「ソリクン」神話 ドンワン“自身の演技をソリに収められたことが嬉しい…最後のシーンで大泣きした”

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写真=office DH
神話(SHINHWA)のドンワンが、時代劇に対する情熱を表した。

7月1日に韓国で公開されて、絶賛上映中のパンソリ(太鼓の伴奏による韓国固有の語り物の歌唱)ミュージカル映画「ソリクン」に出演したドンワンが、Newsenのインタビューで映画の裏話を公開した。

アイドルグループ神話としてデビューし、芸能界活動23年になるドンワンは、「ソリクン」で両班(ヤンバン:朝鮮時代の貴族)の身なりをしているが、一文無しで妻探しの旅に乗り出したハクギュ(イ・ボングン)に出会い、一緒に全国を流浪することになる“没落両班”キャラクターを演じる。実在する人物を演技したというドンワンは、「もともと監督が僕に役を任せようとしなかった理由が、両班みたいな顔だからだそうです。僕は少し野暮ったい顔なのかもしれませんが、『両班みたいだ』とよく言われるんですね」と冗談を言った。

ドンワンは、「ソリクン」の魅力について語った。ドンワンは「パンソリの魅力がよく表れています。『風の丘を越えて/西便制』は本当に素晴らしい映画ですが、その当時は同時レコーディング自体が難しい状況でした。今は転がる砂の音も収めることができるマイクや技術が発展しているので、イ・ボングンさんはこれからも本当に多くの公演をすると思いますが、彼が最も熟している時に最も良いソリ(音・声)をこの映画に収められたと思います。僕は短期間で身につけて歌ったんですけど、今この状態、この年齢で、自身の演技をソリに収められたことが、見ただけでも嬉しかったです。最後のシーンでそれがうまく収められていて、本当に大泣きしました」と撮影当時のことを振り返った。

ドンワンは普段からパンソリに興味があったと打ち明けた。彼は「キム・ゴンモ兄さんがパンソリで音楽を始めたということで、少しだけ関心がありました。それから、映画『風の丘を越えて/西便制』も好きだし、イ・ジャラムさんも好きです。古くて退屈だとあまり思ったことがないのですが、そういう人が意外と多くて驚きました。今回の映画を通じてそのような考えがなくなるのではないかと思います」と希望を表した。

「ソリクン」は、ドンワンのイメージチェンジだけでなく、名唱イ・ボングンの初の映画主演作としても注目されている作品である。ドンワンは、共演した新人俳優で“ソリクン”のイ・ボングンに対して、「国楽の素敵な部分を本当に上手に表現する人だと思います。監督が彼のソリに惚れてキャストしたのではないかと思います」と絶賛した。また、ドンワンはイ・ボングンを見て、自身の新人時代を思い出したという。彼は「イ・ボングンさんはパンソリを集中的に長くやってきた人なので、現場で頑張りすぎているようにみえました。だから『頑張りすぎずに、程々に頑張れ』とアドバイスしました。僕が『まわし蹴り』を撮影するときは、1人で休みの日に海雲台(ヘウンデ)でジョギングして、1人でカフェで台本を読んだりしました。そこまで頑張ったのが限界だったのではないかと思います。その時間に俳優たちとご飯を食べて、酒も飲むべきでした」と振り返った。

待ち望んでいた時代劇映画に出演することになったドンワンは、時代劇ドラマへの出演意欲を表した。ドンワンは「ものすごく出演したいです。演劇もたまに出たいし、時代劇や戦争映画も好きです。それが好きな理由は、現代劇は意図に反して自分が見える場合もあるし、気をつけなければならないことが多いです。服もすっきりしていなければなりません。でも時代劇は、撮影している間、その人になることができます。そこで寝泊りしなければならないし、家に帰れない時もあります。楽なのが好きです。集中力が低い方ですが、それが集中力を高めることができる方法です」と説明した。それと共にドンワンは「ドラマも任せてくださったらやります。何かをやることができるのが幸せだと思います。それほどの幸せはありません」と謙虚な一面を見せた。

今回の映画を通じてドンワンは、時代劇の魅力にハマったという。彼は「時代劇に出演する方々が、どうして時代劇ばかりするのか分かりました。感情の幅が大きいので、ある意味で演技にボロが出たりもしますが、時代劇は僕たちのクラシックというものがあって、それを作っていく魅力があると思います」とし、自身が感じた時代劇の魅力について語った。

ドンワンは最近、演劇にも挑戦した。初めて経験した演劇は、彼にとって多くのものを変えたという。演劇を通じて、アイドル出身の弱みを知り、これまでとは異なる状況になることを絶えず意識すべきだと思ったというドンワンは、「今回、演劇をしながら感じたのは、演劇は予算が少ない状態で含蓄された芸術を見せなければならないので、高度な集中力が必要だということです。そのために些細なことまで気にすることはできないので、あらゆる問題をぶつけることなく、ある程度背負っていくことの大変さを、クァク・ソニョンさんなどの女優さんたちを見ながらそう感じました」と明らかにした。

最後に新型コロナウイルスの影響で厳しい状況の中、映画の公開を控えていたドンワンは、「僕は特に残念なことはありませんが、監督、製作会社、投資会社の方々が残念に思うでしょう。好評を得られたら、絶対に次の機会があると思います」と語った。また、「監督は『家族を思い出してほしい』と言っていましたが、韓国のソリを探してみたいと感じて頂きたいです。本当に良いソリがたくさんあるので」とし、観客に映画をアピールした。

また、ドンワンは「チョ・ジョンレ監督が、韓国のクリストファー・ノーラン監督になれるように、雑用としてでも現場に行きたいです。多くの俳優たちに好かれる理由があります。アメとムチが必要で、アメばかり与えて評価されることはありません。しかし、監督は人間性善説を信じる方みたいです。最後まで貫きます。人が歩いていたら、監督は走る姿を見せて自分についてくるようにする方です。それは力です。優しい心ではありません。優しい心ではなく、本当に熱くて粘り強く、ある意味怖いほどの力です。それを貫いていくのが、ずっと応援する理由です」とし、チョ・ジョンレ監督に対する厚い信頼を表した。

映画「ソリクン」は、ソリクンたちの喜怒哀楽を朝鮮半島の風光明媚と美しい歌で紡ぎ出した最も韓国的なミュージカル映画だ。

記者 : パク・アルム