「紳士の品格」「アイドゥ・アイドゥ」「ロマンスが必要2」…悪役がいなくてもOK

OSEN |

ドラマの中でトラブルを巻き起こし、ストーリーの緊張を高める最も良い方法は、悪役を活用することだ。憎たらしければ憎たらしいで、悪役はその存在自体で憎みを味わせ面白くさせる力を持っている。しかし、悪役なしでも十分面白いストーリーで、視聴者を楽しませているドラマが登場し注目を集めている。SBS週末ドラマ「紳士の品格」、MBC水木ドラマ「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」、tvN水木ドラマ「ロマンスが必要2」は、善悪の対立がなくても、盛り込まれたセリフとリアルな状況描写で高い関心を浴びている。

KBS 2TV「ギャグコンサート」と同時間帯に放映され、国民的なお笑い番組の縄張りを脅かしている「紳士の品格」は、チャン・ドンゴン、キム・スロ、イ・ジョンヒョク、キム・ミンジョンが主演を演じている。40代男性版の「セックス・アンド・ザ・シティ」として話題を呼んでいる「紳士の品格」。このドラマは、映画の主人公のようなルックスを持つ4人の男のやり取りや、間抜けで隙の多いセリフ、また女性の心を刺激するキム・ウンスク脚本家特有のファンタジーな状況設定により、全国に多くの“廃人”を作り出している。チャン・ドンゴンがよく使う「~するということで」は、すぐに流行語として浮上し、キム・ハヌルのファッションアイテムもブームを巻き起こした。ユン・ジニの前では格好いい姿だけ見せるキム・ミンジョンも、少女時代のスヨンの前では全身をくねくねしながら「Hoot」のダンスを真似して親近感を見せ、どうしようもない浮気男であるイ・ジョンヒョクは、キム・ジョンナンが演じる妻の前では大人しい羊になり、視聴者を笑わせている。

「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」は、ラブコメの女王キム・ソナの復帰作で期待を集めた。キム・ソナは成功した靴デザイナーで、愛や結婚よりは仕事と成功に向けて突っ走るキャラクター、ファン・ジアンを演じる。女優イム・スヒャンと対立してはいるが、2人の関係は善悪ではなく、善良な競争だ。私生児として生まれたイム・スヒャンは、父の本妻オ・ミヒから徹底的に憎まれている。父の会社を継ごうとするイム・スヒャンと、オ・ミヒの全面的な支持を受けているキム・ソナは、競争しながら自然と誤解を1つ2つ積み重ねている。それぞれの立場上の事情から、進んでいるだけで、強引な策略や偶然は存在しない。

ケーブルドラマの可能性を確認させた「ロマンスが必要」の2012年版として制作され、先週初放送された。30代女性のリアルな恋物語で注目された「ロマンスが必要2」は、昨年のチョ・ヨジョン、チェ・ヨジン、チェ・ソンヒョンに続きチョン・ユミ、キム・ジウ、カン・イェソルが主人公に選ばれ、新しいストーリーで視聴者を楽しませている。「ロマンスが必要2」には愛と友情はあるが、悪役はいない。仕事と愛、そして女の義理だけを取り扱ってもエピソードとして十分なためだ。

CJ E&M放送部門パク・ホシク責任プロデューサーは、“現実性”つまりリアリティの意味を見出した。彼は「実生活に密接したストーリーに視聴者は共感する。ストーリーに共感するためには、とりあえずキャラクターに共感しなければならないが、実際の人生では絶対的な悪人又は善人はいない。現実における人物をキャラクターとして形にするために、葛藤を強調することはあっても、行き過ぎた悪人は出すことができないのではと思う」と説明した。

記者 : イム・ヨンジン