ソル・ギョング「『ザ・タワー 超高層ビル大火災』は超大型パニック映画ですか?と監督に聞きなおしました」

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「ザ・タワー 超高層ビル大火災」で帰ってきたパニック映画の代表、ソル・ギョングに出会う

「シルミド/SILMIDO」と「TSUNAMI‐ツナミ」で1千万人の観客を動員した映画を2回も生んだ俳優、ソル・ギョング。超大型映画の象徴ともされるソル・ギョングが今年末、映画「ザ・タワー 超高層ビル大火災」で戻ってきた。

同映画でソル・ギョングは、クリスマスイブに都心の超高層ビルで起きた火災を鎮圧する消防隊員のカン・ヨンギを演じた。カン・ヨンギは、消防士としての使命を最優先に考える人物で、2時間の間ずっと映画の中心的な役割を担い、危機に陥った市民を助けるだけでなく、最後に自身にも絶体絶命の瞬間が訪れた時、長い間一緒に生活しながらも「愛している」と言ってあげることも、クリスマスにケーキを買ってあげることもできず、苦労ばかりさせた妻に音声メッセージを残す部分は、彼以外の人が演じるなど想像もできないほど強い印象を残した。

「“超大型パニックムービー”と広報されていることを見て試写会の後、キム・ジフン監督に電話し『これ、超大型パニックムービーでしたか?』と聞きなおしたことがある。この映画は、ある消防士と彼が置かれた状況の中での人物像、そしてその中で展開されるストーリーが良くて選んだ作品でした」

ソル・ギョングは「ザ・タワー 超高層ビル大火災」のために消防訓練を受けたことはもちろん、熱い夏に実際の火炎と媒煙を体験し、その後溢れ出る強い水を体で受けるなど、熱演を見せた。それにもかかわらずソル・ギョングは、映画界の先輩らしく淡々と「僕が選択した作品だから熱心にするのは当然だ」とし「俳優はそれでもたくさん保護される方だけど、撮影しながら危険と隣り合わせの瞬間が多くて、逆にスタッフの安全がもっと心配になった」と語った。

“義理堅い俳優”ソル・ギョングの人間関係は?

ソル・ギョングは、映画界でも義理堅い俳優として有名だ。親しい知人と後輩がいれば気楽な場を設け、映画監督に紹介してあげる義理堅い俳優であるわけだ。

そのうち、後輩のキム・イングォンは、ソル・ギョングと3本の映画で共演した。映画「虹鱒」をはじめ、「TSUNAMI‐ツナミ」「ザ・タワー 超高層ビル大火災」まで。特に、ソル・ギョングはユン・ジェギュン監督とともに「TSUNAMI‐ツナミ」に関して話していた時、キム・イングォンを推薦し、最終的に映画に合流することになった。そして、その縁が「ザ・タワー 超高層ビル大火災」まで続いているという。

また、彼は映画「ペパーミント・キャンディー」で初めて会ったイ・チャンドン監督とも熱い友情を維持している。無名に近かった彼を“映画界の新発見”としてスターに育て上げた人がイ・チャンドン監督だ。

1999年10月14日に行われた第4回釜山(プサン)国際映画界の開幕作だったイ・チャンドン監督の映画「ペパーミント・キャンディー」でソル・ギョングは、善悪が共存する狂気を帯びた名演技で“1999年、韓国映画が見つけた最高の収穫”と絶賛され、映画界を代表する演技派俳優となった。その後もソル・ギョングは、イ・チャンドン監督と縁がある作品に特別出演するなど、力を添えながら義理堅い姿を見せ続けている。もちろん、ノーギャラだ。

「イ・チャンドン監督と作業をすれば、現場の雰囲気がなんとも言えないほどぐっと……まるでプレス機械で押されているような感じです。ずっと頭がずきずきするし、撮影が終わっても終わったような気もしないし、家に帰ってからもずっとその考えだけです。超大型映画の撮影も難しいですが、イ・チャンドン監督との作業は、あまりにもきついです。
それにもかかわらず、また一緒に仕事がしたいです。ずっと考えさせられたり、悩まされたりするので俳優としてはより一層成長できるきっかけになると思います。『オアシス』以来何回か機会がありましたが、まだ一緒にする機会に恵まれませんでした。監督が呼んでくれれば必ず一緒に仕事がしたいと思います」

展開の早い作品をしたので、今度はゆっくりとした展開の作品がしたい

ソル・ギョングは、イ・チャンドン監督に対し“巨匠”という表現を惜しまなかった。韓国映画界の真の巨匠だということだった。作品の完成度、そして実際に上映された時、評論家たちが高く評価するイ・チャンドン監督。現場では、どんなスタイルなのだろうか。
「振り返ってみると、『ペパーミント・キャンディー』のとき、本当にどうやって撮影をしたのか分かりません。線路に立って撮影しているのに汽車は近づいてきているし。それにもギリギリの瞬間まで、最後まで撮影する方です。自身が望んでいたシーンが出る時まで。今思うと、まさに危険と隣り合わせの状況でした。現場では、俳優とずっと色々な話をする方です。静かに丁寧に、粘り強く話します。次々と質問が出ます。1次的な答えではなく、2次、3次以降のより深いところまで聞いてみてそれを作品に反映したいと思われる方です」

「ザ・タワー 超高層ビル大火災」の公開と共に広報インタビューを熱心にしているソル・ギョング。彼は現在、チョン・ウソン、ハン・ヒョジュとともに映画「監視」を撮影している。「チョン・ウチ 時空道士」「僕の妻のすべて」など、次々とヒット作を出したヒット作メーカーのイ・ユジン、映画会社「ZIP」の代表作品である。

「『監視』の撮影に夢中になっています。『あいつの声』以来、再び映画会社『ZIP』と一緒にすることになりました。期待してもいいと思います。次回作はまだ決めていませんが、今回はスピーディーで展開の速い作品をしたので、これからはゆっくりとした展開の映画がしたいと思います」

記者 : イ・ジョンミン、チョ・ギョンイ 写真 : イ・ジョンミン