「太陽を抱く月」に「ゴールデンタイム」まで、すでに熾烈な戦いの“MBCドラマ大賞”

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写真=MBC
“ドラマ王国”の名声を再び取り戻したMBCで、どの俳優と作品が年末の授賞式の主人公になるのか、今から期待が集まっている。MBCは昨年から大賞を俳優に贈らず、作品に与えるドラマ大賞に変更した。俳優たちの演技力以外に演出、脚本など作品の全体的な完成度が重要視されたことで、ドラマ大賞を受賞するための戦いはさらに熾烈になった。

◆ドラマ「太陽を抱く月」&「ゴールデンタイム」 ― 「光と影」&「キング~Two Hearts」

今年のMBC最高の人気ドラマは、“国民ドラマ”として大ヒットした「太陽を抱く月」だ。朝鮮時代の仮想の王イ・フォンと秘密に包まれた巫女ウォルの切ない愛を描いた作品で、俳優キム・スヒョン、ハン・ガイン、チョン・イルが絡み合う愛を表現した。主人公たちの子役を演じた俳優ヨ・ジング、キム・ユジョン、イ・ミノは、若い年齢にも関わらず抜群の演技力を見せ、序盤の視聴者たちの関心を集めるのに一躍買った。40%を超える視聴率を記録し、ドラマの人気効果で原作小説もベストセラーになった。

「ゴールデンタイム」は、医療ドラマの歴史を新たに作り上げたと評価される名ドラマだ。今までの医療ドラマが主人公たちのラブラインに集中するのに比べ、「ゴールデンタイム」は海雲台(ヘウンデ)のセジュン病院の外傷外科を背景に、韓国の医療システムの問題点を暴くことに集中した。クォン・ソクチャンPDを筆頭にした制作陣の感覚的な演出力に、俳優イ・ソンミン、イ・ソンギュン、ファン・ジョンウム、ソン・ソンミなどの俳優たちが繰り広げるリアルな演技が加わり、ドラマのバランスを完璧に見せた。視聴者たちがよく知らない医療界の現実を、ドラマを通じて問題提起したという点で、また別の意味を与えたドラマだ。

その他、「光と影」は、カン・ギテ役の俳優アン・ジェウクとチャン・チョルファン役のチョン・グァンリョル、この二人の俳優が見せた演技対決が視線を奪ったドラマだ。韓国エンターテインメント産業の歴史に政治的な要素を加え、70~80年代を覚えている視聴者たちの哀愁を呼び起こした。「キング~Two Hearts」は、北朝鮮の特殊部隊の女性将校と韓国の王子の愛という特殊なテーマを扱った作品で、女優ハ・ジウォン、イ・スンギのカップル演技と、ユン・ジェムン、イ・ユンジなどの俳優たちが繰り広げた個性溢れる演技が絶妙な調和を見せた。敏感な問題を“愛”という大きなテーマを通じて描き、重すぎずに表現して視聴者の共感を得た。

◆最優秀賞は誰の手に?

MBCが大賞を作品に与えるようになったことで、俳優たちにとって最優秀賞が受賞できる最高の賞になった。最優秀賞はミニシリーズ部門と連続ドラマ部門に分かれ、男性俳優と女優にそれぞれ授賞される。

男性俳優は、ミニシリーズ部門では「太陽を抱く月」のキム・スヒョン、「ゴールデンタイム」のイ・ソンミンとイ・ソンギュン、「光と影」のアン・ジェウクなどの対決が見られると予想される。キム・スヒョンは「太陽を抱く月」で悲劇的な運命の王を演じて視聴者の心を奪う涙のシーンを見せ、「ゴールデンタイム」のイ・ソンミンとイ・ソンギュンは師匠と弟子の関係で出会った医師という以前に一人の人間である、主人公たちの挫折と苦悩をリアルに表現した。「光と影」のアン・ジェウクは、全64作という大作を引っ張り、愛やアクションなど分野を問わずに体当たりの演技を見せたと絶賛された。

連続ドラマ部門では、「Dr.JIN」のイ・ボムス、「武神」のキム・ジュヒョクが注目の俳優だ。イ・ボムスにとって「Dr.JIN」は、ドラマでは初挑戦となる時代劇だったが、抜群の演技力と高いキャラクター解釈力をベースに興宣大院君を今までの歴史的な解釈とはまた違った雰囲気に表現するのに成功した。「武神」のキム・ジュヒョクは、奴隷から最高権力者の座に就いたキム・ジュンというキャラクターを強烈なカリスマを持つ人物に表現し、自身の演技力を世間に再認識させた。

女優は、ミニシリーズ部門では「キング~Two Hearts」のハ・ジウォンが、受賞する可能性が高いとして一歩前に出ている。ハ・ジウォンは「キング~Two Hearts」で北朝鮮の特殊部隊教官キム・ハンアを演じ、北朝鮮語の家庭教師までつけるほどの努力で、違和感のない北朝鮮語の演技を見せた。また、アクション演技に関して自他共に認める最高のアクション女優らしく、今回の作品でも期待以上のアクション演技を見せ、ハ・ジウォンの価値をさらに高めた。連続ドラマ部門では「Dr.JIN」のパク・ミニョンがイ・ボムスやソン・スンホンなどの俳優の間で自身だけの魅力を見失わず、ドラマの色を際立たせるのに一躍を買った。また、現在放送中のドラマ「メイクイーン」のハン・ジヘも、味のある全羅道(チョルラド)の方言をベースに、紆余曲折の人生を生きるチョン・ヘジュを切なく描いている。

写真=マイデイリー DB

記者 : イ・スンロク