「7番房の奇跡」ユン・ソヌ“お手本はドニ・ラヴァンとハン・ソッキュ”

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映画「7番房の奇跡」(監督:イ・ファンギョン)は、韓国映画界をリードしていく俳優たちが総出演した映画だ。昨年、出演する映画をすべてヒットさせた韓国映画界一の人気俳優リュ・スンリョンに、シーン・スティーラー(主演よりも注目される脇役)のオ・ダルス、パク・ウォンサン、キム・ジョンテ、チョン・マンシク、キム・ギチョン、パク・ギルス、チョ・ジェユンなどが加わった。

このような名役者たちの力をしっかり受けた「7番房の奇跡」は、公開19日目に今年公開した韓国映画の中で初めて観客動員数600万人を突破し、ロングヒットしている。12日には公開21日目にして700万人を突破する。

このようなヒットには、ベテラン俳優だけではなく、今回の映画を通じてスクリーンで顔を見せた新人たちの力も大きかった。その中の一人が、パク・シネと対立する司法研修院生役で出演した俳優ユン・ソヌだ。

ユン・ソヌにとって「7番房の奇跡」は、記憶に残る作品にならざるを得ない。自身が初めて出演した商業映画であるのみならず、この作品を通じて人々に顔を知らしめることができた。また初の商業映画で大ヒットを巻き起こした。

ユン・ソヌは、「周りの人々がたくさん気づいてくれる。僕が出演した映画がヒットして、気分もいい。僕と接した人々が、少し幸せになることができて嬉しく思う」という感想を伝えた。

たとえ撮影回数は少なかったとしても、「7番房の奇跡」の撮影現場は多くのことを学ぶことができる場だった。彼の言葉によれば、刑務所の7番部屋に収容されたメンバーたちは、オーラからして特別だった。台詞もなくじっといるだけなのに、何だか分からない雰囲気が感じられた。パク・シネとはたくさん話を交わしたり、演技を合わせることができなかったが、演ずる上での共感を得ることはできた。

ユン・ソヌは、「7番房の奇跡」を通じて本格的に知られるようになったが、長年演技を本業にしてきた。高校時代に演劇のクラスに入って演劇に触れ、その時期に映画「サークル」(2003)に出演した。その後、演技を専門的に学ばなければならないという思いで、京畿(キョンギ)大のスタニスラブスキー演技院に入り、中編映画「私の時代のモラル」(2011)にも出演した。

現在は劇団に所属している。純粋に芸術がしたいと思い、気の合う友達と一緒に私費を集めて2011年に劇団を創立、昼は仕事をして夜は演劇をした。代表の座にも就いたが、現在は芸能活動のために劇団の仕事に専念できる人に代表の座を明け渡した状態だ。

ユン・ソヌは、「演劇が好きで、演じる過程が好きだ。ステージに立った時も好きだが、根本的に言えば演技が好きだと思う」と言った。

続けて「映画やドラマの演技に触れてみたかった。自分がどこまでできるが知りたかった。『7番房の奇跡』に出演してから、こっちの技術が不足しているということも感じた。もうちょっと熱心に頑張らなければならないと思った」とし、「撮影を一日しかできなかった。撮影量が多かったら、他の俳優やスタッフたちと交わったり楽しく撮影できたと思うので、懸命に臨んでさらに重要な役にも挑戦したい」という望みを語った。

演劇で基本をしっかり学んだ後、ドラマと映画に幅を広げた俳優ユン・ソヌのロールモデル(お手本)は、映画「汚れた血」や「ポンヌフの恋人」などに出演し、レオス・カラックス作品の常連として知られていたドニ・ラヴァンと、韓国を代表する俳優ハン・ソッキュだ。

彼は「ロールモデルはフランスの俳優、ドニ・ラヴァンだ。すごく個性がある俳優だ。誰も彼を真似ることはできないようだ。走るシーンがあった。30秒くらい走るシーンだったが、その姿もとても美しく感じられた」と明かした。

続いて「ハン・ソッキュ先輩もすごく好きだ。演技を見ていれば正直な感じがする。出演作もほとんど見た。『8月のクリスマス』が特に好きなだが、10回以上見た」と付け加えた。

またイ・チャンドン監督は、彼がとても好きな監督のうちの一人だ。芸術を愛し、劇団まで創立した彼が、韓国を代表する脚本家主義の監督でありイ・チャンドン監督に愛情を見せるのは、ある面からすると当たり前のことだ。

彼は「イ・チャンドン監督の映画が好きだ。静かで飾らず見せてくれる感じ」と言いながら、「イ・チャンドン監督は小説家としても活動していたが、監督の小説『鹿川には糞が多い』という作品も演劇にしようとしていた」と説明した。

ユン・ソヌは1985年生まれだ。俳優として本格的な歩みを見せるに早い年齢ではないのが事実。これは、スターになるよりも演じる過程を楽しみ、また今後もそのようになることを願うユン・ソヌの演技観と通じている。

彼は「お金や名誉のようなことを求めていない。いつも過程そのものが楽しければ良いだろう。結果も良くて自分も幸せで、周りの人々も幸せな俳優になりたい。そのように引き続き演技をして生きていけたらと思う」という願いを伝えた。

記者 : キム・ミリ、写真 : ハン・ヒョクスン