大ヒット「7番房の奇跡」イケメン司法修習生役、ユン・ソヌとは?
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“大きくなりそうな”ユン・ソヌ「最近の若者らしくない俳優、見守ってください」
演劇のステージだけで8年、演技は結構やってきた方だ。もちろん、経歴だけ見るとまだ浅く足りない。歳を聞くと、数え年で29歳だそうだ。今回商業映画にデビューしたばかりのユン・ソヌは、「だからといって何か変わりますか?さらに一生懸命にやるしかないです」と目を輝かせた。映画「7番房の奇跡」で、女優パク・シネを相手に模擬法廷で検察官を演じたのが、このユン・ソヌだった。短い出演だったが、それなりの意味のあるキャラクターだった。「非常に緊張もしていたし、後で見たら足りない部分が目立って見えました」とその時の表情と立っていた自分の姿勢まで描写する姿から、根っからの俳優の気質か感じられた。
純粋な演劇での経験「演技において重要な材料になるはず」
ハンサムなマスクに適当な背丈なので、彼を見て様々な似ている俳優の名前が出てきた。ある映画制作者は、ユン・ソヌに会った席で「メロドラマが本当に似合いそうな俳優」と言ったというから、明らかに最近の世間の人々から好かれそうなマスクであることがわかる。小心者で消極的な性格、子供の頃は人前に出ることを嫌がっていたユン・ソヌは、演じている瞬間には全ての震えが止まる経験をした。高校で演劇部に志願した時は、ただ伸ばした髪の毛を切らされたくなくて猿知恵を出しただけだったが、直感的に適性であることがわかったのだ。
多少早い時期に演技を始め、またそのスタートが大衆文化界ではなく演劇のステージだったことがさらに興味深くもある。ハンサムなマスクが全部ではないという話だ。京畿(キョンギ)大学スタニスラフスキー演技院で学び、彼はさまざまな古典と文学作品をステージの上で体で表現した。
「髪型を規制されることを避けようと高校の演劇部に入ったんですが、髪の毛は結局入学して二日目に切らされました(笑) 重要なのは、それから演技の味を少しではありますが分かるようになったことです。演じる瞬間だけは、純粋さを感じるとでもいいましょうか。何かを新しく得るような感じでした。
大学では主に西欧の作品を公演しましたが、僕は芸術が好きだったんです。文学も好きでしたし。一つの作品をステージに上げるためには長くて6ヶ月ほど悩むんです。人物と作品について勉強しながら悩んで練習しる間、自分自身も成長していきました。それでかな?ラブコメや商業的な作品には、反対にあまり興味を感じないんです」
解決すべき課題の多い、映画での演技「実直さを積み重ねたい」
見せるための演技。今回の「7番房の奇跡」でも、ユン・ソヌは「そこが不足してますし、難しい」と残念がった。単純に人物を研究し表現することだけが得策ではなく、画面を介して観客の感性に触れなければならないだけに、深さとスキルをさらに求められるためであった。「映画を一本やったとして、すぐに状況が変わるとは思いません。演劇もやり続けていますし、映画のオーディションも今まで通り準備しています。誰かに頼らないために、自分で自立して生活しています。演技と一緒に色んなバイトもやって、生活費くらいは自分で稼いでいます」
実際、プロの俳優、スター俳優でない以上、多くの俳優の卵がバイトとオーディションを並行しているのが最近の現実でもある。もちろん分野が問題なのか、芸術と創作を希望していた者たちも、現実の壁の前ではそれなりの生きる道を講じる姿が、現在の韓国社会の文化界の姿でもあるからだ。
単純にカフェやファストフード店のバイトだろうと思ったが、大きな勘違いだった。居酒屋の店員、靴の修理、イベント、ジャズバーのターンテーブル担当、地下鉄のスクリーンドア設置など、分野を問わず豊富なバイト経験を持っていた。これはまさにバイトサイトで社長達から引っ張りだこにされそうなバイト人生だったのだ。
「もちろん演技を練習する時間が減るわけなので残念なところもあります。それでも、生活は営んで行かなければなりませんから。でも、演じながら大変と感じたことはありません。バイトがお金を稼ぐ手段ではありますが、結局はそれが演技にも役だったんです。靴の修理の経験は演劇の時も何回か活用したことがありますし、分野を問わず人に接する経験が多いので、演技に自然に溶け込めると思います」
最近まで演技と仕事を並行していた。ユン・ソヌは「もうすぐ来るバレンタインデーにも、チョコレートを売らなければならない」とはにかんでみせた。
「一緒に演劇をやっている友人たちもそうですし、僕が映画に出ただけでみんな非常に嬉しがってくれています。インパクトが大きくはありませんが、僕にもやっぱり意味のある仕事でしたし、大きな経験だと思います。この頃は外見も重要ですが、僕は最近の若者らしくない面があるようです。一生懸命生きて演じて、個性と共に実直さも兼ね備えた俳優になりたいです!」
映画では短い登場だったが、イ・ファンギョン監督と「7番房の奇跡」は、もしかすると大きくなりそうな俳優を一人うまく当てたのかもしれない。飾り立てない真実の俳優を夢見ているというユン・ソヌは「そんな意味で、早く30歳になりたいです。成長する過程が好きです」と抱負を語った。
「善良な良き友人」「人の役に立つ友人」だからユン・ソヌだった。彼が披露する姿が、韓国の芸能界で良い例となっていくことを期待したい。
記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル 写真:イ・ジョンミン