2NE1「新しいものがなければ、つまらない」
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「常に面白いことを探し、また最後まで行くのが好きだ」というCLの言葉のように、2NE1は常に新しいことにチャレンジするグループだ。ガールズグループだが、常に美しい服だけを着るのではなく、自信満々に「私が一番イケてる」と叫びながらも「私はキレイではない/美しくない」と歌う「2nd Mini Album」以来、1年ぶりにリリースした今回のシングル「I LOVE YOU」で、トロット(韓国の演歌)とエレクトロニカを調和したことは驚くべきことだが、とても彼女たちらしい選択だ。
「夢幻的で何かに惹かれて吸い込まれる雰囲気」で良かったというDARA、「歌詞が良かった」というMINZYの言葉のように、それぞれの理由は違うが、結局「新たな姿を見せることが面白いと思った」という彼女たちは、どこへ飛び跳ねて行くかわからない2NE1をそのまま解釈する。デビュー3年でワールドツアーを準備し、新しいシングルを発表した2NE1は、今回の変化にどの程度満足しているのだろうか。7月6日、また違った姿を見せるため準備を終えた2NE1に会った。
「『I Love You』はTEDDY兄さんが面白半分で録音しておいた曲」
―「2nd Mini Album」以来1年ぶりの活動再開だ。3週間後にまた新たなシングルが公開される予定だが、「I LOVE YOU」を最初の曲として選択した理由はあるのか。CL:一番最初に収録した曲でもあり、この曲を初めて聞いたとき、人々が気楽に楽しめることができると思った。久しぶりのステージなので、新たな姿を披露したかった。次に公開される曲は皆が知っている2NE1の姿に近いと思う。2NE1の今までのカラーが組み込まれたヒップホップ調の曲でラップもたくさん入っている。メンバーの皆が最近たくさん歌っているけど、もう一度ラップが入った曲を歌いたかった。
―「I LOVE YOU」がトロットとエレクトロニカが結びついた曲ということで話題になった。トロットを選んだ理由が気になる。
CL:実はTEDDY(テディ)兄さんが面白半分でデモ曲みたいに録音した曲だった。私たちが常に新しいことを探していて、若干力強い曲が好きだ。最後まで行くのが好きなので、TEDDY兄さんが普段あれこれと指導してくれている。そうするうちにトロットを思いつき、録音をしたようだ。それをメンバーたちが聴いて、皆が気に入っていたので、そこから曲を作ることになった。
DARA:とりあえず感じが良かった。初めて聴いた瞬間、「これは必ずイケる」と思った。すごく夢幻的で何かに惹かれて吸い込まれる感じだった。
―曲全体がトロットの雰囲気ではないが、部分的に強いトロット唱法を生かしたことは難しかったのではないかと思う。
CL:4人で順番に誰が一番トロット唱法に合っているか録音してみた。だけど、私だけダメで、皆は上手かったので、重要なパートは3人が歌って、私はサブとして歌うことになった。特にMINZYは本当にトロットがうまかった。練習生のときから愛嬌を振りまきながら。
MINZY:だけど思ったより力を入れたり、抜いたりする唱法が難しかった。しなやかに声を出さなければならなかった。でも、私にはとても新鮮な唱法だった。私たちが初めて歌ったとき「あ、本当に面白そう。また違う2NE1の姿を披露することができる」という気がしたし、歌詞が本当に良かった。
BOM:いつもの唱法とはかなり違っていたけど、プロデューサーのTEDDY神様が(笑) レッスンをしてくれた。「後半部分は少し力を抜け」というような形で。
「『半坊主』スタイルはCLが勧めてくれた」
―プロデューサーTEDDYと常にスタイリングして、舞台と曲全般に関して共に話し合うと聞いた。今回の曲でもっとも積極的に意見を出したのはどんな部分だったのか。CL:今回は女性らしい部分を表現したくて、それに合った振り付けと衣装に気を使った。特にミュージックビデオでは、少しビンテージでクラシックな印象が強い衣装にした。アクセサリーもビンテージを感じさせるゴールドがたくさん入ったものを付け、歌の雰囲気と合うようにマッチさせた。一昔前の真っ赤な口紅を塗る感じ?のように、そんな感じを生かそうとした。
MINZY:ミュージックビデオの撮影のとき、感情移入して演じた。“目力光線発射”というように。
―以前から女性らしい雰囲気の曲を歌いたかったのか。
CL:実を言うと、私たちは以前から女性らしさを強調しないつもりではなかった。皆がそのように見てくれなかっただけ。「中性的な感じで行かなければならない」というように意図したことはないけど、私たちは音楽に合わせてあらゆることを作っているので、多くの方が女性的だとは考えてないようだ。「I Am The Best」のような曲は、女性らしさが似合わないので踊りも、ステージも力強く表現した。だけど、今回の曲は歌詞も女性らしくて、それに合わせてスタイルも女性らしい雰囲気を生かした。
―2NE1が考えている女性らしさはどんなことなのか。
DARA:挑発的な姿かな?ミュージックビデオを見たら、メンバーがとてもセクシーな姿で仕上がっていた。おそらくそんな姿ではないかな。
CL:女性らしくするためにワンピースを着たり、枠にはまったものは面白くない。例えば私たちがロングヘアで普通の女性らしいスタイルをしたら面白くないと思う。それだったら、あえて2NE1でいる必要がない。それよりは、ニュアンスと大人っぽい雰囲気がより重要だと思う。
―DARAは以前のインタビューで「女性らしい服を着たら、却って自信を失う」と言っていたが、今回のコンセプトは負担にならないのか。
DARA:だから、衣装は女性らしいものを着るかわりに半坊主スタイルにした。幸いにも、そんなに自信を失うことはなかった。こういう女性らしい変身は気に入っている。今まで本当にやってみたかったスタイルだったけど、私は4人の中で一番女性らしい衣装やスタイルをしていないから。私は常に実験することが面白かっただけなのに、時々ファンの皆がその点について残念に思っているので心が痛い。でも、実際に女性らしい服を着たとき、一番似合わないのが私。
―半坊主のヘアスタイルにしたときは、勇気が必要だったと思う。
DARA:意外に何も考えずにこのヘアスタイルにした。ボーッとして。半分刈り上げるとき、少し涙を浮かべたけど。CLが勧めてくれたスタイルだからとても気に入っている。今まで普通ではないスタイルをたくさんしてきたので、「今度はどんなスタイルにしようかな」と悩んでいたけど、いいアイデアだった。
―YGエンターテインメント代表のヤン・ヒョンソクがMINZYにセクシーダンスを自制するよう特別な指示をしたと聞いた。
MINZY:本来は全体的な振り付けにセクシーな雰囲気があったけど、一週間代表と話し合いながら妥協した部分がたくさんある。皆がよく知っているとおり、私がまだ未成年だからという理由で妥協したのではない。そのかわりにソロパートで少しフリーにできる空間を作って下さった。
CL:代表は元々セクシーな雰囲気があまり好きではないみたい。それに、2NE1らしくなければならないので、私たちに合うように調整をしてくれたと思う。
「新しいものを作るときは、自分自身に忠実でなければならない」
―最近のアイドルはバラエティや演技など、多様な分野で活動しているが、2NE1は今回、バラエティ番組にはまったく出演しないと聞いた。CL:実際、私たちの中では自分なりに色んなことをやっている。Mnet「2NE1 TV」でバラエティをやっていて、DARA姉さんはその番組で司会を務めていて、演技はミュージックビデオでやっている。決まった方法でやらないだけ。
MINZY:細々と様々なことをやっていると思う。
―DARAとBOMは5月になって恋愛禁止令が解け、今回の新曲ではとても切ない愛の歌を歌うことになった。
BOM:この歌は必ずしも男性のことを歌った曲ではない。
CL:愛は異性との間の感情だけではないから(笑) 今回はキャラクターとして演技するように歌う。一度聴くとラブソングのようだけど、もう少し聴くと、少し執着する女性の心も感じることができる。
―実体験があまりない場合は、感情を捉えるときに他の歌や作品を参考にしたりするのか。
CL:制作作業をするときは、真似になってしまうから参考にしない。そのかわり、アルバムを出す前や休みのときにたくさん練習して、様々なジャンルの歌を聴く。新しいものを作るときは、自分自身に忠実でなければならないと思う。
BOM:私もそうだけど、メンバー全員がそのようなスタイルで曲の制作作業をしている。
―常に新しいことをやらなければならないという負担はないのか。
CL:私たち自らがあまりにも刺激的なことをやっているから、やらなければならないというより、自然に新しいことに挑戦するようになった。それがなかったら、面白味もない。2NE1の名前自体が新しい進化だと思う。私たちの新しい姿が馴染んでいないので、人々は不快感を受けるかもしれないけど、人々が良くも悪くも私たちから刺激を受けたり、楽しみを感じられるなら、それが一番いいと思う。皆が「何これ?」と反応してくれるときが一番気持ちいい。
―常に新しいことをして、自分にインスピレーションを与えるためにどんな努力をしているのか。
CL:メンバーがそれぞれ執着している分野がある。多様な分野で新しいことに挑戦することだ。基本的に音楽が良くなければならないけど、最近では、ステージ、スタイリング、パフォーマンスなど総合的に良いものを作ることが重要だと思う。しっかり考えて学ぶ姿勢が必要だと思う。
―最近4人がそれぞれ執着しているものは(笑)
BOM:ネイルアート。マイクを握るときキレイに見えるから興味を持つようになって、今もどうすれば舞台で派手に見えるかを考えている。指輪のように見せるために爪に色んなものを付けたり、日本で直接デザインしたりもする。一人でやってみようと思って必要なものを全部買ったけど、思ったより難しかった。最初は派手な爪が不便に感じたけど、今は慣れてきて私の一部になった。
DARA:私はヘアスタイルに執着するほう。今回のスタイルは頻繁に刈り上げなければならないけど、キレイで特別だから気に入っている。
MINZY:グループの中でダンスを担当しているので、どうしても新しい振り付けに執着するようになる。ネタがなくなるたびにあちこちで探している。
CL:表現するすべての物事に執着する。「歌をどのように歌うか」からミュージックビデオ、スタイリングまで自分を表現するものすべてに気を使う。
「音楽とミュージックビデオを通じて韓国らしさを表現したい」
―日本デビュー1周年を間近に控えている。日本での活動を通じて新たに感じたことは。CL:日本では私たちをK-POPアーティストとして見られていると思っていたけど、海外アーティストとして見てくれた。最初から違うカテゴリーとして見てくれた。K-POPのブームの中で活動することができなくて、悪い点もあるけど、違う面で考えたら、マニア層、新しいファン層を作れそうだ。実は日本でデビューしたとき、タイミングもあまり良くなかったし、新しい曲で活動しなかったので、そんなに新鮮でもなかったと思う。今までを2NE1を日本の方に紹介する期間だったと考えると、これから先が一層重要になると思う。
―海外では今回のミニアルバムはどのように受け入れられるだろうか。
CL:一層新しく感じると思う。元々私たちは以前から常に音楽やミュージックビデオなど多くのことを通じて韓国らしいものを見せ、表現したかった。海外でもたくさんの方が私たちの音楽を見て聴いている。だから今回の曲にも韓国の楽器をたくさん使って、ダンサーたちも改良した韓服を着る予定だ。普通アジアといえば中国や日本のイメージを思い浮かべる傾向が強いけど、韓国らしいものも、美しいものがたくさんある。それを私たちが代表として披露したい。問題は「どのように韓国らしい要素をうまく組み合わせるか」ということだ。今回の曲の場合、ビヨンセのダンサーの方と初めて振り付けを合わせたけど、その方も私たちのダンスを新鮮に感じたようだった。初めて聞く声で、知らなかった文化だから。そして「I LOVE YOU」は日本語でも発売される。日本には演歌というジャンルがあるので、若者から大人まで共感しやすいかもしれない。
―7月28日のソウル公演を皮切りに、ワールドツアーを計画している。国内のガールズグループとしてワールドツアーを行うのは初めてだが、どんな気分なのか。
CL:私たちは外国では公演をあまりしてないので、海外のファンに会えると思うと本当に嬉しい。また、マイケル・ジャクソンの振付師だったTravis Payneや、ビヨンセのツアーバンドのリーダーDivinity Roxxのように有名なスタッフの方々とともに仕事をすることになり、本当に楽しみにしている。ひとまず「I LOVE YOU」を除いて、すべての曲を編曲する予定なので、また新しい楽曲になりそうだ。それに、振り付けだけではなく、演出自体が派手になる。ジェレミー・スコット(JEREMY SCOTT)が全ての衣装を担当していて、アイデアを出している。最初に私がお願いしたときから反応が良かった。コンサートの中でも色々とテーマがあって、面白い服もたくさん見れると思う。ワールドツアーは今回が初めてだけど、本格的なツアーは次のツアーになると思う。今回の公演は挨拶程度かな。
―最後に、今回の活動を通じて必ず見せたいことはどのようなことか。
CL:今回のタイトル曲は慣れない感じかもしれないけど、今までの2NE1の愉快な姿は変わっていない。次のシングルは一層新鮮で型破りではあるけど、楽しんでほしいと思う。
DARA:私の母は無愛想であまり感情を表現しないけど、今回の曲を聞いて「本当に良く仕上がっている」と言ってくれた。楽しみたいし、大ヒットしてほしい。
BOM:私の両親も結構気に入ってくれた。特に私の父は音楽に対してあまり詳しくないけど、今回の曲を聴いて、初めて「これはうまくいきそうだ」と言ってくれた。以前の曲は「うん、よくやったよ」とは言ってくれたけど、「大当たりだ」とは言ってくれなかった。いいチャンスであり、イメージチェンジもしたから一生懸命活動したい。
記者 : ハン・ヨウル、翻訳 : チェ・ユンジョン