チュウォン vs 玉木宏、日韓「のだめ」3つの観戦ポイント

OSEN |

写真=KBS、映画「のだめカンタービレ」スチールカット
原作のあるドラマや映画は、長所と短所が明確に分かれる。折り紙つきのストーリーとキャラクターが物語の完成度を高め、原作の人気は自然な宣伝効果をもたらす。その一方で原作ファンの厳しい基準を満たすことは容易ではない。

韓国で13日にスタートしたKBS 2TV新月火ドラマ「ネイルもカンタービレ」(脚本:シン・ジェウォン、演出:ハン・サンウ)も同じだ。原作は日本の漫画「のだめカンタービレ」で、2006年にはフジテレビでドラマ化もされ、高い人気を得た。

特に、クールな外見だが温かい心を持っている男性主人公・千秋真一(チャ・ユジン)は大きな人気を博した。トラウマを抱えた千秋は純粋な野田恵(のだめ/ソル・ネイル)に出会い、次第に同化していく。韓国でも原作に対する関心が高かっただけに、韓国版のドラマがスタートすると一部の視聴者は日本版ドラマを思い浮かべながら、千秋とチャ・ユジンを比較している。


自分にも他人にも厳しいが、温かい心の持ち主

千秋は冷静で冷たいが、誰より人間的な人物だ。隣に住む“ゴミ女”を無視できない。世話好きな性格のため、自らのだめの家を掃除し、料理まで作る。のだめのひどい頭の匂いに我慢できず、髪を洗って乾かしてあげる優しさもある。もちろんそれは異性に対する愛情ではなく、人なら誰もが持つ普通の心であるが。チャ・ユジンも似たような心遣いのできる人物として描かれる。

優れた料理の腕前も魅力的だ。千秋はのだめのため様々な料理を作ってあげる。簡単な家庭料理から高級料理までいとも容易く作り上げる。千秋がのだめに作ってあげた最初の料理は、ミレリーゲ ・アラパンナコンイブロッコリ。これは千秋をさらに素敵に見せると同時に、食べ物で簡単に動かせてしまうのだめとのつながりにもなる。韓国版ドラマではチャ・ユジンがソル・ネイルにチャーハンを作ってあげるが、このシーンは残念ながらツナ缶などの間接広告(PPL:テレビ番組や映画に特定会社の商品を小道具として登場させること)のシーンとして活用されてしまい、残念な部分だ。

写真=KBS、映画「のだめカンタービレ」スチールカット

漫画的な要素は異なる

日本版ドラマの特徴は漫画を連想させる誇張された演出だ。千秋がのだめを押しのけるシーンで千秋がのだめと似た人形を投げることで笑いを誘うようなやり方だ。自分のことを「のだめ」と呼び、敬語を使うのだめの独特な口調、愉快な効果音も印象的だ。千秋はのだめのように主導的にコミカルな姿を見せるというよりは、コミカルな反応を見せることで笑いを誘う。動揺しないように努力するが、実際はのだめによって気持ちが振り回されているという単純な面も笑いのポイントだ。

チャ・ユジンには相対的にコミカルな要素が少ない。ソル・ネイルはチャ・ユジンをオラバン(お兄さまの済州島の方言)と呼び、「~サム」などインターネットで流行している言葉を使うが、チャ・ユジンは敏感で理性的な人物として描かれる。そのためチュウォンは相手のソル・ネイル役のシム・ウンギョンと比べ、やや落ち着いた演技を見せている。発声もこれまでの作品とは全く違う。もちろん、ソル・ネイルを巡ってシュトレーゼマン(ペク・ユンシク)と神経戦を繰り広げるなど、ソル・ネイルの前だけで現われる幼稚な面は彼も持っている。


整った顔立ちに長身、誰が見てもイケメン

千秋、あるいはチャ・ユジンというキャラクターは、これを演じた俳優の魅力とも重なる。千秋役の玉木宏は芸術家の神経質な面貌をシャープな顔立ちとスリムな身体、長いヘアスタイルで表現した。糊の効いたシャツに黒スーツ、靴など、ただ立っているだけでグラビアのようなファッションで、女性視聴者たちの胸をときめかせた。玉木宏は愛によって幼い頃のトラウマを乗り越え、指揮者として成長する千秋真一の姿を自然に表現し、俳優としても高く評価された。

チュウォンもチャ・ユジンというキャラクターを通じて、185cmの長身にハンサムなルックスをアピールする。感情のない表情は気難しい性格を表現し、中低音の声は適度に聞きやすい。まだドラマの序盤であるため、彼がすべての演技を見せたと判断することはできない。ただ、ドラマとコメディが共存する作品の中で、彼の比較的安定した演技は、ドラマの中心を担っている。今後話が進むにつれ、さらに成熟していくであろうチュウォンのチャ・ユジンにも期待が高まる。

記者 : キム・ユンジ