放送終了「車輪」キム・ヒョンジュ&パク・ヒスン、2人の決断は【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=SBS「車輪」キャプチャー
「車輪」が慰めのメッセージを伝え、意味のある終止符を打った。

SBS月火ドラマ「車輪」が、韓国で2月14日に放送された最終話を最後に幕を閉じた。この日の視聴率は4.7%(ニールセン・コリア、首都圏基準)を記録し、月火ドラマ1位を獲得した。最高視聴率は5.7%まで跳ね上がり、有終の美を飾った。

「もう他人の選択の後に残されたり、逃げたくない」というキム・ヘジュ(キム・ヒョンジュ)は、ナム・ジュンド(パク・ヒスン)の性犯罪の事実を直接明らかにした。これにより、被害者の真実解明と名誉回復のための「ナムグン・ソル法」の改正は無効となった。ついに自分の過ちを認めて、その代償を払うナム・ジュンドの最後は、別の意味で“より良い世界”に向けて踏み出す一歩だった。

キム・ヘジュの心を動かしたのは、娘のナム・ユンソ(チェ・ミョンビン)だった。ナム・ジュンドの真実が世の中に明らかになることを知ったナム・ユンソは暴露を防ごうとし、それを見たキム・ヘジュは「この子が、選択の瞬間に逃げずに、自分自身に真実になる方法とを学んでほしい」という気持ちで、その選択を固めることができた。ナム・ジュンドは完全に没落した。家族の大黒柱としても政治家としても、再起は事実上不可能だった。 しかし、チャン・ウジェ(キム・ムヨル)は「自首だけは絶対にダメだ」と言い、「僕が議員のためにどんなことまでしたと思うんですか」と意味深なことを言った。

しかし、今より良い世の中も「ナムグン・ソル法」も、ナム・ジュンドには無意味だった。ナム・ジュンドは、チャン・ウジェと人々の目を避けて過ごす場所に向かう途中、何も言わずにどこかに消えてしまった。連絡を受けたキム・ヘジュは、ナム・ジュンドと一緒に行く約束をしていた束草(ソクチョ)の海に駆けつけた。しかし、そこで深い海に向かって歩いていくナム・ジュンドを発見した。すぐに身を投げたキム・ヘジュは、彼と一緒に水の外に出て、死んで現実から逃げようとしたことを非難した。そして「自分の過ちがあまりにも恥ずかしくて耐えられなかった」と涙を流すナム・ジュンドに「その恥を抱えて生きなさい! その心を持って罰を受けなさい」と一喝した。

結局、キム・ヘジュの選択は多くのことを変えてしまった。ナム・ジュンドはようやく心から贖罪し、ヒョン・ヨジン(ソ・ジョンヨン)は再び生きる意志を固めた。20年前の事件の真相を知ったチン・スンヒ(リュ・ユンギョン)の謝罪も、母親の選択がどれほど大きな勇気だったかを悟ったナム・ユンソの涙も大きな感動を与えた。「人も変わることができるでしょうか?」と聞いたキム・スビン(チョン・スビン)は、これまでとは変わった姿でキム・ヘジュのもう一つの家族になった。ここに放送の終盤に、人生の新しいページを開くキム・ヘジュの笑顔は、希望と余韻を与えてエンディングを飾った。

「車輪」は正解のない選択肢に直面した人物たちのそれぞれの選択とジレンマを描き、次元が違う没入感で視聴者を魅了した。毎回、次々と起こる事件、その中に隠された秘密と真実、そして衝撃とどんでん返しを繰り返す展開でミステリーを増していった。

何より性犯罪をめぐる加害者の無責任な死により、さらに大きな傷と苦しみを抱えて生きなければならない被害者、つまり“残された人々”の物語は、残酷な現実に光を当てて、心からの慰めのメッセージを伝えた。加害者の謝罪だけでなく、真実を明らかにする機会さえ失ったまま、辛い日々を過ごしているであろう人々を思い起こさせた。

キム・ムンギョ監督、リュ・ボリ脚本家と共に、俳優たちは真剣な熱演で「車輪」を引っ張った。キム・ヒョンジュは、キム・ヘジュの複雑な感情を繊細ながら緻密に表現。被害者として加害者に経験する怒り、恨みなどと同時に、彼らの極端な選択による罪悪感や後悔などの二重の感情まで、説得力ある形で描いて好評を得た。パク・ヒスンの責任感は並々ならぬものだった。作品の企画意図に積極的に共感しただけに、俳優として容易ではなかった役を引き受けた彼は、ナム・ジュンドというキャラクターに対する冷徹な視線を維持しながらも彼ならではの存在感を見せた。

記者 : パク・アルム