チョン・ドヨン「桜の園」で27年ぶりに演劇に挑戦“最初は不安で逃げたかった”

Newsen |

写真=Studio AL、LGアートセンター
女優チョン・ドヨンが27年ぶりに演劇に出演した感想を語った。

演劇「桜の園」(演出:サイモン・ストーン)は、ロシアを代表する劇作家アントン・チェーホフの戯曲「桜の園」を、2024年の韓国を背景に脚色した作品だ。息子が死んだ後、アメリカに旅立って帰ってきたある女性が帰国した後から繰り広げらる話を描く。

特に同作はチョン・ドヨンの27年ぶりの舞台復帰作として注目を集めた。彼女は1997年に出演した「リタの教育」以来、27年ぶりに演劇に挑戦した。

彼女は息子の死後、アメリカに旅立って帰ってきたソン・ドヨン(原作:リューバ)役を熱演。成功した不動産開発業者のファン・ドゥシク(原作:ロパーヒン)役の俳優パク・ヘスも彼女と共に演劇を引っ張った。

チョン・ドヨンは最近、ソウル江西(カンソ)区麻谷洞(マゴクドン)のLGアートセンターソウルで行われたNewsenとのインタビューで「精製されていない姿を見せるのが怖いと言ったけれど、公演が行われている今の感想はどうか」という質問に「負担も大きいけれど、楽しいです。舞台が与える刺激、演技する時の私の態度が新しく感じられます」とし「私もこの仕事を長くしてきたので、『私がこれ以上もらうことのできるエネルギーがあるだろうか』といつも悩んだりするのですが、今回『桜の園』に出演して、新しいエネルギーをもらっているようで、楽しみながらやっています」と語った。

それから彼女は「楽しむようになってどれくらいなのか」という質問に、「まだ一つずつ舞台と客席を知っていくところです。私を含めて俳優が10人じゃないですか。俳優たちととても相性が良いんです。私がどんなミスをしても全て受け入れてくれる、しっかりとした演技力を備えた俳優たちです。信頼できるし、安心しています」とし「時間がたつにつれて、もっと楽しめると思います。今のところ、観客と視線を合わせることはできません」と話した。

演出家のサイモン・ストーンは、“チョク台本(撮影直前で渡される、その時に撮るシーンの台本)”を書いて演劇の内容を変え続けることで有名だ。これに対しチョン・ドヨンは「今私はサイモンをとても愛しています」と笑った後、「今は、サイモンがある作品をすると言えば出演したいと思いますね」と語った。その一方で「最初はそのやり方に慣れるのに時間がかかったんです。私が信頼するまで時間がかかりました」とし「台本が出来上がるのが遅く、序盤に『僕は演劇の3時間前、1時間前に台本を渡すこともある』と言ったのでとても不安でした。逃げたいと思いました」と打ち明けた。

しかし、「サイモンが書いた台本を見て、彼が見せてくれた演出のやり方を信頼できました」とし「自分をずっと苦しめなければならなかったので辛かったけれど、新鮮さが良かったです」とつけ加えた。

初公演の時の心境はどうだったのだろうか。彼女は「プレビュー公演まで計10回行いましたが、最初の舞台では死にたいと思いました。『墓穴を掘った』『私がなぜこんなに苦しい時間を自ら選んだのか』と思って逃げたかったですし、自信もなかったんです。どうやったのかも分からないほど夢中でやりました」と告白した。

続けて「しかし、観客の方々がとても喜んでくださいました。今はその分、待つ時間が苦しくはないけれど、『こんなに緊張して不安な気持ちをいつまで持っていかなければならないのか』『公演が終わるまでこういうことを舞台の上で感じるのなら、とても大変だと思う』『寿命が短くなりそうだ』と思いました。ですが、ただ嫌な緊張感や不安ではないと思います。自分でも緊張や不安感を楽しんでいるのではないかと思います」とつけ加えた。

記者 : キム・ミョンミ