「ソンジェ背負って走れ」ビョン・ウソク、大ブレイクに困惑?自身の恋愛スタイルや涙の理由も明かす【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=VAROエンターテインメント
俳優ビョン・ウソクが、大人気の中で放送終了した「ソンジェ背負って走れ」に出演した感想を語った。

tvN月火ドラマ「ソンジェ背負って走れ」は、生きる意志を手放した瞬間、自分を生かしてくれた有名アーティストのリュ・ソンジェ(ビョン・ウソク)と、彼の死に絶望した熱狂的なファンのイム・ソル(キム・へユン)が、推しを生かすために時間を遡って2008年に戻る“タイムスリップファンタジーロマンス”だ。

彼は劇中、バンドECLIPSEのボーカルでトップスターのリュ・ソンジェ役を演じ、大人気を博した。作品への愛情が大きかっただけに、彼は5月28日に行われた最終回の団体観覧イベントで涙を流した。

彼は「泣かないつもりだったけれど、ソンジェのことをすごく愛してくださいましたし、最終回の美しいシーンを皆さんが好んでくださったじゃないですか。そのシーンのために照明監督が1、2時間前に行って設置をして、撮影監督もあらかじめ撮影場所に行ってきれいに撮ってくださいました」とし「第16話が終わってスタッフの写真が出てきたら、ありがたく思う気持ちが強くなりました。ソンジェをとても愛していましたし、好きだったので、その瞬間にいろいろな感情が湧いてきて涙が出たのだと思います」と語った。

「ソンジェ背負って走れ」は最終回の視聴率が5.8%(ニールセン・コリア)を記録し、有終の美を飾った。さらに、各指標では視聴率よりもさらに驚くべき人気を見せた。ビョン・ウソクに作品の人気の要因を尋ねると、「脚本家さんの書く文章もとても良かったですし、監督の編集と演出、感情のディテールも素晴らしかったです。複合的に、運としか言いようのないことも多かったと思います」と説明した。

同作はキャストを含め、様々な困難を乗り越え3年ぶりに実現した作品だ。彼は「台本を受け取った時、ト書きや台詞がとても美しかったんです。この作品に必ず出演したいと思って始めました」とし、「ソンジェは19歳から34歳まで見せなければならないけれど、監督が『20世紀のキミ』を見てうまくできそうだと思ってくださったようです」と語った。

彼は、リュ・ソンジェというキャラクターを通じて長年の夢を実現させた。彼は「リュ・ソンジェは、松のような姿が魅力的です。一人の女性を愛し、自身を犠牲にしようとする姿を人々が好いてくださったと思います」とし「一人のために、自分のすべてを捧げることができるキャラクターを演じてみたいと思っていたのですが、ソンジェがそのような感情を持った人だったので良かったです」と満足感を示した。

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タイムスリップを繰り返し、ドラマには19歳、20歳、34歳のリュ・ソンジェが登場した。各時期の繊細な変化を表現しなければならず、プレッシャーがあったはずだ。これに対し、ビョン・ウソクは「19歳の時は初々しくて、運動ばかりしていたため、感情表現が下手な姿を見せるために努力しました。大学生の時は、ソルが僕の感情を断った時、その間に成熟したソンジェの姿を表現しようと思いました」とし、「34歳の時はソルへの感情は維持しながらも、トップスターの気難しさと繊細さを表現しました。監督や脚本家さんと相談し、台詞のトーンや服のスタイル、ヘアスタイルも悩みながら差別化しようと思いました」と説明した。

続けて「19歳の時は髪をおろして飾らない感じ、大学生の時は体育大生なので、スタイリングをするよりはナチュラルな雰囲気を表現しようと思いました」とし「トップスターのソンジェはいつも飾っていなければならないと考えました。髪にツヤを出し、色々と話しながら案をまとめていきました」とつけ加えた。

キャラクターとのシンクロ率を聞くと彼は、「何かを好きになれば深くはまる方なので、集中するところについては似ていると思います。ですがソンジェは若い時、すごく不器用じゃないですか。僕はそれほど不器用じゃないと思います」とし「大学生の時も、ぶっきらぼうですが率直に表現する部分がありましたけど、僕はそのように表現したことはなかったと思います」と比較した。

彼は、リュ・ソンジェの演技の中心をソルへの感情に置いた。「19歳から34歳まで、34歳の時は記憶のない時期もありました。その中で中心にしたのは、ソルへの気持ちです。ソルのために犠牲になり、15年間、記憶を失っていたけれど、ついに運命の人を見つけた感情を表現しようと思いました」と説明した。

今作でビョン・ウソクは“ソルチンジャ(ソルに夢中な人)リュ・ソンジェ”を表現し、コミカルな演技までこなした。口を塞ぐ演技からとぼけた滑り台のシーンまで、彼ならではのコメディ演技が面白さを与えた。

彼は「普段からコメディが大好きで、脚本家さんの文章もすごく面白かったんです。携帯電話を落として何事もなかったかのように滑り台に乗って降りてきて、そのような話をする状況そのものが面白くて、どうすればもっと生かせるだろうかと悩みました」とし「コミカルなシーンをきちんと生かしてこそ、真剣なシーンや感情的なシーンがあった時にもっと心に響くだろうと思って、欲が出ました」と伝えた。

制作発表会の時に「ラブコメの天才になりたい」と意気込んだ彼は、「あの時はとても緊張していて、突然ラブコメの天才と言ったけれど、そう呼ばれるならとてもありがたいと思います。修飾語を得るためもっと頑張ります」と語った。

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「ソンジェ背負って走れ」をはじめ、前作でも死を迎えるキャラクターを演じた彼は「赤ちゃんガプス(赤ちゃんキムガプス)」という修飾語も得た。彼は「『赤ちゃんガプス』という修飾語は新鮮でした。次の作品もそのようなキャラクターを選ばなければならないのでしょうか(笑)」と冗談を言った後、「どういうわけか、そのように何か事情のあるキャラクターを演じるようになりました。幸せな感情も好きですが、悲しい感情もすごく好きなのだと思います」と説明した。

ソンジェを演じながら最も幸せを感じた場面については、「16話にして、ついに2人のあいだで引っかかっていた部分が解けるじゃないですか。その瞬間からは思いっきり楽しみながら演じられると思って、以前から『隠された感情が爆発して愛し合う表現をしなければ』と話していたので、その部分に集中して幸せな気持ちで撮影に臨めました」と語った。

表現の濃度についてはひたすらに悩み、アドリブを駆使してドラマの完成度を高めたという。「テソン(ソン・ゴニ)と酒を飲む場面で、過去が変わった関係でソルと付き合わなかったことを知って笑い続けるシーンがあります」と前置きした彼は、「『ここまで笑っちゃってもいいですか?』と提案したり……16話ではソルの祖母が私に話してくれる場面があるのですが、その部分に関しても台本では『ありがとうございます』というセリフだけだったところを『こんな風にしてみてもいいですか?』と提案して、涙が出るように表現しました。撮影の時にソン・ビョンスク先輩からぶつけられた感情に合う表現をしたかったんです」と振り返った。

ハードな撮影スケジュールのせいで3~4kg体重が減少してしまったというビョン・ウソクは、特に年齢と感情が変化する時の演技を掴むことが難しかったという。

彼は「14、15話で完全に記憶を失ったソンジェが登場します。感情を失くした状態で演技をしなければならないこともそうですし、15年分の記憶を失った後のソンジェを演技することも簡単ではありませんでした」と切り出した彼は、「どの程度表現すべきか、どのレベルまでリアクションをオーバーにするべきかたくさん悩みました」と強調した。

劇中の時代背景がビョン・ウソクの学生時代とリンクするだけに、共感した部分も多かったようだ。彼は「高校時代は一番親しい友達とMP3を一緒に聞きながら家に帰っていました。ソルともそういうシーンがあって、当時のことをたくさん思い出しました。その友人は今でも最も親しい友人の一人ですが、『あの頃は平気でやっていたことが、今考えてみれば青春だった』と実感しました」と青春時代のエピソードを語った。

また、彼は劇中で阿吽の呼吸を披露したキム・ヘユンに対する感謝も語っている。「彼女が与えてくれるソルのエネルギーが、ソンジェとしての自分の心を軽くしてくれました。とても感謝しています」とし、「初めて朝から夕方まで最初のシーンと最後のシーンを撮影したのですが、その合間でコンディションをうまく調節できない時がありました。その度に食べ物を用意してくれて、糖分が足りなくなることを懸念してゼリーやチョコレートをくれて、僕のエネルギーを上げ続けてくれました」と伝えた。

さらに、「現場ではスタッフたちに対して常に笑顔で、毎日濡れてとても寒いだろうにやり遂げていました。そんな姿を見ながらたくさん学びましたし、頼る部分もたくさんありました。ヘユンがソルを演じてくれて、とてもありがたいです」とつけ加えた。

2人の身長差も、視聴者のときめきを誘った。以前から背の高い俳優と共演することが少なくなかったキム・ヘユンだが、ビョン・ウソクは自分だけの強みについてこう語っている。「ドラマを観てくれた方たちは、ソルとソンジェとして深く眺めてくれていたのではないでしょうか。外見的な部分を抜きにしてもソルとソンジェの感情がとてもよく表現できていて、そういう部分に共感してくれた方々が多いように思います」と伝えた彼は、「率直な感情が良かったのでしょうね」と満足感を表した。

水泳選手にECLIPSEのボーカルという、リュ・ソンジェの多様な設定を安定的に表現。水泳に歌と、演技のほかに準備が必要な部分も多かった。

彼はこれについて「台本で読んだ時は『こういうこともしたいな』と思いましたが、実際にやるとなると『どうすればいいのか?』と思わされました」と語り、「最善を尽くさなければと思っていたので、水泳を2~3ヶ月ほど習って歌は音楽監督がディテールを調整してくれました。最善を尽くして準備の過程を楽しんで、特殊なことがある度に自分から学んで熱心にやりました。監督たちも、映像で素敵に表現できるように努力してくださいました」と感謝の気持ちを伝えた。

さらに、「ボーカルのトレーニングは受けましたが、撮影に入るタイミング的に時間を多くとれませんでした。コンサートのシーンでは、ECLIPSEのメンバーにたくさん助けられました」と続けた彼は、「彼らはドラマで共演する以前から歌手として経験をしていて、ステージのシーンをどうすればいいかは監督とも話したのですが、N․Flyingのイ・スンヒョプには特にアドバイスを求めました。『こんな風にやればどうかな?』と積極的に提案してくれました」と撮影時のエピソードにも触れた。

ECLIPSEの楽曲が公開された当時は、実際に音楽番組でステージを見たいという声も殺到した。ビョン・ウソクは「ずっと僕たちの作品を好きでいてくれて、ECLIPSEへの関心を持っていただければ機会ができる可能性もあるかもしれません」と答え、期待を高めた。

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結果的にECLIPSEの楽曲「夕立(Sudden Shower)」は、既存のアーティストにとっても突破が簡単ではない音楽チャートで上位を獲得した。1位も夢じゃないという指摘について彼は「この間チャートを目にした時は5位でした。あまりにもすごいアーティストの方々と一緒にチャートインしているというのですから、信じられません。今でも十分満足しているので、1位になりたいという欲はないです」と笑顔を見せた。

実際に、過去には「自身出演のドラマでOST(挿入歌)を歌いたい」と語ったこともあるビョン・ウソク。「ソンジェ背負って走れ」で夢を叶えた彼は、普段からECLIPSEの楽曲をよく聴くようになったという。「レコーディングの時も本当に楽しかったので、たくさんの方が喜んでくださって僕も嬉しいです。ECLIPSEの曲のほかに、各場面で演じた感情を思い浮かべながらOSTを聴くこともあります。ソルへの感情が深まる時に流れる、(G)I-DLEのミンニさんが歌う『夢のようで(Like A Dream)』も素敵です。それもまわりまわって、結局は『夕立』に戻ってくるんですけどね」と笑った。

また、音楽の好みについては「穏やかなバラードとかが好きです」とビョン・ウソク。「シャワーを浴びる時もそのような曲を聴きますし、楽しくなりたい時も穏やかな歌をずっと流しています。ポール・キムさん、イ・ムジンさん、ロイ・キムさんの歌が好きです」と説明した。

「ソンジェ背負って走れ」は、ビョン・ウソクの俳優人生を大きく変えた作品となった。彼のSNSのフォロワー数はドラマの放送前と比較して2倍ほど増加し、ドラマの人気に比例するようにビョン・ウソクの出演するバラエティ番組も視聴率が上昇した。

現在の人気に戸惑っているという彼は、「僕はいつも自分に鞭を打つタイプなのでこの状況が当然だと思うことはないのですが、『ほんとに合ってる?』と言いたくなるほど驚きはしました」一言。役者デビュー8年目にしてブレイクを果たしたビョン・ウソクは「『自分は演技ができない』『これはできる』と主観的に考える人もいるかもしれませんが、僕は瞬間ごとに最善を尽くしました」と強調した。

最近スタートしたファンミーティングのチケット販売でも、驚くべき人気が証明されている。7月6日と7日の2日間にかけて開催されるビョン・ウソクの初ファンミーティング「2024 Byeon Woo Seok Asia Fanmeeting Tour SUMMER LETTER」のソウル公演は、チケットの前売りがスタートするや否やアクセス待機数が70万を超え、チケット取引サイトでは1枚350万ウォン(約35000円)で販売する“ダフ屋”まで登場した。

自らもチケット購入に挑戦したという彼は、「初のファンミーティングなので僕も一緒にやってみようと思ったのですが、待機数5万人だと思っていたのが50万人だった時は本当に驚きました。『本当にこんなことになるの?』と……最近は、ニューヨークのタイムズスクエアにリュ・ソンジェのキャラクター広告が掲載されたそうです。人生でこんなことが起こる確率って、どのぐらいなのでしょうね?」と驚きを隠せなかった。ビョン・ウソクは6月の台北公演を皮切りに、本格的なファンミーティングツアーをスタートさせる。「ソンジェ背負って走れ」が最終回を迎えてから初となる公式イベントであるだけに、彼のステージには期待が高まっている状況だ。

彼は「もちろん歌も歌います。大金を払って観に来てくださるので、その瞬間をお互いに楽しみたいし、幸せになってほしいという気持ちで準備に励んでいます。最大限楽しくできることをやってみようと思っています」と熱いステージを予告した。

そんなビョン・ウソクは、役者としての意気込みも語っている。「幼いころに数学で100点を取ったことがあるのですが、両親はもちろん周りの人がすごく褒めてくれました。その時に憶えた感情がとても良くて……次のキャラクターではもっと頑張って、ソンジェというキャラクターを気に入ってくださった方々からそのような愛をまたいただきたいです」と明かした。

彼はさらに「期待が高まる分だけプレッシャーも感じますが、自分に鞭を打ち続けています。作品を見ながら足りない部分も見えてきました。感情表現やコンディションの調節、発生や発音も未熟でした。そのような部分を最大限補完して、もっと発展した姿をお見せできるよう最善を尽くそうと思います」と伝え、高いプロ意識を感じさせた。

最後には、次回挑戦したいキャラクターについても語ったビョン・ウソク。彼は「以前はラブコメをやりたい、ファンタジーをやりたいという考えが確固たるものだったのですが、今は台本を読む時に感情が動く作品を、という考えが大きいです。それはラブコメかもしれないし、痴情メロかもしれないし、もしかしたら悪役を演じるということもあるかもしれませんね」と語り、「ファンが僕を愛してくださる感情がすごく好きで、もっとうまくやりたいという気持ちになります。ずっと僕の短所について悩んでいます」とも伝えた。

今作でビョン・ウソクは時代と死を超越したリュソンジェの15年の純愛を描いて好評を得た。作品を通じて“初恋のアイコン”に挙げられるようになった彼は、実際の恋愛のスタイルについて「(相手に)合わせる方だと思います。あるスタイルが好きというよりは、感情的な部分を共感できるのならば十分に理解ができます」とし、「僕が追求する恋愛スタイルは、成長していくことです。それぞれの人生を大切に考え、互いにプラスになることが重要だと思います」と答えた。

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突然大きな人気を得た今が、ビョン・ウソクにとっては今後の歩みを決める重要な時期だ。彼は「次の作品でもっとスターになって、もっと高いところに上がらなければならないという考えよりは、自分の短所を引き続き補完し、その瞬間に最善を尽くせば、僕はそれによって自分の人生をきちんと生きることができると思います」とし、「作品の結果や自分に関する判断は、天が下す結果であり主観的なので、僕としてできる最善を尽くすことが、これから僕が進む方向ではないかと思います」と説明した。

さらに「以前から悪口をたくさん言われてきました。今でも言われることがあります」とし、自身に対する酷評も堂々と告白した。大変な時間をどのように過ごしてきたかと聞くと、彼は自身の生活を振り返った。

彼は「オーディションもたくさん落ちましたし、台本リーディングをした時に切られたこともあります。諦めたい時も本当にたくさんありました。その時、周りの人々が僕を捕まえてくれて、ここまで来れたと思います。悪口もたくさん言われて『本当にこの道で合っているのだろうか』『僕がやるのが正しいのだろうか?』という悩みが多かった時、メンタルが本当にたくさん揺れ動きましたが、周りの人たちが『うまくできるから最後までやってみよう』という信頼を与えてくれたんです。ある意味、それが僕の原動力になったと思います。その時、辛くて大変だった部分が、僕がもっと頑張り、がむしゃらにできる力です」と伝えた。

彼だけのメンタル管理法はあるのだろうか。ビョン・ウソクは「その瞬間はあまりにも大変で、『僕はなぜダメなのか』とたくさん考えてしまいますが、そのことは自分が考えているよりそれほど大きなことではないから、きちんと乗り越えられると思って進もうとしています」と、しっかりとした内面を語った。

この作品を通じてターニングポイントを迎えた彼は、これからの活動への期待を示した。彼は「僕は欲張りな方です。演技が本当に上手だという話をぜひ聞きたいです。これからが始まりだと思うので、まだまだ先は長いと思います」と語った。

記者 : イ/ハナ