【スターコラム】ポン・テギュ、オタク気質が「話神」の“ポン記者”を生み出す ― Vol.2

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ポン・テギュは映画とドラマで活躍しながら個性溢れる役者として人気を集めてきた。ここ数年の空白期間を経て復帰した彼は、最近SBSバラエティ「話神(ファシン)-心を支配する者」(以下「話神」)に出演し“ポン記者”のキャラクターで視聴者を笑わせている。

最初にMCを務めたときから意図したことではなかったが、このようなキャラクターが作られたことには、ポン・テギュの“オタク気質”が大きな影響を及ぼした。彼はゲストに対する綿密な調査と分析力、中立的かつ客観的な姿勢で「話神」に新鮮なエネルギーを吹き込んでいる。NAVER スターコラムを通じてポン・テギュのオタク人生を探ってみよう。/編集者

NAVER スターコラム:ポン・テギュ

こんにちは。NAVER スターコラムの読者の皆さん。第1部はいかがでしたか?予告通り第2部では、僕のユニークな趣味生活と「話神」に関するお話をします。楽しんで頂けると幸いです。

空白期間の間、更に深刻になった“オタク気質”

僕が個人的に残念に思っていることの一つが、たくさんの方々がオタクを悪く言うことです。普通オタクと言うと、アニメに夢中で美少女のキャラクターが好きな変態という風に思われがちですが、実は違います。一つの分野について深く勉強をすることです。誰かに言われたからでも、自慢するためでもなく、純粋に自分が好きだからするのです。

一つの分野に興味を持ち、継続して色々と調べながら勉強して専門家になることです。年配の方々にハーレーダビッドソンが好きな方が多いですが、その方々の中にもオタクが多いです。自分の手で修理もできますし。実は僕も一つのことを深く掘り下げて知る性格ですが、空白期間は自由な時間が多かったので更に深刻になりました。仕事があるわけでもなく、お金があるわけでもないので、そういう風に過ごしました。

例えば服が好きだとした場合、普通はあるブランドが好きでそれを集めるだろうと思いがちです。しかし、本当のオタクたちはそういうことに興味がありません。もし、ジーパンが好きだとすると、その始まりは何なのかから始まり、創始者は誰か、その時に使われた生地は何なのかなどの細かいことまで調べ、勉強するのです。初期のジーパンのボタンはどんな形だったのか、どんな糸を使っていたのかなどを調べます。生地は何か、どんな紡績機で織るのかも重要です。深く探ると限りない世界が広がります。



「個性」という言葉は好きではない

僕のオタク気質は服だけでなく、音楽でも現れます。個人的にニルヴァーナが好きなのですが、そのバンドと関連のあるものを全部調べるのです。一代記のようなものが出版されたこともありますが、カート・コバーンの公演の実況や外国のブロガーたちが書いたものを集め、それを主に読みます。セックス・ピストルズもとても好きです。本当に最高だと思います。彼らは歌と演奏がめちゃくちゃですが、ファンクの精神は100%満たしています。素敵です。

普通、人気を集めるためには優れた演奏の実力が必要です。でも、彼らが崇められる理由は、皆が当然重要だと思う部分が抜けているからです。本当に素敵なことだと思います。ストレートな発言で話題になるのはもちろん、公演の時なんて完全に演奏した曲が殆どないんです。更にはベースを他のメンバーが代わりに弾いてくれたとの噂もあったほどなので。ハハ。

これらのバンドに、個性があってユニークだという表現を使う人もいますが、僕は「個性」という言葉さえも、人を断ち切っているような感じがします。個性があるという表現自体が要らないと思います。僕はただ「違い」が好きです。型にはまったものが嫌いだからです。


好きでないことはしないとの誓い

何度かお話したことがありますが、空白の間、前の所属事務所と訴訟の問題があったり、父が急に亡くなるなど、心の痛む出来事が多かったです。仕事をしない間は収入がないので、何もせずに質素に生活するようになりました。

オタク気質が酷くなり、そのように過ごしていると欲求が満たされました。モノを手にしなくても満たされる感覚がとても不思議でした。実は僕も活動する時には人々の目があるので、ある意味ではお金を計画無しに使っていたと思います。流行だと言われると、とりあえず買ってみたり。休みの時は仕事をしないと、誓ったことがありました。「好きでないことはしないようにしよう」と思いました。この前、撮影現場で着ようと思って買ったジャンパーがとても温かく、冬の間ずっとそればかり着ていました。これからも数年は問題ないと思います(笑)

好きなものも止めて、色々な変化がありましたが、仕事を休んでいる間、良いこともありました。周りでは「所属事務所でケアはしてもらっているのか」と言われたりもしましたが、むしろ気が楽だった理由は、自ら人々に知られることを恐れていた部分もあったからです。仕事をしていないことに対する衝撃もありましたが、一方では良かったと思いました。人々の前に立たずに済むからです。


「不吉な予感」というのは本当にあった

テレビでも話したことがありますが、父が亡くなった時、僕はなんとなく不吉な予感がしていました。日曜日に母から電話が来た時から少しおかしかったんです。その時、電話が来た瞬間から現実感がなかったと思います。最初に母が「お父さんが亡くなったようだ」と言い、その次は「大きな怪我を負ったようだ」に変わり、最後に「亡くなったようだ」と言われた時、僕は父の死を直感しました。悲しいとかではなく、ぼーっとした状態でした。自分が悲しいかどうかも分からず、現実かどうかも区別できずにぼーっとしていて、いきなりパッと目覚め現実に戻りました。

当時記事がたくさん報じられました。僕はネットの書き込みなどをあまり気にしない方ですが、物凄い書き込みでした。更に、亡くなった父を見送るために叔父の山に行く途中、サービスエリアに寄りました。喪服を着てトイレに向かっていると、ある方が明るい表情で僕の手を握り「故人のご冥福をお祈りします」と言われました。その笑顔に怒りを感じるよりも、先に怖いと思いました。「自分がメディアに露出する仕事をすることは怖いことなんだなと。ここまで知られていなかったら、こんなことを経験せずに済んだのだろうか」と思いました。たとえ何年も俳優生活をしている温厚な人でも、それは辛かったです。

今は時間がかなり経ったので、大丈夫です。姉が2人いますが、2人とも近所に住んでいます。義理の兄とも仲が良く「兄さん」と呼びます。義理の兄が証券街で働いているので、いわゆる“チラシ”(芸能人の噂などが書かれた文書)にもたくさん接しています。義理の兄は韓国の主な証券会社の重職のエースです(笑) 姉は義理の兄が忙しすぎるから、一緒にいる時間がないと文句を言いますが、本当にないものねだりにも程があります。僕には本当に自慢の兄です。


偶然誕生した「話神」のポン記者

ご存知のように最近僕は「話神」に出演しています。基本的に出演するゲストの調査は僕が自分でします。放送作家が書いたものと、僕が書いたもので重なる部分があると思いますが、それでも僕が先に知る必要があるからです。ゲストについて知っていることと、単純に台本だけを読むこととは別ですから。2PM、イ・チャンフン、ソン・シギョン編がありましたが、その時は偶然僕が知っていたことが多かったです。イ・チャンフン先輩が“ポン記者”と言ったことから、僕のキャラクターが誕生したのです。なので死にそうなんです。待ちくたびれそうです(笑)

チャン・ユンジョンさんは掘り下げれば掘り下げるほど新しいものが出てきました。でも下調べばかりするわけにもいきません。とんでもない話も多いからです。相手が困りそうな話ばかり投げつけてもいけません。ゲストが4人の場合は本当に大変です(T T) 調査する量が多すぎです。それでも、既に熟知しているとゲストの知られていない部分を引き出すことができるんです。イ・ジョンソクさんが良い例ですが、出演される前に記事を全部調べました。そうすると、既にした話をまたする必要がなく、他の話をもっとできるということです。MCは4人ですが、全員が面白くする必要はありません。僕の役目はそういう部分だと思います。

個人的にポン記者のキャラクターがとても好きです。そこで最近はメガネオタクになりました(笑) 更に鋭く、繊細なイメージを見せるためにメガネを買い集めています。放送をご覧になるときにメガネもチェックしてみてください。いつも同じメガネではありません。


TVで見ていた芸能人を実際に見ると不思議

一緒に出演しているキム・ヒソン姉さんやキム・グラ兄さんとも仲良くなりました。制作スタッフからMCたちの相性が良く、進行がスムーズだと言われました。たまに会食もしますが、皆さん優しいです。放送は編集が加えられなかった方が面白いです。僕がキム・グラ兄さんに毒舌を吐くわけにはいかないじゃないですか。キム・ヒソン姉さんが自然にそれをできるので面白いです。キム・グラ兄さんは本当に困惑します。実はとてもジェントルマンなんです。シン・ドンヨプ兄さんは収録のたびにキム・グラ兄さんが面白すぎてお腹が裂けそうだと言っています(笑)

僕はというと、実は収録しながらもそこに座っていることが不思議です。俳優の時は家にばかりいて、親しい芸能人もあまりいません。テレビで見ていた人たちを実際に見ると本当に不思議でした。そこで最近は歌手のアルバムをリリースを楽しみにしています。もしかすると特集で「話神」に出演するのでは?と思います。実際に会ってからイメージが変わった方々も多いです。

見た目とは違い(?)僕は電話で連絡を取り合ったりすることが全くできません。相手が親しすぎても負担に感じます。チェ・ガンヒ姉さんと親しくなる程度がちょうど良いと思います。姉さんと僕は映画の撮影が終わり、広報する時になってやっと親しくなり、今少しずつお互いについて知ってきたという状態です。EPIK HIGHのTABLOさんともそういう風にして親しくなりました。とても自然に、お互いに負担をかけないことが良いと思います。

この話をする理由は、たまに誤解される方がいるからです。僕は元々こういう性格ですが、見た目はとても愉快で人見知りしないタイプに見えるようです。そこで時々「あの人は私のことが気に入らないのかな」と思われる方々がいますが、絶対誤解しないでください。僕はお酒も弱く、知らない人と話すことが苦手です(T T) 時間の中でゆっくり、自然に知っていきましょう。

NAVER スターコラムの読者の皆さん、いかがでしたか?僕の話はここまでにしようかと思います。長い話を最後まで読んでくださりありがとうございます。ばたばたと書きましたが、本音を盛り込もうと努力しましたので、大目に見てください。これから梅雨ですが、健康にお気をつけて、いつも幸せでありますように。僕、ポン・テギュを温かい目で見守ってください。

文:ポン・テギュ

「NAVER スターコラム」は、注目の俳優やアイドル、アーティストたち本人がコラムを執筆。話題のスターが直接書いたコラムをお届けしています。

記者 : ポン・テギュ、編集 : ファン・ヨンヒ代表(アジア経済・スポーツトゥデイ)、写真 : キム・ヒョボム(ロードスタジオ)、KEYEAST