Vol.2 ― 放送終了「最高です!スンシンちゃん」産んでくれた母も、育ててくれた母も“みんな母だ”

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※この記事にはドラマ「最高です!スンシンちゃん」の結末に関する内容が含まれています。
写真=KBS 2TV「最高です!スンシンちゃん」ホームページ
ソン・ミリョン(イ・ミスク)がイ・チャンフン(チョン・ドンファン)とイ・スンシン(IU、アイユー)を捨てて去った時のようにまたも娘の傍から去った。過去には母親としてのプレッシャーや恐れのほうが大きかったとすれば、今回は申し訳ない気持ちにこれ以上娘の顔を見ることができなくなったからだ。スンシンは自身を育ててくれた母キム・ジョンエ(コ・ドゥシム)と祖母、姉たちに囲まれ、夢も叶えて愛も守った。

韓国で3月9日にスタートしたKBS 2TV週末ドラマ「最高です!スンシンちゃん」(脚本:チョン・ユギョン、演出:ユン・ソンシク)が6ヶ月間の長い旅をハッピーエンドで終えた。

「最高です!スンシンちゃん」は「いとしのソヨン」の後番組であり歌手IUが初の主演に挑戦するということで放送前から大きな期待を集めたが、タイトルに関する議論が拡散し、順調ではない今後を予告した。ドラマの放送中にも伝えようとするのが主人公たちの恋愛模様なのか、平凡な少女が夢を叶えることなのかメッセージが曖昧で、視聴者をテレビの前に寄せ付けることはできなかった。

しかし、一つ残したものがあるとすれば、それは家族の本当の意味だった。ミリョンとジョンエの間で選択の岐路に立たされたスンシンは先に育ててくれた母との絆を選んだ。産んだということと育てたということ、どちらが母親としての本当の資格があるのだろうか。

同作品はこれまで血縁関係を重視する伝統的な思考に捉われていた韓国社会に様々な形の家族が生まれ、家族の意味が改めで定義されている最近の傾向を反映している。血が繋がっていなくても家族になれるということを見せてくれたとも言える。

ジョンエとチャンフンの下で育ったスンシンは自分の実母が女優ソン・ミリョンであるということを知って驚愕した。ジョンエだけが自分の母親だと思い込み、ミリョンを排除しようとした。しかし、ミリョンはスンシンを連れて行って勉強をさせ、演技も始めるようにしたいと主張した。また「私が今からでも母親の役目を果たしたいというのに、それが何が悪い」と開き直るような姿勢も見せた。

ジョンエは娘が良い環境で暮らしてほしいと思い、スンシンをミリョンの家に行かせた。しかし、スンシンはチャンフンがひき逃げ事件に遭った時にミリョンが傍観していたことを知り、後も振り返らずに彼女の家から出てきた。実母への愛情が少しずつ生まれていた時期であっただけに、その衝撃は倍であった。

ミリョンはトップスターとしての人生と娘、両方とも手放したくなかったのでそのような選択をしたと打ち明けた。自分の過ちを反省したミリョンはスンシンを手放し、遠くから応援することにした。その真心が通じたのだろうか。スンシンは自分の公演を見に来たミリョンに「ありがとう、ママ」という言葉で心のうちを初めて伝えた。感動だった。二人の母親の愛がそのまま伝わったシーンだった。

IUはこのように産んでくれた絆と育ててくれた絆の間で葛藤するスンシンの心理的な演技を繊細に演じきり、好評を受けた。二人の母親、コ・ドゥシムとイ・ミスクもそれぞれ極端な心理状態に置かれているジョンエとミリョンを通じて抜群の演技力を披露した。3人の親子の演技は言うまでもなく最高だった!

写真=KBS 2TV「最高です!スンシンちゃん」ホームページ

記者 : キム・ボラ