「奴が嘲笑う」イ・ソンギュン“前作との比較、僕のものでもないのに恥ずかしい”

OSEN |

映画「最後まで行く」を通じて他のドラマや映画で描かれたこととは全く違った刑事の姿を見せてくれたイ・ソンギュンが、今回は勝訴の確率100%の上位1%弁護士になって戻ってきた。

映画「奴が嘲笑う」は有力な容疑者がいるだけで証拠も死体もない謎の殺人事件を担当することになった大手法律事務所のエース弁護士と検事が事件の裏に隠された陰謀を暴いていく過程を描いた作品だ。劇中でエース弁護士に扮したイ・ソンギュンは話が進むにつれ、ますます深刻になる状況の中で怒るしかない事件を経験することになる。

この2本の映画はジャンルが似たせいなのだろうか。「奴が嘲笑う」は公開前から「最後まで行く」とたくさん比較された。この2本の作品で主役を演じたイ・ソンギュンの考えはどうだろうか。

―前作「最後まで行く」の大ヒットでプレッシャーを感じることはないか?

イ・ソンギュン:プレッシャーがまったくなかったとは言えない。「最後まで行く」以来僕一人で責任を負わなければならないシナリオがたくさん入ってきた。それこそ非常に苦労するようになる台本だった。殴るのではなく、主に殴られる内容だった。そのような刑事物が5割を超えた。

―「奴が嘲笑う」が「最後まで行く」を乗り越えられると思うか?

イ・ソンギュン:「最後まで行く」が僕のものでもないし、制作陣が同じわけでもないのでこのような話が出てくる度に少し恥ずかしい。それでこの前監督に電話して「ごめん。『最後まで行く』が本当に最後まで行くんだ。兄さんに怒ったりして悪かった。僕がちょっと使う」と言った。

実は「奴が嘲笑う」は「最後まで行く」よりスラップスティック・コメディ(観客を笑わせること及び観客の笑いを引き出すことを主目的とした喜劇映画の中でも、特に体を張ったコメディ映画)の要素が入った映画だ。甥たちも初めて僕に面白く見たというメールを送ってきた。「最後まで行く」より理解しやすかったと思う。

―「最後まで行く」で大きな賞をもらった。

イ・ソンギュン:もちろん気持ち良かったが、賞をもらって良かったわけではない。賞は重要ではない。僕には「最後まで行く」が本当に重要だ。たくさんのことを感じさせてくれたし、その映画以来たくさんのことが変わった。映画への責任感も習ったし、そこで会った人々も大切だ。

賞は観客が感じたことによって受けるもので、賞を受けるために映画をするわけではない。賞を受けたときも「どうして僕にくれるんだ」と思った。「皆がもらってるからこいつにも一つあげなきゃ」と思ったのか、実感が沸かなかった。それから振り返ってみることになった。一度も優等生になるため努力したことがないのに「どうやってここまで上がってきたんだろう」と有難くて申し訳なくて僕の態度が恥ずかしくなった。今は優等生になるように心がけなければならないと思う。

―「奴が嘲笑う」のホ・ジョンホ監督とはどんな縁があるか?

イ・ソンギュン:同じ韓国芸術総合学校出身だ。それほど親しい友達ではなかった。同い年だが、ホ・ジョンホ監督が後輩だった。90年代は作家主義映画、ホン・サンス監督のような映画を撮らなければならないという考えが流行っていた時期だが、その人は大学2年生の頃から徹底的に商業映画だけを撮った。それがホ・ジョンホの長所だった。それでうちの学校出身の中で一番最初にデビューしたのではないかと思った。こんなことを考えると「カウントダウン」はホ・ジョンホらしくなかった(笑)

―2人には不仲説があった。

イ・ソンギュン:ホ・ジョンホ監督が「カウントダウン」を終えてからシナリオをくれたが、投資審査が通過できなくて先延ばしになっていた。それで僕は映画がキャンセルになったと思ったが、ホ・ジョンホは僕がギャラが少なくてやめるのだと思っていた。実は僕が事務所を移す過程でお互いに円滑にコミュニケーションが取れなかったわけだ。3年後にそれを知って「絶対そんなことはない」と言い、誤解を解いた。ホ監督は気に障ったと思う。

また、監督が友達だったので意見をダイレクトに話したりしたが、それを見て周りでは監督と俳優は「仲が悪いのか」と思ったのかも知れない。でも、逆にコミュニケーションが速くてよかった。飲み会ですぐに意見を交わして気合いを入れた。監督と俳優であると同時にお互いのことを応援する友達だ。その人は今回の映画がヒットしてこそ次の映画が撮れるわけで、僕もまた駄目になると「チョ・ジヌンがいなかったからだ」と言われるから(笑)

―「奴が嘲笑う」が法廷映画で難しい点はなかったか?

イ・ソンギュン:多くの方に法廷映画で難しくなかったかと言われたが、それほど法律用語がたくさん出るわけではない。弁護士のマインドという僕のキャラクターを見せるため法の精神が出てくるだけだ。ふざけた性格でも一応法廷内だけでは裁判員を僕の味方にしなければならなかった。そのためには何が必要かと考えた結果、牧師やテレビショッピングのMCなどのような方を思い出した。その方々の言葉を傾聴するようになるポイントは何か考えながらキャラクターを研究した。

―「奴が嘲笑う」と関連し、目標とした数字はあるか?

イ・ソンギュン:映画は僕一人だけの目標ではなく、他の俳優、スタッフたちと一緒に作っていくものだと思う。結果はどうなるか分からないが、それぞれ思った以上のことをするために努力し、責任を持つべきだ。韓国で映画を撮るのは恐ろしい職業だ。本当に素敵な職業だが、結果が良くなければ次の約束はないじゃないか。

―これからの計画はどうか?

イ・ソンギュン:もともと出演しようとした作品が先延ばしになって今遊んでいる。安息年でない安息年を過ごしているわけだ。デビューしてから撮影がないのは初めてだ。それで僕を振り返ってみる時間を持って足りない部分についてたくさん考えた。逆に「こういう時間を過ごすためこうなったか」とも思った。こんなとき、ある瞬間とても気楽になるが、落ち込むのも、怠けそうになるのも嫌で何でもしながら「動かなきゃ」と思い、運動もしながら一生懸命生きている。

記者 : チョン・ソヨン、写真 : イ・デソン