「蜜の味」ユン・ヨジョン、作品に期待する特別な理由

OhmyStar |

写真=シナジー

ユン・ヨジョンの大胆な露出で話題になった映画「蜜の味 テイスト オブ マネー」…「ハウスメイド」イム・サンス監督の過激な予告映像

2010年、女優ユン・ヨジョンの受賞歴は眩しいほどだった。青龍映画賞(チョンリョンヨンファサン:韓国の映画賞)と大鐘賞(テジョンサン:韓国の映画賞)はもちろん、韓国映画評論家協会賞、それにアジア・フィルム・アワードとシッチェス・カタロニア国際映画祭まで、イム・サンス監督の映画「ハウスメイド」でユン・ヨジョンが受賞した助演女優賞のトロフィーの数が10本を優に超えた。韓国内だけで見れば言葉通り“総なめ”で、グランドスラムを達成した。

2011年の秋、大鐘賞の授賞式でユン・ヨジョンは、「キム・ギヨン監督にこの賞を捧げる」と話し「若い頃に受賞した時は分からなかったけれど、歳を取ってから、監督たちのおかげで受賞できるんだと分かるようになった」と感想を述べ、「ハウスメイド」のイム・サンス監督にも「イム・サンス監督、サンキュー」とクールながらも心のこもった感謝を伝えた。

1971年に死去したキム・ギヨン監督の「火女」のヒロインとしてデビューし、その年の青龍映画賞の主演女優賞と大鐘賞の新人女優賞を受賞したあの新人女優が、その映画のリメイク作である「ハウスメイド」で助演女優賞を受賞したのは、韓国の映画界で極めて異例的かつ和やかな光景だった。そして、そのイム・サンス監督の新作で、ユン・ヨジョンが主演を演じる。「ハウスメイド」の後続作品ともいえる、韓国での5月公開を控えた「蜜の味 テイスト オブ マネー」だ。


「ハウスメイド」の破天荒さを継承するイム・サンス監督の新作「蜜の味 テイスト オブ マネー」

この「蜜の味 テイスト オブ マネー」への関心が尋常ではない。妖しげな雰囲気のポスターに続き“19歳未満観覧不可”級の予告映像が公開されると、ネットでの雰囲気が一気に盛り上がった。今高視聴率を記録している“大ヒット”ドラマ「棚ぼたのあなた」で代表的な義理の母を演じているユン・ヨジョンの大胆な露出演技がその理由である。

予告映像を見てみよう。「動かないで」と言い、スラリとしたボディのキム・ガンウを刺激するユン・ヨジョンの行為は、確かに韓国の映画では見られなかったタイプであり異例のものだった。ユン・ヨジョンの娘を演じるキム・ヒョジンの露出が目立たなくなるほど、大きな波紋を呼ぶと思われる。

それもさることながら「蜜の味 テイスト オブ マネー」のストーリー自体が、露出の度合いに負けず過激なものである。ユン・ヨジョンは、韓国をお金で支配する財閥ペク家の貪欲な女主人ペク・グモクを演じる。イム・サンス監督は、公然と「蜜の味 テイスト オブ マネー」が「ハウスメイド」の遠い未来の話で、グモクが「ハウスメイド」でチョン・ドヨンをいじめていた女主人のソウが歳を取ったような役柄であることを隠そうとしない。

「蜜の味 テイスト オブ マネー」は、悲劇的であり、反抗的な色が濃い。結局は自殺で締めくくった「ハウスメイド」からもう一歩前進し、ペク家の秘書、ヨンジャク(キム・ガンウ)に微妙な感情を抱くナミ(キム・ヒョジン)とグモク、そしてユン会長(ペク・ユンシク)の関係を通じて韓国最上流階級の非情で下劣な精神世界を描く予定だ。


ユン・ヨジョンの主演女優賞受賞を待ちわびる特別な理由

ユン・ヨジョンの演技が期待を集めるのは、単純に露出や過激な設定だけが理由ではない。「蜜の味 テイスト オブ マネー」は、イム・サンス監督がリメイクの束縛から逃れられなかった「ハウスメイド」から脱し「その時、その人々」のような、権力階級の裏面を本格的に描いた映画だ。

「その時、その人々」の空間が、朴正煕(パク・チョンヒ)が銃弾で倒れた宮井洞(クンジョンドン)だったなら「蜜の味 テイスト オブ マネー」は「ハウスメイド」と同じく、ユン会長の自宅になるはず。限られた空間で、貪欲な人間の内面を絶妙な台詞できめ細かく描写できるイム・サンス監督の映画なだけに「蜜の味 テイスト オブ マネー」が呼ぶ波紋は小さくないと思われる。

さらに「浮気な家族」と「その時、その人々」でイム・サンス監督と呼吸を合わせてきたユン・ヨジョンは、その中心に立つ人物を演じた。「浮気な家族」で病気を患う夫を置いて浮気をする妻を演じたユン・ヨジョンは「蜜の味 テイスト オブ マネー」でもう一度、自分の地位を利用してヨンジャクを誘惑する、過激なキャラクターを演じる。

主に母親役を演じるテレビドラマとは違い、韓国映画で空前絶後のキャラクターを演じることになった。もし、今年の主演女優賞の候補を今から予想するなら、ユン・ヨジョンの名前が一番に挙げられるのではないだろうか。「ハウスメイド」で助演女優賞のグランドスラムを達成したユン・ヨジョンが、イム・サンス監督と再びタッグを組み、驚くようなキャラクターで主演女優賞を受賞する光景は、想像するだけでもゾクゾクする。

1947年生まれ。今年で65年目を生きるこの女優の破天荒なイメージチェンジを支持する理由は、それゆえだ。露出が全てではないのである。

記者 : ハ・ソンテ