カン・ジファンと共に過ごした「日本での3泊4日」
10asia |
先日「10asia」は私たちが普通に使って受け入れる“韓流”という概念の実体について疑問を提起したフォーカス記事を掲載した。日本でドラマを放送して、ファンミーティングを行うからといって、果たして韓流と名づけたビジネスモデルになることができるかどうかについての問題提起だった。7月3日と5日に神戸、東京でそれぞれ行われたカン・ジファンのファンミーティングが、その問題提起への実質的な答えになる訳ではないだろう。ただ、少なくとも“カドラ通信”(噂が事実のように繰り広げられること)の向こうで韓流スターと呼ばれる俳優が、どんなやり方で日本のファンたちと呼吸を合わせるのかについて実体のある記録にはなるだろう。
「ホクシ ハングップン イシムニカ?」(もしかして韓国の方ですか?)
もし、こじつけのミスを思い切り犯してもいいとしたら、7月3日の神戸文化ホールに集まった日本のご婦人方を見て、次のように結論を出すこともあり得るだろう。日本の50代以上の世代は韓国語を第2外国語として勉強したのだと。もちろん、これはカン・ジファンの神戸ファンミーティングという限られた時間と空間での出来事である。そして、この限られた領域に入り込んで来たファンの数は2000人だった。今回のカン・ジファンのファンミーティングをプロデュースした日本の企業So‐Netの関係者や映像を撮影した共同テレビジョンの関係者が、日本で韓流俳優の現在地を見極める最も確実な基準として示すのは、ファンミーティングに参加するファンの数なのだ。韓流ファンミーティングの定額のように決められた1万円、つまり10万ウォンを上回るお金を払って、コンサートでもなくファンミーティングに参加するファンの数。言い換えれば、韓流の“始まり”ペ・ヨンジュンなら4万6000人規模の東京ドームを、イ・ビョンホンやソン・スンホン、パク・ヨンハなら1万人以上が集まる横浜又はさいたまスーパーアリーナを自分のファンで埋め尽くすことができる水準だ。そのため、2008年東京で2000人規模のファンミーティングを行ったカン・ジファンが2009年、東京に比べて小都市である神戸でも2000人規模のファンミーティングにチャレンジできる理由は簡単である。さらに人気が上昇したからだ。
「BIGBANGや東方神起みたいな子たちを見ると、皆こんな体なんです」
ダイエットと筋トレの成果を語りながらカン・ジファンがスリムなボディを自慢すると、あちこちで噴き出す。まだ日本語で通訳される前だ。カン・ジファンの魅力を“ハンサム”よりは“キュート”と“ファニー”で探る日本のファンが多かったが、実際にもカン・ジファンはスターとしてカッコつけるよりは、冗談や突発的なアドリブで雰囲気を盛り上げる方だ。たとえば、日本のファンと「快刀ホン・ギルドン」を再現する時、イノク役のファンが「ギルドン、ギルドン」と呼ぶと「どちら様ですか?」と返すような感じだ。この時おもしろいのは、ほとんどの笑いが二度に分かれて笑いを誘うという事実である。1回はカン・ジファンの韓国語で、もう1回は通訳された日本語で。東京から新幹線に乗って来たというファンは「がんばれ!クムスン」を見た後“カン・ジファンと話がしたくて2年間韓国語を学んだ“という。
このようなコミュニケーションはカン・ジファン自らのパロディーで輝いた。アコースティックギターの演奏と歌がある短いコントで、彼は「ギターの音を聴いていると、何だか昔のことのようで憂鬱になりますね」と似合わない虚勢を張った。それが一種のユーモアであることを知らない立場では、はにかむようなセリフである。しかし、日本のファンたちは、その大げさな演技ひとつひとつに“なんでやねん?”という表情の代わりに、笑う時のリアクションを大きくして見せてくれた。特に、日本で人気の高いサザンオールスターズの曲“TSUNAMI”を最後に準備し、観客の反応を引き出す流れはとても滑らかだった。空港からカン・ジファンを迎えた、とある熱狂的なファンは「『TSUNAMI』は歌いにくい曲なのに、日本語で上手に歌っていた」と親指を立てた。それでも、ファンたちが一番待っているのは、やはり最後の握手会だ。とりわけスターとの身体的な接触を好む日本のファンたちにとって、カン・ジファンとの握手はフリーハグに等しい恩恵である訳だ。
もし、東京国際フォーラムで5000人が集まって行われたファンミーティングで、ファンたちにとってガッカリした部分があるとしたら、神戸より不安定になった音程や、ファンたちの比較的落ち着いたリアクションではなく、握手会の省略だろう。しかし、5000人の握手だなんて、ファンミーティングがギネスブックへのチャレンジでもあるまいし。その代わりに、カン・ジファンは客席巡回のフォトタイムを行い、フォトタイムが終わるとスタッフに向かって「今日は握手もできないので、写真は撮り続けさせてください」と求めた。そのおかげで、客席はミーティングが終わるまでフラッシュが光っていたので、できるファンサービスは最大限に行えたというわけだ。もちろん、握手と巡回は比べ物にならないというファンもいたが、歩き回りながら顔を見せただけでも100点満点に200点をあげるファンもいたから、どんな国でもファン心の懐は無限大だ。
この日もカン・ジファンはファンたちに向けて「肌の管理をしたので、クローズアップも怖くない」と話し「体の管理もして髪も伸ばしたので、もうアイドルスタイル」だから、「絶対に浮気しないように」と頼んだが、おそらくそれは取り越し苦労であろう。“東方神起”と「花より男子」の“F4”キム・ボムが好きだという30歳の日本人の女性ファンは「この日は東方神起の東京ドーム公演がある日」だった。
イケメンアイドルスターと東京ドームの熱狂を後ろに、東京国際フォーラムを訪れた彼女たちだけにはカン・ジファンが“ナンバーワン”の韓流スターだろうから。
記者 : ウィ・グヌ、翻訳:ハン・アルム、写真:イ・ウォヌ、編集:イ・ジヘ、チャン・ギョンジン