Vol.1 ― Ara「人形になりたくなかった」
MYDAILY |
「自分も知らないうちに人形になっていました……私自身は違うのに」
H.O.T.とS.E.S.、BoA、東方神起を排出したSMエンターテインメントの女優第1号。ドラマ「シャープ」の清純派のオンリム役。それが私たちの記憶する女優Ara(23)のイメージだろう。13歳で衝撃的なデビューを飾り、当時大活躍していたBoA、東方神起と共にSMエンターテインメントの期待の星だったAraは、実際に「シャープ」以後、活発に活動を続けながら日本ではAraとして映画「昴-スバル-」の主演を務めるほどの成功への道を歩んでいた。
ドラマ、映画はもちろん、CMでも手に入れた彼女の人気は安定的に見え、このまま成功していくように見えた。しかしデビュー以後、休むこともなく活動してきたAraは、2009年のドラマ「No Limit~地面にヘディング~」を最後に、しばらくの間ファンの前から姿を消した。それから、あれこれと迷走していたかのように思える。
そんなAraが、2012年に戻ってきた。キム・ミョンミン、アン・ソンギという大先輩と共演した映画「ペースメーカー」。そして演技派俳優のパク・ヨンウと共演した映画「パパ」。一気に2作品の出演でファンの前に現れた。
Araは今までの空白時間について「切磋琢磨の時間だった」と打ち明けた。俳優として前進するために休むことを選んだという。
「前作『No Limit~地面にヘディング~』からの2年間、もしかしたら遊んでいたと思われているかもしれません。でも、今までいろいろ考えました。『私にできることは何か?』『何をして生きていかなければいけないのか?』といったことをずっと。何か満足できるようなことをしてみたいと思いましたし、そのような作品に会うのに1年ほどの時間がかかりました。それから撮影で1年を過ごしたので、2年という歳月が流れていました。休んでいた時ですか? 旅行をしたり、趣味を楽しんだりして過ごしました」
この日のインタビューでAraは、13歳のデビュー当時について「夢がなかった」と語った。まったく考えてもいなかった芸能界の道を歩くことになり、迷っていたと話す。
「最初にデビューした時の夢は、芸能人ではなかったんです。実はアナウンサーが夢でした(笑) 研修生時代も、父が勤務していた光州(クァンジュ)とソウルを行き来しながらトレーニングを受けていました。何も考えずデビューすることになり、結局、夢ではない芸能人になったんです」
私たちが考えるAraは、小説、もしくは漫画に存在するような清純派だ。しかしそんなイメージについて、Araは“間違っている”ときっぱり告げた。
「それは全部宣伝によるイメージです。私自身も方向を掴めないでいるのに、実際の女優『Ara』より、宣伝のイメージが浮き彫りになりました。そして、本来の性格は全然違うのに、私も知らないうちに宣伝通りの人形になっていたんです。『地面にヘディング』が終わってそれに気付きました。人形になりたくなかった」
記者 : キム・キョンミン、翻訳 : 橋本真由美、写真 : ユ・ジニョン