「マイ・ラティマ」ペ・スビン“完璧なユ・ジテ監督の唯一の欠点は…冗談が分かりにくい”
TVREPORT |
人生を生きる上で確固たる信念を持っている人はどれだけいるのだろうか。信念を持っていたとしても、それを貫き通すことのできる人はほとんどいないだろう。ここに、定規で測ったように一寸の乱れもないまっすぐな信念と汚れのない良心を持った男がいる。映画「マイ・ラティマ」(監督:ユ・ジテ、制作:ユムービー)で帰ってきた俳優ペ・スビンのことだ。
「マイ・ラティマ」で、家族も、仕事も、お金もないまま世の中に一人捨てられた孤独な男スヨンを演じたペ・スビン。移住労働者マイ・ラティマ(パク・ジス)とはまた異なる孤独で観客の心を響かせ、深い余韻を残した。
彼は韓国で昨年公開された映画「26年」(監督:チョ・グニョン)に続き、再びシリアスなテーマを扱う映画に出演した。社会運動家のように、世間の声に続けて耳を傾けるペ・スビンはかなり粘り強い。しかし、本人はただ手のひらを振るだけで、大したことはないと謙遜した。
「僕は社会運動家でも、政治家でもありません。ただ、生きている中で感じる部分もあるし、僕たちが知らない間に黙認されていることも多いじゃないですか。僕はただ、俳優としてそれを知らせ、参加するだけです。僕に社会を変えることはできないでしょう。そんなにすごいことではありません。誰もができることであって、ただ僕にできる範囲の中で、やるべきことをやっただけです。もちろん、このような僕の考え方を理解できない人もいるでしょう。それでも、僕は自分で正しいと考え、進むべき方向が定まったら、迷わずに前進しようと思います」
続いて、スヨンについてはまったく新しいキャラクターではないというペ・スビン。スヨンの姿が自分の姿に似ていると何回も説明した。これまで生きてきた中でどれだけ多くの人を傷つけ、傷つけられたのだろうか。決して他人の話ではない、僕の話であり、僕たちの話だと付け加えた。
映画の中でペ・スビンは失業した若者、信用不良者、ホストなど人生の酸いも甘いも味わい、人生の底辺を経験した。悪い男の決定版のような男だったが、どこかスヨンが可愛そうで、心が痛くなったそうだ。一体何が彼の気持ちを動かしたのだろうか?
「一からすべてを考えようとすると絶対に映画は撮れません(笑) ただ、スヨンと僕が共感する部分を作ろうとしました。悪いだけの男ではありません。ただ、未熟で成長出来ていない世間知らずなだけです。そうしてスヨンのことを考えていると、自然と彼の人生が理解でき、自分の姿に投影されたりもします。僕が痛ければ、スヨンも痛いだろうし、観客も痛いはずです。実際に、スヨンのような人生を生きたわけではありませんが、経験しなくても感じることのできる感情ってあるじゃないですか。スヨンになって、切羽詰った気持ちで演じました」
高い演技力を持った中堅俳優としてのオーラが感じられる。すべてにおいて真剣な彼の性格がそのまま伝わってくる部分だ。悟りの境地を開いたような性格に感心していると、不意にペ・スビンは予想だにしなかった冗談を言って周りを笑わせた。意外にもユーモアも持ち合わせた、人間味溢れる人だった。
「映画の半ばでホームレスになりますが、実際、3日間頭も洗わずにお風呂にも入りませんでした。僕が頭を搔いたのは本当にかゆかったからです(笑) 映画のポスターの僕、汚くないですか?髪もべたついているので、観客から汚い人と思われるのではないか、さすがに心配になってきました。でも、ホームレスにしては良い感じじゃないですか?これでも、イケメンホームレスですよ(笑)」
ペ・スビンにとって「マイ・ラティマ」は、これまでの作品とは違う意味を持っている。一方ではより特別で、忘れられない思い出だ。「マイ・ラティマ」を選ぶ時、作品が持つ魅力も一役買ったが、それよりもユ・ジテ監督に対する信頼が根底にあったという。初の長編映画を見事に成功させた同僚であり、演出家に対する信頼は相当なものだった。
「同い年の友人ですが、芸術を志す人間としてユ・ジテ監督を尊敬してします。ユ・ジテ監督が抱いている思考や思想、人に対する独特な視線、他人への配慮など見習うべき点が多い人です。演技も上手ですし、演出も上手じゃないですか。完璧ですが、一つだけ短所があるとしたら、あまりにも真面目なところぐらいでしょうか?人に配慮しすぎて、冗談さえも配慮します(笑) 時々、笑いのポイントを見逃す時もあります(笑)」
「マイ・ラティマ」で、家族も、仕事も、お金もないまま世の中に一人捨てられた孤独な男スヨンを演じたペ・スビン。移住労働者マイ・ラティマ(パク・ジス)とはまた異なる孤独で観客の心を響かせ、深い余韻を残した。
彼は韓国で昨年公開された映画「26年」(監督:チョ・グニョン)に続き、再びシリアスなテーマを扱う映画に出演した。社会運動家のように、世間の声に続けて耳を傾けるペ・スビンはかなり粘り強い。しかし、本人はただ手のひらを振るだけで、大したことはないと謙遜した。
「僕は社会運動家でも、政治家でもありません。ただ、生きている中で感じる部分もあるし、僕たちが知らない間に黙認されていることも多いじゃないですか。僕はただ、俳優としてそれを知らせ、参加するだけです。僕に社会を変えることはできないでしょう。そんなにすごいことではありません。誰もができることであって、ただ僕にできる範囲の中で、やるべきことをやっただけです。もちろん、このような僕の考え方を理解できない人もいるでしょう。それでも、僕は自分で正しいと考え、進むべき方向が定まったら、迷わずに前進しようと思います」
続いて、スヨンについてはまったく新しいキャラクターではないというペ・スビン。スヨンの姿が自分の姿に似ていると何回も説明した。これまで生きてきた中でどれだけ多くの人を傷つけ、傷つけられたのだろうか。決して他人の話ではない、僕の話であり、僕たちの話だと付け加えた。
映画の中でペ・スビンは失業した若者、信用不良者、ホストなど人生の酸いも甘いも味わい、人生の底辺を経験した。悪い男の決定版のような男だったが、どこかスヨンが可愛そうで、心が痛くなったそうだ。一体何が彼の気持ちを動かしたのだろうか?
「一からすべてを考えようとすると絶対に映画は撮れません(笑) ただ、スヨンと僕が共感する部分を作ろうとしました。悪いだけの男ではありません。ただ、未熟で成長出来ていない世間知らずなだけです。そうしてスヨンのことを考えていると、自然と彼の人生が理解でき、自分の姿に投影されたりもします。僕が痛ければ、スヨンも痛いだろうし、観客も痛いはずです。実際に、スヨンのような人生を生きたわけではありませんが、経験しなくても感じることのできる感情ってあるじゃないですか。スヨンになって、切羽詰った気持ちで演じました」
高い演技力を持った中堅俳優としてのオーラが感じられる。すべてにおいて真剣な彼の性格がそのまま伝わってくる部分だ。悟りの境地を開いたような性格に感心していると、不意にペ・スビンは予想だにしなかった冗談を言って周りを笑わせた。意外にもユーモアも持ち合わせた、人間味溢れる人だった。
「映画の半ばでホームレスになりますが、実際、3日間頭も洗わずにお風呂にも入りませんでした。僕が頭を搔いたのは本当にかゆかったからです(笑) 映画のポスターの僕、汚くないですか?髪もべたついているので、観客から汚い人と思われるのではないか、さすがに心配になってきました。でも、ホームレスにしては良い感じじゃないですか?これでも、イケメンホームレスですよ(笑)」
ペ・スビンにとって「マイ・ラティマ」は、これまでの作品とは違う意味を持っている。一方ではより特別で、忘れられない思い出だ。「マイ・ラティマ」を選ぶ時、作品が持つ魅力も一役買ったが、それよりもユ・ジテ監督に対する信頼が根底にあったという。初の長編映画を見事に成功させた同僚であり、演出家に対する信頼は相当なものだった。
「同い年の友人ですが、芸術を志す人間としてユ・ジテ監督を尊敬してします。ユ・ジテ監督が抱いている思考や思想、人に対する独特な視線、他人への配慮など見習うべき点が多い人です。演技も上手ですし、演出も上手じゃないですか。完璧ですが、一つだけ短所があるとしたら、あまりにも真面目なところぐらいでしょうか?人に配慮しすぎて、冗談さえも配慮します(笑) 時々、笑いのポイントを見逃す時もあります(笑)」
記者 : チョ・ジヨン、写真 : ムン・スジ