:「On & Off」というバラエティ番組ですね。僕がMCをやってて、芸能人の私生活とか、普段どういう生活をしているのかを見せるという番組なんです。僕の家も全部見せてしまったんですけど、他のゲストさんの私生活を見てみると、みんなすごくがんばってるんですよ。みんな何かに挑戦してる。だから僕も影響されて、僕も何かやらないとと思って。なので、最初は製菓の資格を取りたいと思ってはじめたわけではなくて、何かやらないと、という気持ちだったんです。今はこういう時期ですし、他に何かできることもあんまりないですし。今までも趣味でパンとかケーキは作ったことがあるんですけど、料理はそこそこうまくなって、大体のものは何をどうすればいいか想像がつくんですけど、製パンは自分ではよくわからない分野だから、ただただレシピに従うしかできなくて。でもレシピがよくなかったらおいしくできないし、何度か悔しい思いもしました。

――その悔しい思いが製パンの資格取得につながるわけですね。

ソン・シギョン:「On & Off」は僕の番組だから、ゲストだけじゃなく、僕も何かやってますというところを見せないといけなかったんですよ。だからぶっちゃけると、制作側から「資格取ってくれませんか?」と言われたんです(笑)。「自分がやるわけでもないのに、よく言えるね」と思ったし、実際言ったんですけど(笑)。製パンの資格ってすごく難しいんですよ。合格率がものすごく低いんです。長い時間をかけて、本当にがんばらないと受からないくらい難易度が高い。しかも僕は有名人だから、落ちたら恥をかくし、受かっても「製パンの資格なんか取って何をするの?」ってなるし、本当はやりたくなかったんですよ(笑)。でもまあそういう経緯で勉強をはじめまして。時間も限られていたので、必死に勉強して、なんとか受かりました。

――すごい! シギョンさんは英語も日本語もそうですけど、勉強が得意なイメージがありますよね。

ソン・シギョン:本当はそんなことは言われたくないですよ(笑)。勉強が得意な人っています? ダイエットが得意だとか、勉強が得意だとかは、必死にがんばったことのない人が言う言葉ですよ。どれだけ必死だったか、どれだけ集中したかが大事なのであって、褒めるなら「集中力がすごい」と言われたいですね。「シギョンならすぐできるんじゃない?」と言われると、ちょっと悔しいです(笑)。


約2年ぶりの日本リリース「コロナで全部ストップしてしまったけど…」

――がんばった結果ということですよね、すみません! 話は変わって、今回、日本では2018年11月の日本2ndアルバム「君がいるよ」以来、約2年ぶりのリリースとなりました。この期間どのような活動をしてきましたか?

ソン・シギョン:韓国ではアルバムをリリースしてけっこう時間が経ったので、10年ぶりのアルバムを出すために、2020年の頭はけっこうがんばってたんですよ。自分が録音モードに入ったというか、毎日スタジオに通ってました。僕は何かをはじめると簡単にはやめることができないタチなんですよ。例えばラジオなんかもそうで、ラジオをはじめたのは一番売れてた頃だったので、その時はよく「何でラジオやってるの?」って言われてました。毎日拘束されるし、ギャラもそんなによくないしって。でも僕はラジオが好きだったし、簡単に何かをやめることができないからずっと続けてたんです。これはいいほうの話ですけど。でも同じように、何かをはじめるのも大変なんです。だから新しいアルバムを作るのに時間がかかってしまったんですよね。これは言い訳ですけど。

でも、これ以上出さないでいるのは無理だと思ったんですよ、これ以上はもう歌手としてもよくないと思って。それで2~3ヶ月ぐらい曲を書いたり、集めたりしていたら、けっこういい曲がたくさんできて、せっかくなら同時並行して日本のアルバムも作っちゃえという、気持ちになったんです。韓国のアルバムには合わないけど、日本のだったら合うかもという曲があるかもしれないし、日本の曲を韓国の歌詞で歌ってもいいし。そういう流れでいい感じに進んでたんですけど、新型コロナウイルスが蔓延して、全部ストップしてしまったんですよね。でもその当時、いいエネルギーを持って集中して一気に完成させた曲たちです。なのであんまり記憶はないです(笑)。

――記憶がないくらい夢中で作ったということですね。

ソン・シギョン:そうです。日本では今まで自分が満足できるほど活動できなかったってという思いがあって。新人の立場からがんばっていけば認めてもらえるんじゃないかと思っていたんですが、そういうわけではなかったですね(苦笑)。自分で言うのもアレですけど、韓国では僕はけっこう有名で、そういう人が日本で必死にがんばってたら、助けてあげたいという気持ちになるんじゃないかと思いきや、そうでもなかったなあと思って(笑)。そんな中で、僕なりにがんばって知り合いに頼んでテレビ番組に出させてもらったり、スタッフさんもがんばってくれていろんな番組に出られるようになって、さらに僕が大好きな、あの伝説的なバンド・スターダスト☆レビューの根本さんが曲を書いてくださって、これはいい波に乗れるんじゃないかと思ったんですけどね。コロナがね……。

――スターダスト☆レビューの根本さんのお名前が出ましたが、「You Can Change My Life-愛が生まれた-」はどういう経緯で根本さんに曲をいただくことになったんですか?

ソン・シギョン:前にアルバムで「追憶」(スターダスト☆レビューの曲)をカバーしたご縁で注目していただいて、曲をお願いしたところ、根本さんが自ら弾き語りしてくださった、とてもデモらしいデモをいただいたんです。歌詞も全部入ってて、渋い感じの曲で。その曲を聴いた時、「これだ!」と思いました。今まで僕があんまり歌ったことがないスタイルの曲で。

――「You Can Change My Life」はアルバムのタイトルにもなっていますが、これはシギョンさんがつけたのですか?

ソン・シギョン:もともとこの曲をもらった時、このフレーズが歌詞に入ってたんですよ。それに、根本さんから曲をいただく時、「これは『You Can Change My Life』という曲だよ」と言ってもらっていたので。そしてこの曲がアルバムのリード曲でもあるので、今回のアルバムもこの曲名から取りました。

――シギョンさんがスターダスト☆レビューをご存知だったことにも驚きました。

ソン・シギョン:「木蘭の涙」という曲はずっと昔から知ってましたが、「追憶」をリメイクして、そこからファンになりました。中野サンプラザのコンサートにも行きましたよ。すごく気持ちのいいコンサートでした。歴史のあるバンドが、お客さんと一緒に年を重ねていくということは、韓国にはない光景なんですよね。韓国はすごく早く熱くなって、すごく早く冷めるので(笑)。バンドというジャンル自体にもあんまり力がないんですよ。腕のあるバンドはたくさんあるけど。スターダスト☆レビューさんは1年で80回コンサートをされたと聞いて、その体力もすごいけど、そんなにファンがいるということが歌手としてありがたいというか、羨ましいなと思いました。中野サンプラザってだいたい2000人以上入るんですよね。これこそ歌手が憧れる未来じゃないかなと思いましたね。髪がもうない人も、みんな昔の自分に戻っている感じがして、感動で鳥肌が立ちました。音楽ってこういうふうにタイムトリップできる力があるというか、会場の後ろからステージと客席を見ながらそういう景色を見て、幸せな気持ちを感じているお客さんの後ろ姿を見て、すごいなと思いました。


「どんな曲もソン・シギョンの声だと感じさせるのが僕の仕事」

――Bonus Trackの「君住む街へ」は小田和正さんのカバーですが、歌ってみていかがでしたか?

ソン・シギョン:小田和正さんの曲をアルバムに入れられるだけで、この曲を歌えるだけで光栄でした。それに僕は日本では新人なので、スターダスト☆レビューの根本要さんや小田和正さんといった先輩方に認められている歌手だというイメージを会社が作りたかったんじゃないですかね(笑)。

――「君住む街へ」のように、原曲があるものをカバーする時は原曲のイメージに影響を受けますか?

ソン・シギョン:若い時なら発声とか歌い方に影響されることもあると思うんですけど、僕の歳ではもうあまりないですね。もちろん、いろんな事に励まされるといった影響はありますけど。なので僕の場合、歌い方が違って聞こえるという理由の多くは、曲に合わせて歌ったらそうなった、ということが多いんですよ。例えば「粉雪」みたいにちょっとロックな曲だと、普段の僕の歌い方だと合わないから、曲に合わせながらもやっぱりソン・シギョンの声だと感じさせるのが僕の仕事です。原曲の歌い手さんがこの曲を歌いながらどういうことを考えていたのか、どういう風に解釈して歌おうとしたのかについては、僕も同じ歌手として解釈、分析をするんですが、ここだけは捨てたくないというようなポイント、歌い方というのがやっぱりあって。それを失わないように歌うと、どうしても似ているふうに聴こえるとは思います。

――歌い方で言うと、「You Can Change My Life-愛が生まれた-」はシギョンさんが愛に満ち溢れた人になったように感じました。

ソン・シギョン:僕はもともとそういう人ですよ(笑)。「You Can Change My Life-愛が生まれた-」は、「君が唯一、僕を変えられる人なんだ」という歌なので、そういう気持ちになるのは自然なことですよね。歌詞を読んで、メロディを聴いて、そういう場面を想像して、レコーディングブースに入って、気持ちを込めて歌うことが僕の仕事だから。

――日本オリジナル楽曲はこれまでにも歌っていらっしゃいますが、最初に曲を聴いてから自分の歌になるまで、どれぐらい歌い込んだり、聞いたりするのでしょうか?

ソン・シギョン:僕は嘘がつけないので、カッコつけて「3ヶ月間、引き込もって曲の分析だけしてました」とは言わないですね(笑)。曲をもらった瞬間、歌えます。ですけど、日本語はネイティブではないので、日本語だと少し時間がかかりますね。今は日本語を使うチャンスがないから、全然伸びてないですけど、歌う時の発音に関してはよくなった気がします。(発音が)自然にできるまで練習しないと、発音が気になって感情が崩れたりするから、もうちょっと手間をかけて、勉強とまではいかないけど、歌う前に何回も何回も読んでみたりはしますね。

――今回のアルバムはどの曲も日本語がネイティブじゃない人が歌ってるとは思わないと思いますね。

ソン・シギョン:最高の褒め言葉じゃないですか。

――今回は日本のアルバムと韓国のアルバムを同時に作ったというお話でしたけど、作る上で違いはありますか?

ソン・シギョン:例えばレストランを運営してて、1店舗は韓国にあって、もう1店舗は千葉県にあるとしましょう。同じメニューを作っても、お客さんのことを考えながら料理を作れば、同じ料理でも味付けとか焼き方、もしくはメニュー自体も変わってきますよね。2つのアルバムも、音楽に対する気持ちは同じ、だけどそれを誰に聴かせたいのかで違いが出ていると思います。僕が今知ってる、把握している僕の日本のファンがどんな曲を好きなのか、それが当たってるかはわからないけど、そういうことを考えながら作ったのが日本のアルバムです。

――日本のファンに好まれる曲と韓国で好まれる曲の違いについてはどういう風に分析されてますか?

ソン・シギョン:僕は韓国での活動が長いので、韓国のファンはこれを嫌がるというのはわかってるし、けっこう決まってるんですよ。でも日本は未知の世界って言うか、まだ挑戦できる余地がある。それに日本のファンは応援してくれるんですよね。そういう違いはやっぱりありますね。日本の場合は、こういうことをやりたいとなったら、スタッフに相談して、やってみようというのができます。でも韓国は、これができないんですよ。イメージが少し変わるのはいいんですけど、自分の過去を全部捨てるくらい大変身するのは無理かな。だから日本活動は楽しいんですよ。「You Can Change My Life-愛が生まれた-」もそうですし、「粉雪」もそうだし、「ハチミツ」なんかは韓国だったら引退する覚悟が必要です(笑)。実際、僕のファンのコミュニティサイトでは「ありえない曲」って言われてますね。僕自身はいつも既存のイメージを破りたいと思ってるんですけど、完全に変わるのは難しい。でも、韓国の8番目のアルバムのタイトル曲は、踊ることになりそうです(笑)。今日もこれからダンスのレッスンに行かなきゃいけないんですよ。

――シギョンさんが踊るんですか? それは楽しみですね。

ソン・シギョン:楽しみにしてもいいですよ。笑えますね、たぶん(笑)。でもいい挑戦になるかも。バラード曲の中でどれをタイトル曲にするか決められなかったので、路線変更して、ちょっとかわいい感じの曲をやることになりました。この歳でかわいい曲を(笑)。今までやったことない系の曲なので、たぶんファンは喜んでくれると思います。まだ本決まりではないのでわからないですけど。


アルバム全曲紹介「ずっと大切に歌い続けたい曲」

――今回のアルバムの中の曲について1曲ずつ簡単にご紹介をお願いします。

1.「You Can Change My Life-愛が生まれた-」

ソン・シギョン:前に「追憶」をカバーしていたご縁もあって、根本さんに書いていただいた曲です。スターダスト☆レビューさんのコンサートで初めて根本要さんにお会いした時は、すごく緊張して心がやられました(笑)。これからもずっと大切に歌い続けたい曲です。

2.「心のままにいられるのなら」

ソン・シギョン:尊敬する大先輩の松井五郎さんが、僕の曲に素敵な歌詞をつけてくださいました。今までも大事な時に助けてくれます。これからもよろしくお願いします!

3.「Time lost」

ソン・シギョン:当初、韓国のアルバムに収録する予定でしたが、日本語で歌ったほうが合うかもと思って、こちらのアルバムに収録しました。この曲にも松井五郎さんが泣ける詞を書いてくださって、感謝しています。

4.「あした」

ソン・シギョン:実はデモテープを聴いた時は、自分と対極のしゃがれた声だったんですよ。でも心に伝わってくるものがあって、ぜひ歌いたいと思いました。アレンジのCHOKKAKUさんとも初共演ですが、僕の声も曲も理解してくれた、素晴らしい演奏でした。

5.「ハチミツ」

ソン・シギョン:ドラマ主題歌のお話をいただいて、野島伸司さんの不思議な歌詞の世界を自分なりに表現してみました。最初は馴染めませんでしたが(笑)、今はコンサートでもノリノリで歌わせていただいています。

6.「モノクローム」

ソン・シギョン:韓国のドラマ「九尾狐伝」の挿入歌のお話をいただき、作りかけていた幾つかの曲の中から、この曲を選びました。ドラマでは韓国語で歌っていますが、日本語の歌詞も大好きです。

7. ボーナストラック「君住む街へ」

ソン・シギョン:小田和正さんはずっと憧れていたアーティストです。コンサートで客席を駆け抜ける小田さんを見て興奮して、しばらく魂が乗り移った気持ちでした。この曲は、オフコース・クラシックスのコンサートでも大切に歌わせていただきました。


「最近は大橋トリオさんが大好き…昨日も聴いてました」

――これからコラボやカバーしたい日本のアーティストはいますか?

ソン・シギョン:これは言ったらちょっと失礼になるかもしれないですけど、リメイクに関しては厳しいアーティストさんが多いんですよ。僕が歌いたいと思っても、日本ではまだ認知度が低いから……。僕は、誰にお願いされても基本的にリメイクOKです。もし僕より下手だったら、やっぱりソン・シギョンがいいってなるし、僕よりうまかったら曲がもっと有名になって僕も助かるし(笑)。どちらにせよありがたいことですからね。なので、僕はよっぽど嫌いな人じゃない限りはOKを出します。でも、よくわからない外国人が、いくらその人が自分の国では有名だとしても、自分が大切にしてきた曲を歌いたいですと言ってきたら、それはちょっと失礼に思う人もいるかも、というのは理解できます。だからもっと有名になって、もう一回チャレンジしたいですね。最近は大橋トリオさんが大好きで、昨日も聴いてました。「Lady」という曲が好きです。

――世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、日本でも音楽活動や発信の仕方を改めて考えるアーティストの方がいました。シギョンさんも音楽を発信する側の立場として、なにか音楽的な影響や変化はありましたか?

ソン・シギョン:毎年やってきたコンサートができなくなって、僕自身もそうですけど、ファンのみなさんも寂しいと感じたと思います。オンラインコンサートは技術的な問題もあって、僕は断念しました。オフラインのコンサートは得意なんですよ。キャリアもあるし、表現力もあるし、評判もそこそこいい。でも、オンラインコンサートに関しては、僕のファン層とはやっぱりちょっと違うんじゃないかと思ってるんですよね。僕のコンサートに来る人は、映画館で映画を見るのとスマホで映画を見るのとは完全に違うと感じてる世代の人たちなので、会場に行って、目の前でアーティストが歌って、みんなで集まってステージを見るという体験ではないオンラインコンサートに、わざわざお金を払うだろうか、という気持ちがあります。それに、いくらこちらが技術的な問題を解決させても、受け手側の環境が整っていないと難しいですよね。もし受け手側の電波が悪くてコンサートを見られなかったら、それは誰の責任なのか、とか。そういう問題をクリアするのは簡単ではないので、いろいろ工夫はしてみたけど、実際には韓国で有名な歌手は誰も(オンラインコンサートを)やれないでいます。

日本では去年、サザンオールスターズさんがオンラインコンサートをやって、50万人がその映像を観たと聞いて、羨ましかったです。僕もいろいろ方法を調べてみたけど、今はそれよりも、コロナが収まった後、コンサートができるのを待つほうが早いと思っています。これはあくまで僕の考えですね。やってみたら案外成功するかもしれないし、他の人にもいい影響があるかもしれない。だけど、僕は自分のファンに無理やりチケットを買わせたくないんですよ。その前にアルバムが出るから、今はコンサートを急ぐ必要はないかなって思ってます。ただ僕が稼げないだけなので(笑)。

――ファンの方は寂しいですけどね。

ソン・シギョン:だからSNSがんばってるでしょ(笑)。3日間バンドと練習して、全部自腹で映像作って、自分で編集した動画をアップしたんですけど、この間アップしたリラックマのスパムおにぎりより反応がなかった気がします(笑)。そんなんだったらおにぎりだけ作っていればよかった!

――リラックマおにぎり見ましたよ、かわいかったですね。

ソン・シギョン:かわいいですよね。ちなみにその写真の投稿には「コロナが歌手に及ぼす影響」という文章をつけてアップしました(笑)。

――コロナ禍でリラックマおにぎりを作るまでになったシギョンさんですが、2020年はどんな1年でしたか?

ソン・シギョン:歳だけ余分に取った、そんな1年でした。いろんなことができなくなって、でも新しいことができるようになった、とも言えると思います。SNSなんて、それまでまったくやる気はなかったんですけど、今はこれしかないですからね。これで毎日ラジオみたいに、毎日写真を撮ってアップしています。2021年にはYouTubeもやってみようと思ってます。2020年はいろんなプランを練って、パワーを蓄えるような時間だったと思います。ダイエットも久しぶりに成功したし。いろんなことを計画しすぎるようにしてくれた時間。だから、これからは実行あるのみです。海に潜る前、息を深く吸って、吐いてはいけないという訓練を何回もやるじゃないですか。潜水時間を長くするためのトレーニングです。今は水に潜るタイミングだけを見極める時期。でも一旦潜ったら、絶対に昔よりは長く潜っていられると思います。海の底まで潜ってみせます!


「日本のファンのために何かしたいという気持ち」

――製パンの資格を取ったり、いろんな挑戦を続けているシギョンさんですが、2021年にやりたいこと、挑戦したいことは?

ソン・シギョン:できることは何でもやりたいです。みなさんもそうですよね。韓国が好きな日本人は韓国に行きたいだろうし、僕は日本に行きたいです。温泉に入りたいですね。生ビールをいっぱい飲んで、今はちょうど魚がおいしい季節じゃないですか。魚のおいしいお店で、枡酒も飲んで。冬だから福岡の屋台で熱燗とおでんもいいですね。あとはやっぱり、コンサートがやりたいです。どこでもいいから。この間、ふと気づいたんですけど、SNSをやってない日本のファンは少し寂しかったんじゃないかと思って、メッセージを送りました。日本のファンのために何かしたいという気持ちはいつもあります。おかげさまで日本語もけっこうしゃべれるようになりましたし、また機会があれば、LINE LIVEもやれたらと思います。

――せっかく見える部屋にキーボードがあるので、歌っていただいてもいいですね。

ソン・シギョン:それはお金がかかりますよ(笑)。でも、後でいろいろ相談しましょう。

――最後に、アルバムを楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをお願いします。

ソン・シギョン:「明けない夜はない」と思います。会えない時間が長くて、暗くて、寂しくて、けどその分、これからがもっと楽しみになる、今はそんな時期なんじゃないでしょうか。ここで止まるつもりはないです。これからもいろんなことに挑戦していきます。「楽しみにしていてください」という言葉を、今までは深く考えずに言ってきましたが、今がまさにこの言葉を言うタイミングだと思います。「楽しみにしていただきたい」、それがちょうど今の気持ちです。この間歌った「Have yourself a merry little christmas」という曲もそういう内容でなんですよ。メリークリスマスになりますように。悩みは全部遠ざかって、仲がいい人たちが集まってきますように。「If the fate allow」という歌詞があるんですけど、これは「運命が許せば」という意味なんです。人間には目の前の未来はわからないですよね。自分ががんばってどこうできるものじゃないから。それを今回、強く実感しました。僕らはできることをやりながら待つだけ、そうしてやがてやってくるその時は、きっと楽しい時になるはずです。その時を僕も楽しみにしていますので、みなさんも楽しみにしてください。

――踊るシギョンさんも楽しみにしています(笑)。

それはちょっとやめてください(笑)。

取材:尹 秀姫

■リリース情報
「You Can Change My Life」
発売日:2021年2月3日(水)

○初回限定盤
CD+DVD+豪華フォトブック+特製フォトカード <VIZL-1846 税抜4,000円+tax>
※DVD [収録映像]01「Making of CD Jacket」02「ハチミツ☆Music Video」

○通常盤
CD+ブックレット※CD;
初回限定盤同内容 <VICL-65467 税抜2,500円+tax>

<収録曲>
01「You Can Change My Life-愛が生まれた-」作詞・作曲:根本要 / 編曲:CHOKKAKU

02「心のままにいられるのなら」作詞:松井五郎 / 作曲:Sung Si Kyung / 編曲:Hwang Seong Je / 弦編曲 : Jung Soo Min

03「Time lost」作詞:松井五郎 / 作曲・編曲:JPG(Hwang Seong Je, Bang In Jae, Jung Dong Yoon, Seo Mi Rea)

04「あした」作詞・作曲:Rio / 編曲:CHOKKAKU

05「ハチミツ」作詞:野島伸司 / 作曲:Daisuke"DAIS"Miyachi / 編曲:Yuichi Ohno

06「モノクローム」作詞:Soflan Daichi / 作曲:Shim Hyun Bo / 編曲:Park Min Seo

―Bonus Track―
07「君住む街へ」作詞・作曲:小田和正 / 編曲:服部隆之

2月3日より、音楽ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信スタート
※対応ストリーミングサービス:Amazon Music Unlimited/HD、Apple Music、AWA、KKBOX、LINE MUSIC、mora qualitus、RecMusic、Rakuten Music、Spotify、YouTube Music

【アルバム購入者応募特典企画】
ソン・シギョン ニューアルバム「You Can Change My Life」発売記念
初回限定盤(VIZL-1846)、通常盤(VICL-65467)Wご購入者様限定
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○特典詳細
特典①【初回限定盤】(VIZL-1846)と【通常盤】(VICL-65467)のW購入者対象
オンラインでの☆Sung Si Kyung Special Program☆映像/期間限定視聴権を取得
視聴期間:2021年3月14日(日)19時00分~3月17日(水)19時00分
※期間中は何度でも視聴可能

特典②【初回限定盤】(VIZL-1846)と【通常盤】(VICL-65467)のW購入応募者対象
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応募締切:2021年3月17日(水)消印有効

<応募方法>
特典①
商品封入チラシ記載の特設サイトにアクセスの上、【初回限定盤】(VIZL-1846)【通常盤】(VICL-65467)各々チラシに記載されているシリアルナンバー何れも入力、期間限定で【Sung Si Kyung Special Program】映像を視聴可能。

特典②
【初回限定盤】(VIZL-1846)商品封入ハガキに必要事項記入の上、【通常盤】(VICL-65467)に封入されている“「You Can Change My Life」W購入特典応募券”を切り取って貼付の上郵送。抽選で100名様にプレゼント。

アルバム先着ご予約購入特典
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■関連リンク
ソン・シギョン日本オフィシャルウェブサイト:http://sungsikyung.jp/

記者 : Kstyle編集部