リズムパワー「とても可笑しなグループと呼ばれたい」

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3人の男子高校生がいた。1人は高校時代に常に全校1位をとり、きっとソウル大学に合格すると言われていた秀才で、1人は周りの生徒から人気の高いいわゆる“イケてる”生徒だった。そして、残りの1人は教室の片隅でイヤホンをつけて音楽を聞くような静かで平凡な生徒だった。だが高校2年生の時に同じクラスになった3人は、休み時間になると教室の後ろの方に集まり始めた。全く違うタイプのこの3人を繋いでくれたのは音楽だった。

彼らは最初から一緒に音楽をするために集まった仲間ではなかった。ただ、音楽に関する話をするのが楽しく、ラップをしてみたり、歌詞を書いてみたり、歌を歌うのがひたすら好きな平凡な学生たちだった。そんなある日、高校を卒業してからの飲み会で彼らは夢について語った。そして「一度やってみる?」という軽い気持ちで、漠然と音楽に対する夢を見始めた。そうやって仁川(インチョン)生まれの3人のラッパーが“放射能”というグループ名でアンダーグラウンドで活動を始め、今はDynamic DuoやPrimaryが所属するアメーバカルチャー所属の実力派ヒップホップミュージシャンのリズムパワーとして生まれかわった。

昨年、アメーバカルチャー所属としてリリースしたミニアルバム「誰一人漏れ無くハンサムだよリズムパワー」でメジャーシーンへと本格的にデビューを果たした彼らは最近、シングル「THE TRIO - STAGE ONE」をリリースし、タイトル曲「Bond Girl」で活発な活動を行っている。正統派ヒップホップとは違って愉快な雰囲気が溢れる彼らの音楽の原動力は、3人の友情である。3人が集まるといつも愉快、爽快、痛快になるというリズムパワーに会った。

―まず、独特なメンバー名(Geegooin(地球人)、Boi B、ヘンジュ)が目立つ。

ヘンジュ:深い意味はない(笑) 本名がユン・ヒョンジュンなので、発音が似ているヘンジュにした。実はヘンジュは学生時代からのニックネームだが、社会に出たら人々が雑巾という意味が込められていると思ったのか、「普段どんな生活をしているの?」と聞かれることが多くなった。それで、テレビでは“幸せをあげる男”という意味を略してヘンジュと呼ぶと言っている。

Boi B:僕も本名がキム・ソンギョンなので最初はバイブル・キムと付け、最終的にBoi Bになった(笑) ラッパーとして英語の名前が欲しくてBoi Bと決めた。

Geegooin(地球人):もともとニックネームが宇宙人だった。普段の行動や考えがとても変わっているからと言って友達に付けられたニックネームだが、ある日、最新型のMP3プレーヤーを買って学校に持って行ったらGeegooin(地球人)に変わった。

ヘンジュ:Geegooin(地球人)はほとんどの人がMP3プレーヤーを使っていた時期に、彼一人だけCDプレーヤーを使っていた。だがある日、CDプレーヤーの代わりに最新型のMP3プレーヤーを首にかけてきて、友達のみんなが彼がようやく正常な人間になったとして、Geegooin(地球人)と呼び始めた(笑) 学生時代のニックネームで活動しているのは、活動を始めた時からそうしたいと思っていたからだ。Dynamic Duo兄さんたちがニックネームで活動して成功した事例があるので、さらに確信があった。

―アンダーグラウンドで活動していた時はグループ名が放射能だったと聞いた。どうしてリズムパワーに変えたのか?

Geegooin(地球人):大学の授業で放射能はどこにでも浸透できると聞いた。それで「その特性だけを考えたらかっこいいじゃん」と思い、自分の芸名にしようとした。だが、2人からチーム名にした方がよりかっこいいと言われ、そう決めた。グループ名を変更した理由は、日本の原発事故による影響が大きい。放射能というグループ名でデビューしたのは事故の前だが、その時はみんなあまりよくないグループ名だと言っていた。だが、僕たちが活動を上手く続けていったら、後からみんなにかっこいいグループ名だと言われた。リズムパワーにグループ名を変える時も放射能の方がかっこいいと言った人もいるが、一生懸命に活動してリズムパワーというグループ名がかっこいいと思われるようになりたい。

―3人は高校時代からの友達だと聞いたが、その時からヒップホップミュージシャンになるために活動をしていたのか?

ヘンジュ:その時は大げさに活動というより、ただ学校で遊んだり、笑ったり、喋ったりしながら自然にヒップホップにはまっていった。特に、Boi Bがブラックミュージックが好きで、ヒップホップミュージシャンとして活動するようになり、僕たちに音楽を教えてくれた。高校卒業後、2005年に飲み会で偶然夢について話をすることになった。そして、「僕たち、一緒に音楽をやってみる?」という雰囲気になり、その時から漠然と始めるようになった。

Geegooin(地球人):2008年にアンダーグラウンドの「UMF」というライブで出場者を募集していて、そのオーディションを受けてライブをすることになり、本格的な活動を始めるようになった。

―それでは大人になってから活動を始めたことになるが、高校の時に仲良くなったきっかけは?

Boi B:ただ同じクラスだったから……?(笑) 教室の後ろの方でラップしたり、歌を歌ったりしながら仲良くなった。

ヘンジュ:今考えてみると、3人とも音楽が大好きだったという共通点があったから仲良くなったと思う。

―お互いを初めて見た時、第一印象はどうだったのか?

ヘンジュ:Geegooin(地球人)と僕は中学時代から同じ学校で、Boi Bとは高校1年生から3年生まで同じクラスだった。僕たち3人は2年生の時から同じクラスだったが、Geegooin(地球人)はいつも成績が全校1位だった。彼に初めて会った時は「あの子は本当に勉強ができそう」と思える優等生キャラクターだった(笑) 耳栓をして勉強する数少ない友達だったから(笑) Boi Bは遠足に行くと、その時の流行のファッションではなく、いつもXXLやXXXLの大きなサイズのヒップホップスタイルの服を着てきた。普段はクラスの片隅で静かにいるタイプなのに、そんな日はすごく目立つファッションをするキャラクターだったので、「あの子は静かで優しいけど、きっと隠れている何かがある子だ」と思った。

Geegooin(地球人):ヘンジュは学校で有名人だった。友達をリードするような目立つ子だった。(Boi B:いわゆる「イケてる人!」(笑)) Boi Bはヘンジュが話した通りの印象だったが、Boi Bともう少し仲良くなれたのは僕と好きなバンドが同じで音楽の話ができる友達だったからだ。たまに家出も一緒にしたりするような?(笑)

Boi B:家出をしても友達は僕に無関心だった。話題になるタイプではないので、「あの子また家出したんだ」と思われる程度だった。僕は思春期を過ぎてから静かな性格に変わった。中学校の時はいたずらっ子だったが、僕と一緒に遊んでいた友達がヘンジュと同じクラスになったらみんなヘンジュと仲良くなろうとしていた。それで本能的に「ヘンジュは強い」と感じた。Geegooin(地球人)と仲良くなる前は、勉強ができる人はいつも一人でいて、あまりしゃべらないものだと思っていた。それで最初、Geegooin(地球人)の外見や性格を見て彼が1位をとる人だとは思わなかった。友達とふざけたり、いたずらしたり、よく遊ぶ子なのに、後になって成績を見たらGeegooin(地球人)が1位だったので「え?あの子が1位?」と驚いた(笑)

―3人とも全く違うスタイルだ。最初から仲良くなるのは難しかったと思うが。

Boi B:高校2年生の時、ヘンジュとGeegooin(地球人)が先に仲良くなった。僕は教室で静かにいる方だったし。そして、2年生から3年生に上がる時、音楽の話をしながら仲良くなった。

ヘンジュ:Geegooin(地球人)と僕が仲良くなるしかなかった理由は、ノリが良くて、他の友達を笑わせることが好きだったからだ。Boi Bはそれを見ながら笑うタイプだ。それで、Geegooin(地球人)とコミカルなダンスを踊ったり、面白い歌で友達をよく笑わせた。そのうちBoi BとGeegooin(地球人)が音楽で心が通じて一緒に公演を見にいくようになり、3人が仲良くなった。

―仁川でかなり有名だと聞いたが。

ヘンジュ:仁川出身のラッパーは多いが、仁川に関する話をちゃんとラップにしたのは僕たちが初めてなので、特別な感じがしたようだ。

Geegooin(地球人):「僕たちは仁川出身だ」「仁川が最高だ」など仁川を強調したラップは僕たちが初めてだった。今はJTONGが釜山(プサン)の話をラップにするなど、地域色が強いラッパーたちも多いが、当時は僕たちが初めてだった。それで「仁川といえば放射能」と思う人が多かったと思う。でも、僕たちはテレビに出る芸能人ではないので多く注目されたわけではない。ヒップホップ好きの男性や同じ高校出身の人と街で出くわしたら応援を受けるくらいだった。

―Boi Bがヒップホップが好きで2人に伝えたと聞いたが、どんな曲を聞いてヒップホップにはまったのか?

Boi B:音楽について何も知らなかった時も、アメリカのNBAや黒人文化に憧れていた。そうするうちに「2パック(2Pac)が最高だ」という話を聞いて、何も知らずにただ2パックという名前が入っているCDを買った。だが、それは2パックのアルバムではなく、詩朗唱集だった。初めて聞いたヒップホップが正統ヒップホップのアルバムではなく、2パックの詩朗唱集「コンクリートに咲いたバラ」だったのだ!(笑) さらに、そのアルバムには2パックの声が入っていなかった。2パックが死んで、後輩ラッパーたちが2パックの歌詞を朗唱したものだったからだ。「一体ラップとビートはいつ出てくるんだろう?」と疑問に思いながら聞いた覚えがある。

Geegooin(地球人):Boi Bがアメリカのブラックミュージックをたくさん聞いており、僕たちに影響を与えた。僕の場合は韓国のアンダーミュージックについて関心が高く、お互いに音楽を勧め合った。当時はDynamic Duoが一番好きだった!

Boi B:当時はラップにおいて方法論が流行し、ライム(韻を踏むこと)に関する話などが多く出ていた。それで3人で教室にいると、歌詞をプリントして見るなど常に話し合う話題が多かった。実は厳密に言うと、僕の人生初のラップはキム・ゴンモの「間違った出会い」やR.ef(アールイーエフ)の曲だ(笑)

―では全校1位だったGeegooin(地球人)は音楽にはまり、成績はどうなったのか?

Geegooin(地球人):高校2年生までは一生懸命に勉強した(笑) 3年生の時は少し成績が落ちて……。

ヘンジュ:ある意味、僕たちのせいで成績が落ちたのかもしれない(笑) でも、成績が落ちても今、西江(ソガン)大学という素晴らしい大学の新聞放送学科に入った。ただ、高校の時はGeegooin(地球人)はきっとソウル大学に入ると思っていた。僕たちは入試の一週間前まで馬乗り遊びをしていた(笑)

Geegooin(地球人):実は成績が落ちたのは僕たち3人のせいというよりは、音楽に対して真剣に進路を悩んだからだと思う。それでたくさん悩み、色々と話し合ったが、その時から僕は「音楽がしたい。あえて勉強をする必要があるのか」と思った。

―リズムパワーの楽曲のほとんどが正統ヒップホップというより、パーティーチューンの感じ、ある意味、少し“演歌っぽい”感じがするという評価がある。これについてどう思うのか?

Geegooin(地球人):3人で作業すると、そのような楽しいエネルギーが生まれる。放射能時代はハードなヒップホップの楽曲を歌うこともあったが、実はあの時「リズムパワー」という曲だけがダンサブルな音楽だった。「リズムパワー」で注目をされるようになり、アメーバカルチャーとも縁ができたし、初めてのミニアルバムを作る時は80~90年代のダンス音楽を僕たちなりに解釈してみようというコンセプトで進行した。これからも公演が上手くて楽しいチームというアイデンティティは持ち続けていくつもりだが、より多彩なサウンドや雰囲気を出そうと努力している。

Boi B:同じヒップホップ音楽でも典型的な感じにはしたくない。3人が集まると、そういう気持ちがさらに強くなる。それで、聞く人は「典型的なヒップホップの感じではないけど?」と思うかもしれない。でも、逆にそれがリズムパワーのアイデンティティを作ると思う。今後、大きな変化はないと思う。サウンド的にはパンクやラップメタルをするかもしれないが、究極的に僕たちだけが持っているチームのカラーは変えないつもりだ。

Geegooin(地球人):韓国においても外国で生活したラッパーが多く、英米文化圏の影響を受けた人も多いが、僕たちは仁川生まれなので、最初にラップシーンに入ってきた時は他のラッパーの真似をしようとする部分もあった。だが、それは僕たちが持っている感じとは違うと思い、ただ僕たちが育ってきた通りの20代の韓国人の姿を音楽に表現してみようと思った。黒人感性が濃いソウルフルな感じのヒップホップより、ダンス音楽を多く聞いて成長した世代であるため、そのような感じが漂っているんじゃないかな?それがリズムパワーの大きなアイデンティティである。

―だからなのか、リズムパワーといえば前向きなエネルギー、すごく愉快な音楽という修飾語が付く。実際にも前向きな方なのか?

ヘンジュ:3人が集まると不思議にも笑ったり騒いだりする時間が本当に多い。いたずらをしたり、話をしたり、曲の作業をする時も、そのような性格がよく出てくる。友達同士でいたずらをやりだすときりがないので、めちゃくちゃな曲が誕生することがある。

Geegooin(地球人):初めてのミニアルバムを作る時、僕たちの長所は無限にポジティブなところだと思った。だが、今回のシングル「THE TRIO-STAGE ONE」には“無限のポジティブ”から無限を抜いて、ポジティブだけが入っている。一曲目の「Let's Walk」は僕たちの抱負や男らしさが詰め込まれている。「DDR(DANCE DANCE REVOLUTION)」は非常にクレイジーな曲で、僕たちが純粋な人たちではないということが込められている。これから「THE TRIO-STAGE TWO」「THE TRIO-STAGE THREE」が完成する時はポジティブなグループ、純粋なグループ、ただ笑って騒ぐグループというイメージから抜け出したい。

Geegooin(地球人):“とても可笑しなグループ”と呼ばれたい。本当に3人が集まると、前向きなエネルギーが自然に湧き出てくる。それで、作業する時もそれが反映される。だが、僕たちの個人的な望みは無限にポジティブなイメージが少し薄くなってほしいということだ。

Boi B:ミニアルバムを作業する時は「僕たちが人々にこんな風に見えてほしい」「人々が僕たちを見た時、こんな感じを受けてほしい」という考えがあった。今回「THE TRIO-STAGE ONE」は昨年の秋頃から楽曲を準備したが、その時の感情や気分に合う曲で作業した。完成度の高い曲から選んだので、ハードな楽曲は含まれていないが、ハードな楽曲が全くなかったわけではない。僕たちは雰囲気よりも完成度を重視している。

ヘンジュ:僕たちは前向きだということを強調しているのではない。例えば、「DDR」は難しい素材を面白く前向きに音楽に表現した。そのように、難しい題材を前向きな音楽に表現するグループになりたい。

―今回のアルバムの収録曲「DDR」の題材は何だかよく分からないが、本当によく分かる気がした(笑) 歌詞がウィットに富んでいる。

Geegooin(地球人):聞いた時に下品な感じがしないように本当に努力した。むしろ聞いてから“可愛い”と思ってほしい。ところが、19禁審議は後から判定が出ると聞いので、電話が来たらどうしよう?(笑) もともとアメリカで流行しているヒップホップサウンドであるトラップ(Trap:アメリカ南部のHiphopの要素とUKを発祥とするダブステップの要素をブレンドさせたジャンル)の曲を作りたかった。トラップというジャンルは起承転結がはっきりしており、リフレイン(繰り返し)に強烈な部分が入るのが特徴だ。「DDR」にも「ピーピーピーピー」という音が入っている。最初は愛の告白をした後、その部分に「愛している」と叫ぼうとした。それで、相手の女性を一人ずつ選んだが、その時に僕が日本のセクシータレントの蒼井そらを選んだ。Primary兄さんとそれについて話をしていた時、最初から状況に合わせて曲を活用しようという結論が出た。それに、サウンドの構成が題材と本当によく合っていた。サウンドだけ聞くと最近流行の洗練された音楽だが、中には日常生活で本当に共感できる内容が入っている(笑)

Boi B:何も知らない彼女が彼氏に「これ何?」と純粋に聞ける曲だ(笑) それにマスタリングをイギリスで行ったが、イギリスのスタッフはこれを聞いてどう思っただろう。たぶん内容も知らずに作業したはずだが(笑)

ヘンジュ:頭に状況を描けて、にやりと笑えるように作った(笑) 実は、最初は母親に聞かせるのが少し恥ずかしかった。母親が先にパソコンで聞いてどんな曲なのかと聞かれ、「あんな状況だ」と説明したら、「私もそのぐらいは知っているよ」という表情で部屋から出ていった。初めてのこのような素材を露骨ではなく、面白く表現したということが少し誇らしい。

―3人とも個性がある声だ。今の声、自分だけのスタイルを探すためにどんな努力をしたのか?

Geegooin(地球人):3人ともトーンが独特だ。だが、Boi Bの声が低いから僕は高いトーンにしようと計算したわけではない。初めにラップをした時は3人とも声が似ていた。ラップはトーンを決めるのが重要だが、ラップをたくさんやって、録音をたくさん行うと自分だけのトーンが自然にできてくる。だから研究はしなかった。3人の声がバランスが取れて個性もあるので、これは神様が与えてくれたプレゼントだと思った。

―自分たちだけの最大の強みは何だと思う?

Boi B:僕たち3人には躍動性とエネルギーが強みだ。

ヘンジュ:僕たちはこのダイナミックなエネルギーをDJ DOC兄さんたちと比べたりもする。僕たちは友達だから練習では作れない相性がある。計画して練習したことでもないのにぴったりと合って鳥肌が立つ時もある。そうやって出る躍動性やエネルギーは他のチームからは見られない。言葉で表現するには曖昧だが、僕たちは音楽をするために集まって友達になったケースではなく、ただの友達だったが一緒に音楽をするようになったケースなので、特別な相性がある。

―ヒップホップの魅力の一つはコラボレーションだ。リズムパワーはフィーチャリングに参加したり、他の歌手をフィーチャリングした曲があまりないが、一緒に作業してみたい歌手はいるのか?

ヘンジュ:(とても慎重に)僕は俳優のイ・スンジェさんと一緒に作業してみたい。(一同:え?!) この間、朝出勤する時にイ・スンジェさんがやっている保険のCMでイ・スンジェさんの声を聞いた。ジェイダキス(Jadakiss)という僕が本当に好きなラッパーがいるが、その人と本当に声が似ているように聞こえた。たぶんイ・スンジェさんがラップをしたら、ジェイダキスのように聞こえると思う。ただの想像ではあるが、本当にフィーチャリングする意向を持っていらっしゃるなら一緒に作業してみたい。とてもかっこいい声を持っていらっしゃる。(一同:わ~かっこいい!)

Boi B:僕は仁川出身の歌手と仁川に関する曲を作りたい。歌手のホ・ガクとヘンジュが同じアパートに住んでいるのもある縁だし……(笑) ガールズグループSISTARのヒョリンさんも仁川出身だ。そういった人たちとコラボレーションをしたら面白そうだ。

Geegooin(地球人):僕はバンドと一緒にやってみたら合うと思う。リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアメリカのバンドがいるが、エネルギーに溢れるバンドだ。彼らと一緒に爆発するような曲を作りたい(笑) 僕たちはエネルギーが溢れていると言われているのに比べ、いざステージで爆発したりガンガン弾けられる曲がなくて残念だ。だから、そんな曲を作ってみたい。

―アメーバカルチャーを選んだ理由は?

Geegooin(地球人):高校3年生の時、3人で音楽を一緒に聞き始めた時にDynamic Duoの1stフルアルバムが出た。韓国でラップを始める人たちにとってDynamic Duoはアイドル的な存在だ。教科書そのものである!その兄さんたちはバラエティやテレビを通じてスターになったのではなく、自分たちだけの音楽で韓国のヒップホップシーンで最高の地位に立った。それで、僕たちがより大きな世界に足を踏み入れた時、僕たちのカラーを知って守ってくれる所はアメーバカルチャーしかないと漠然と思った。ちょうど公開オーディションが行われ、それに応募してチャンスを掴んだ。そして、最初から僕たちに注目してくれて嬉しかった。

―今回のアルバムで達成したい目標は?

Geegooin(地球人):多様性を伝えたかった。長い間音楽を続けるのが僕たちの目標だが、僕たちの多様な姿を人々に受け入れてもらうことができてこそ、それが可能だと思う。初めてのミニアルバムは若いエネルギーだけで作って、僕たちの魅力を少ししかアピールできなかった。だから、今回は僕たちの様々な姿を見せたいと思い、PrimaryやZion.Tなど優れた方たちの力を借りてより一層多様になった。

―50代の自分はどんな姿でありたい?

Geegooin(地球人):もちろんラップも長く続けたいが、本来は映画監督が夢だった。そのくらいの歳になると、映画を作る人になりたい。本当に希望だが、映画を作るまではいかなくても映画制作会社で働くとか、脚本などを書きたい。

Boi B:気持ち的に余裕のある暮らしをしたい。その中で何か成長していく姿でありたい。もしかすると他の国で勉強をしているのかもしれないし。でも、それが熾烈に生きている姿ではなく、ただ気楽で着実に続く過程の一つであってほしい。

ヘンジュ:ヒップホップというジャンルは、ファッションや文化自体が実際の年齢に比べて、若々しく見えるようにしてくれる。それで、50代になって僕たちが同窓会に行ったら、その年齢に合った外見や志で生きている他の友達から「お前たちは50代のように見えない」と言われたい。また、そういうのは外見だけを気にしたからといってできることではないので、着実に音楽を頑張って、3人で楽しく生きていれば自然にそうなると思う。

記者 : パク・スジョン、写真 : ク・ヘジョン、翻訳 : ナ・ウンジョン