Busker Busker“一輪の花の大切さを歌う”

OhmyStar |


アルバムレビュー:「SUPER STAR K3」出身Busker Buskerの1stアルバム、春と恋に関する物語

Busker Buskerの1stアルバムは春に咲いた花のようだ。定番の「恋」を歌うが、ありふれた恋も、誰かにとってはとても大変なことになるという切なさを歌っている。ただの花かと思いがちだが、その花がどれだけ特別なものであるかを歌う。

どうにもBusker Buskerのリーダーチャン・ボムジュンには季節ごと、時期ごとにぴったりの曲を選択できる自分だけのジュークボックスでもあるようだ。彼の自作曲でレコーディングしたBusker Buskerの1stアルバムは、チャン・ボムジュンが高校を卒業する直前から作ってきた曲の中で、春に似合う曲を選び出したものだ。

曲に日常を盛り込んだ歌詞を付けて、Busker Buskerの1stアルバムが完成された。タイトル曲である「桜エンディング」のように好きな人と桜の道を歩きたい普遍的な情緒もあり、「君の足の小指の爪は僕をドキドキさせる」のように個人的な好みも歌っている。

好きだった女の子に電話して、「この海辺を君と一緒に歩きたい」(「麗水(ヨス)の夜の海」)、「檀国(ダングック)大学の湖畔を歩こう」(「花房が」)と誘っている、ある男の子の日記を覗き込むような面白さがある。

「シャイなイケメン」のべーシスト、キム・ヒョンテの魅力は、チャン・ボムジュンと一緒に歌った「寂しさ増幅器」から確認できる。世間を知り尽くしたような中低音ボイスのチャン・ボムジュンと、少年のようなボイスのキム・ヒョンテが良く調和している。この曲はドラマーのブレッドが好きな曲として選んでいるが、今回のアルバムでブレッドが参加しなかった唯一の曲でもある。実際、大学の「英会話」レクチャーの講師だったブレッドと学生の関係で出会ったという彼らのエピソードも印象的だが、それに劣らないほど、この曲の和音も印象的だ。

26日のショーケースライブで、チャン・ボムジュンが「一番高い音がソだから、歌いやすい」と話したように、Busker Buskerの1stアルバムは、誰にもあるはずの春と恋について語っていて共感でき、聞きやすいものだ。

だからといって、簡単に作ったアルバムではない。彼らの名を知らせた「SUPER STAR K3」が終わった後、アルバムの準備期間は約3ヶ月だが、チャン・ボムジュンは高校生だった4~5年前から既にアルバムを作っていたことになる。ここ3ヶ月は多分、チャン・ボムジュンのデモ曲にBusker Buskerの色を付ける時間だったはずだ。

「SUPER STAR K3」が終わった後、Busker Buskerが「アイデンティティの悩み」から活動を休止したとき、「鼻高々だ」と冷ややかな言葉が聞こえた。その中でも、当時のBusker Buskerは、「地下の作業室で音楽を作りながら、“どうすれば面白く音楽できるか”ということだけを考え続けた」という。

1stアルバムがリリースされた今、その悩みの理由が少し分かってきた。答えも得ているようだ。「SUPER STAR K3」のおかげで有名になって“天狗”になったのではなく、「SUPER STAR K3」を脱皮して、Busker Buskerならではの音楽をするのが正解だったということを。

記者 : イ・ヒョンジン