BIGBANGのV.I「多くの恋愛を経験した…多様な愛を語りたかった」

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V.Iは気持ちの良い男だった。どんな質問にも戸惑うことなく正直に返事をしてくれた。V.IはBIGBANGのメンバーの中でも一番親しみやすく、自分を隠さない率直な姿を見せてきた。このような性質は音楽にも表れた。ソロ活動を行うG-DRAGONとSOLがスタイルを重視したのならば、V.Iはメロディを強調した。所属事務所YGエンターテインメント(以下YG)が自発的に19禁審議を申請した「LET'S TALK ABOUT LOVE」の映像を見た時はショックを禁じ得なかったが、BIGBANG、そしてV.Iならこの程度のことは問題ないと思った。彼ももう24歳だから。タイトルの“LOVE”が本来は“SEX”ではなかったのかという質問に、顔を赤らめるのではなく、素直に落ち着いて答えてくれた。V.IはもはやBINGBANGの末っ子ではなく、グループのことを想う姿からは大人らしさを感じた。2ndソロアルバム「LET'S TALK ABOUT LOVE」をリリースしたV.Iと26日、上水洞(サンスドン)の近くにあるカフェで会った。

―アルバムのメイキング映像を見ると、愛について語りたかったそうだが、具体的にどんな愛について語りたかったのか?

V.I:普段「何が愛だと思いますか」という質問に多くの人は、苦しみ、おぼろげな答えを口にする。僕は愛の多様な面を語りたかった。喜び、別れ、苦しみ、恋しさ、後悔など。

―「LET'S TALK ABOUT LOVE」の19禁予告映像がとても話題になった。「度が過ぎている」と「BIGBANGのV.Iだから似合う」という意見に分かれているようだった。

V.I:素晴らしい曲を公開しても、上手く広報ができなければすべてが台無しになる。人々の視線を引くために“刺激”は欠かせない要素だと思った。だから、わざとこの曲に合った19禁バージョンを作ってみた。会社側と撮影チームとの会議を経て、ギリギリのところまで行ってみようという結論を出した。

―映像が完成するまでにV.Iの意見が多く反映されたのか?

V.I:そうだ。

―その映像を見て、「LET'S TALK ABOUT LOVE」の本当のタイトルが「LET'S TALK ABOUT SEX」なのかもしれないと思った。

V.I:もちろん男女の関係だから、そのような意味も含まれている(笑) 僕は色んな意味を盛り込みたかったし、特に男らしさをアピールしたかった。ミュージックビデオで口紅やりんごなど、赤色が強調された中で女性たちが登場するので刺激的に見えるかもしれないが、決して扇情的な映像ではない。ただ音楽に似合う映像だと思う。だから違和感なく近づくことができた。

―最近、カムバックの初ステージを披露した。タイトル曲「言わなきゃいけないことがある(GOTTA TALK TO U)」でスーツを着て、ブロードウェイのショーのような雰囲気を醸し出した。

V.I:成熟した姿を強調したかった。ステージではBIGBANGの末っ子というイメージ、普段バラエティ番組で見せてきた僕のイメージから抜け出したかった。軽いイメージだと、歌も軽く聞こえるかもしれない。だから、自分を抑えて重みを乗せようとした。

―自分自身を抑えようとしたとは?V.Iが考える自分とはどんな人間なのか?

V.I:僕は自分の気持ちより、目の前にいる人の気持ちを先に考える。周りの人々を楽しませるのが好きだ。相手の気持ちを考える人かな?

―「Love Box」を聞いたら、声色が以前と変わっていた。たくさん練習したと思うが、特別なレッスンでも受けたのか?

V.I:BIGBANGの場合、ボーカルレッスンのような教育は受けていなかった。すでに僕たちが持っている声のトーンがはっきりしているので、レッスンすることが不可能だからだ。今持っている色を消して、違う色を塗るには時間が経ちすぎた。今は自分を発展させることが僕たちにやれることだ。個人的に初のミニアルバム「V.V.I.P」の時とは違う声を出したかった。ニューアルバムに収録された6曲に渡って、自分の声を見つけるために心血を注いだ。例えば、綺麗だった声のトーンを少し落として太い声を出してみた。

―「LET'S TALK ABOUT LOVE」はメンバーであるG-DRAGONとSOLと一緒に作業をした。

V.I:僕のアルバムの後にG-DRAGONとSOL兄さんたちのアルバムがリリースされる予定であり、作業室で会う機会が多く、兄さんたちの声が一緒に盛り込まれたら良いと思ってお願いした。G-DRAGON兄さんは、お願いしたその日のうちにすぐにラップを作ってくれた。SOL兄さんは何度も修正してくれるほど、気を遣ってくれた。僕が描いた絵に、兄さんたちが色を塗ってくれるようだった。

―今回のアルバムで初めてプロデューサーに挑戦した。歌だけを歌っていた時とはたくさんの違いがあったと思う。

V.I:初めての挑戦だったのでプレッシャーもあった。7年間、BIGBANGとして活動をしながら積み重ねた経験を生かしたら、上手くいくと思った。僕が考えた総括プロデューサーとは、アルバムが完成するまで全ての責任を負わなければならない。音楽以外にもミュージックビデオやアルバムのアートワーク、そして写真やアルバムの材質まで。

―アルバムを通して自分のメッセージがよく伝わったと思う?

V.I:恋に落ちた男性の感情を伝えたかった。収録された曲で説明をすると、「GG BE(ジジベ)」を通じて女性に騙された気持ち(曲の中には女性側の反論も含まれている)を、「アイなんていらない(COME TO MY)」では、別れの後の男性の心理と爆発する感情を表現したかった。実際に男性たちは正直に向き合って話せない時が多い。男性は共感してくれると思う。1曲目の収録曲「LET'S TALK ABOUT LOVE」と2曲目の「言わなきゃいけないことがある」は、女性を誘惑する曲だ(笑) 「Love Box」は、日本の映画「いま、会いにゆきます」からインスピレーションを得て作った曲だ。全ての曲が経験談だけで作られたわけではない。

―実際の経験をもとにした曲は?

V.I:「GG BE」だ。よく嘘をつく女性に疲れ果てて、愛が冷める状況を表現した。歌の中の彼女は、僕の方から先に別れ話を切り出してほしいと願っている。男女関係において先にフルより、フラれる方が良いと思う心理がある。誰にでもありそうなことをV.Iらしく表現してみた。カフェにいると嘘をついて、クラブで踊っている彼女。どうしていつも黒い車から降りるのだろう……。

―アルバムを聞いてみると、恋愛経験が豊富なようだ。

V.I:(真剣に)たくさんのことがあった。

―「GG BE」はいつのことなのか?

V.I:約1年前のことだ。

―彼女は今どうしているのか?

V.I:全然知りたくない!

―アルバムを準備しながら、ヤン・ヒョンソク代表とたくさん話し合ったと思う。

V.I:最初、ヤン・ヒョンソク代表から「一緒に音楽作業をやってみよう。とりあえず、2曲くらい作ってみろ」と言われた。最初の曲で「GG BE」を作って聞いてもらった。その場にヤン・ヒョンソク代表とメインプロデューサーのTEDDY兄さんが一緒にいた。5秒間ほど聞いた後、ヤン・ヒョンソク代表が悪くないと言ってくれた。あまりにも嬉しくて「本当ですか!」と喜んだら、「そんなに喜ぶな。ただ思ったより悪くなかっただけだ」と言われた。ヤン・ヒョンソク代表特有の節度のある褒め方で褒めていただいたんだと信じている。その後、10曲くらい作り、良い曲を優先にアルバムに入れた。アルバム作業の中で「お前はどう思う?どうしたい?」と僕の意見を聞いて下さった。ヤン・ヒョンソク代表は本来そのような方ではない(笑) やっと僕をアーティストとして認めてくれたようで凄く嬉しかった。

―作曲チームのチェ・ピルガン、カン・ウクジン、ハム・スンチョンとのチームワークはどうだったのか?

V.I:面白いことに作曲家の兄さんたちがみんなA型だった。お互いに喧嘩しないで、尊重しながら作業した。着実に勉強をしながら実力を積み重ねたい。今回、アルバムの作曲に一緒に参加した方々が、次回も僕と一緒に作業をしたいと言ってくれた。そのことを聞いてとても感動した。僕はメロディメーカーだと思う。メロディを作る人として認められてとても嬉しい。

―アルバムを聞いてみるとメロディが強調されている。他のメンバーたちはヒップホップの面が強いなら、V.Iはメロディに重点をおいているようだ。

V.I:BIGBANGの中で唯一僕だけがポップを追求している。誰もが楽しめて、好きになってくれる音楽がやりたい。だから今回のアルバムでも全体的に親しみやすいサウンドを加えた。例えば、ギターやピアノなど誰もが聞きやすい音を加えて、聞き慣れたメロディを作ろうと努めた。僕だけの色にこだわるよりもファンに聞かせたい音楽に重点を置いた。

―BIGBANGのメンバーたちとは違う“V.Iらしさ”とは?

V.I:僕はBIGBANGの中で唯一愉快で、機転が利いて、親しみやすく、僕と会う人はみんな僕のことを好きなってくれる、そんな人だ(笑) 他のメンバーたちは人見知りをする。僕は愉快なことが好きだ。インタビューも楽しくしたい。YGに所属している歌手たちは、テレビ番組にあまり出演しないことで知られているが、僕は色んな道を通じてBIGBANGに会いたがっている方々に喜びを与えたい。

―日本での活動も熱心にしている。最近では日本のバラエティ番組に引っ張りだことなり、日本語もかなり上達している。

V.I:日本語が上手くなったきっかけがある。約4年前、BIGBANGが日本でデビューした当時、韓流ブームが始まって、K-POPミュージシャンたちが日本に少しずつ進出する時点だった。アルバムの宣伝のために朝のニュース番組に出演して、僕は簡単な日本語でインタビューに応じた。「よろしくお願いします」のような簡単な日本語だった。その時、メンバーから「お前の日本語は下手だから、黙っていて。恥ずかしいから!」と冗談半分で言われた。その瞬間、「一生懸命に日本語の勉強をして、僕の実力を見せてやる!」と決心した。今は日本語に関して僕に愚痴を言う人は誰もいない。かえって、僕に質問したりする。もはや日本で僕は権力を握っているのだ!(笑) 日本に行くとリーダーはG-DRAGON兄さんだが、みんな僕に頼ってくる。昨年は日本でタレントとしても活動し、僕の名前がついたレギュラー番組が3本くらいあった。日本にいる芸能人でも一緒に共演することが難しい国民的MCの明石さんまさんやダウンタウンさんとも共演している。とても感謝している。僕のこのようなソロ活動がBIGBANGの活動にも役立っている。

―V.Iの野望は相変わらずのようだ。

V.I:昔、野望は大きかった。だが、現実とぶつかってみたら、野望だけではだめだった。情熱と勢いだけでは何もできない。僕が得意なこと、僕に合うことを上手くやりこなすことが重要だ。そして、何よりもBIGBANGというタイトルが重要である。

―BIGBANGとソロ活動において、V.Iの音楽は何が違うのか?

V.I:僕たちは基本的にBIGBANGという大きな音楽の枠を抜け出してはいけない。これはメンバーたちも同意している。僕がソロ活動をすると言って、突然ロックをするとか、正統派ヒップホップやR&Bをするのは似合わない。これまでBIGBANGという枠の中で育ってきたので、それに慣れている。BIGBANGの中で音楽に接し、学んできた。もちろん僕の力をすべて発揮し、魅力をアピールすることは重要だ。だからソロ活動をしている。各メンバーたちが自分だけの色を追及し、BIGBANGとして再び団結すればその相乗効果は凄いと思う。

―BIGBANGの兄さんたちの音楽を評価したら?

V.I:G-DRAGON兄さんの音楽はまるで寿司みたいだ。高級ながら多様な味がする。ネタによって味も違うし、握り具合で音楽も変わる。SOL兄さんはハンバーガーだ。ハンバーガーが持つ本来の味を超えず、チキンバーガー、カルビバーガー、えびバーガーがあるように多様な味を出す。T.O.P兄さんはステーキだ。どんなワインと合わせるのかが重要だ。D-LITEは辛いスープ!

―メンバーそれぞれがソロ活動を準備している。BIGBANGとしてはいつまた会えるのだろう?

V.I:年末頃には5人で揃った姿を見せることができるだろう。新曲がなくても、テレビや公演を通じてファンに会うことが、僕たちの役目だと思う。

―今回のソロアルバムを通じて成し遂げたい目標があるとしたら?

V.I:音楽番組の成績よりも、僕の潜在能力を発見することに重点を置きたい。初めてプロデューサーとしてもアルバムの制作に参加したので、最高のアルバムを作りたかった。あともう少しでG-DRAGONとSOL兄さんたちのニューアルバムが公開される。このように同じグループの中でソロアルバムが相次いでリリースされるのは異例のことだ。僕が良いスタートを切ったので、兄さんたちにも良いきっかけになってほしい。

記者 : クォン・ヲクジョン、写真 : YGエンターテインメント、翻訳 : チェ・ユンジョン