「太陽を抱く月」「ゴールデンタイム」「日曜の夜」など…ドラマは笑い、バラエティは泣いた2012年MBC総まとめ

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写真=MBC
今年のMBCドラマは大きな成果を挙げた。「太陽を抱く月」は他のテレビ局を圧倒する視聴率でブームとも言える人気を博した。特にMBCが自ら制作したドラマが反響を得た。「ゴールデンタイム」をはじめ、「アラン使道伝」「メイクイーン」などが高い視聴率を記録し、MBCドラマ局のプライドを守ってくれた。

韓国で昨年11月から今年7月に渡って9ヶ月間も放送された「光と影」も欠かせない作品だ。アン・ジェウク、ナム・サンミ主演の「光と影」は、最高視聴率が24.1%を記録し、MBCが長期間月火ドラマの視聴率1位をキープすることを牽引した。

「太陽を抱く月」「ゴールデンタイム」ドラマは豊作

「太陽を抱く月」は新記録の連続だった。毎話ごとに番組史上最高視聴率を塗り替え、最終話は42.2%と40%を超える驚異的な視聴率を記録、有終の美を飾った。週末ドラマや毎日ドラマ(月~金曜日に放送されるドラマ)ではない水木ドラマで40%を超える視聴率を記録したのは約10年ぶりのことだ。MBCは「太陽を抱く月」で当分は越えられそうもない記録を手にした。

視聴率はもちろん、作品性まで兼ね備えた作品が続々と登場したのも、今年のMBCドラマの特徴だ。「光と影」は政治的なメッセージを盛り込んだにも関わらず、大衆性の確保にも成功した。MBCが自ら制作したドラマ「ゴールデンタイム」はシーズン制が積極的に議論されるほど大きな成功を収めた。

イ・ソンギュン、イ・ソンミン主演の「ゴールデンタイム」は救命外科の現実をリアルに描いたという評価を受けた。月火ドラマの視聴率最下位からスタートした同ドラマは、話が進むにつれ人気を集め、最終話では15.5%と番組史上最高視聴率を記録して同時間帯の視聴率1位を守り抜いた。「ゴールデンタイム」はテレビ局が自ら制作するドラマの全盛期を知らせるシグナルとなった。

テレビ局が制作するドラマが活性化…「ホ・ジュン」で再び?

「ゴールデンタイム」で力を得たMBCは、イ・ジュンギ、シン・ミナを主演に掲げたドラマ「アラン使道伝」を水木ドラマに編成した。同作品の後半はKBS 2TV「優しい男」に押され、視聴率2位を記録したが、歴代ドラマの中では最高価格で日本へ輸出された。収益を分ける会社がないので、収益はそのままMBCのものとなる。

現在放送中の週末ドラマ「メイクイーン」も底力を発揮しており、今後テレビ局が自ら制作するドラマはさらに勢いが増すと予想されている。来年3月に毎日時代劇として復活する「ホジュン~伝説の心医~」もMBCが制作するドラマだ。

チョ・スンウとイ・ビョンフン監督がタッグを組んだ月火ドラマ「馬医」もヒット中だ。第1話は月火ドラマの視聴率最下位を記録し、イ・ビョンフン監督初の失敗作になるのではないかという懸念もあったが、いらぬ心配であったようだ。時代劇「武神」も平均10%を超える視聴率を記録し、人気を得た。ソン・スンホン主演の「Dr.JIN」の失敗を除くと、今年のMBC時代劇の成績はかなり良いほうだ。

寂しく退場した作品…毎日ドラマの視聴率は半減

しかし、すべての作品がヒットしたわけではない。低い視聴率を記録し、寂しく退場したドラマもあった。水木ドラマは「太陽を抱く月」の後光を浴びることができなかった。後番組だったハ・ジウォン&イ・スンギ主演の「キング~Two Hearts」は第1話の視聴率が16.2%と高く、期待を高めたが、最終話は11.8%に止まった。後番組の「アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり」も9%未満の視聴率に止まった。

特に毎日ドラマは、今年悪夢のような時間を送った。11月初旬、42年の歴史を持つMBCのニュース番組「ニュースデスク」は午後9時から8時に時間帯を変更した。その影響で放送時間が1時間早くなった「あなたなしでは生きられない」は視聴率が半減した。放送終了間近で発生した悪材料だった。後番組の「オ・ジャリョンが行く」も時間帯変更の副作用から逃れられずにいる。

「日曜の夜」シリーズだけで3コーナーが廃止…バラエティ番組は凶作

ドラマが全般的に豊作だったとしたら、MBCバラエティ番組は厳しい一年を過ごした。1ヶ月に5つのバラエティコーナーが廃止されるという、未だかつてない事態となった。今年廃止されたバラエティコーナーは計16個に達する。水面下で議論されている一部のコーナーが廃止と決まれば、その数はさらに多くなると予想されている。

「日曜の夜」は最も多くのコーナーが廃止された番組だ。「日曜の夜」のコーナーであった「僕らの日曜の夜-勝負の神」は11月に平均4%未満の視聴率を記録し、放送開始4ヶ月で廃止となった。「日曜の夜」で今年廃止されたコーナーは計3つで、それぞれ4ヶ月を周期に消えていった。「僕らの日曜の夜-ルルララ」「僕らの日曜の夜-男心女心」「僕らの日曜の夜-勝負の神」の順で現在は視聴者があまり覚えてもいないコーナーが「日曜の夜」シリーズから去っていった。

事実上「日曜の夜」シリーズの危機は代表コーナーである「日曜の夜-私は歌手だ2」(以下「私は歌手だ2」)が業績不振に陥ったことから始まった。「私は歌手だ2」は視聴率と話題性の両方を手にしたシーズン1とは違い、全ての面から番組の質が低下した。歌手との出演の交渉が難航し、出演者の公開募集をするほど名声が落ちた。そのため、実力派歌手が一堂に集まり、世紀の対決を繰り広げるという「私は歌手だ」のフォーマットは“顔なき歌手”を発掘するフォーマットに変更されたも同然な状況に至った。

視聴率がふるわず、「私は歌手だ2」も廃止に関する議論が出ている。廃止説が広がるとキム・ヨンヒプロデューサーは来年春に、「私は歌手だ3」を始めると明かしたが、事実上MBCはシーズン3を制作する予定はないというのが関係者たちの話だ。

過剰な1位主義…プライドだけが傷ついた

MBCが成果主義に執着すればするほど、視聴者はMBCから離れていった。ストライキで主要な人材が業務から離れ、斬新な番組を作ることに失敗した。8月に放送された「ジャングルラブ」は今年のMBCバラエティ番組が持っている問題をそのまま見せてくれた番組だった。

若い男女が奥地で互いの職業や年齢を知らないまま恋に落ちるというコンセプトを持つ「ジャングルラブ」は、制作の段階からSBS「チャクペ~相棒~」と比べられた。その懸念は、現実のものとなった。「ジャングルラブ」は「チャクペ~相棒~」と比べどのような相違点も持ち合わせていなかった。視聴率のためにプライドも捨てたが、得たのは非難だけだった。

たった一日だけ放送され、その後廃止となったパイロット番組「スターロードトーク 明沙十里(ミョンサシプリ)」もSBS「ヒーリングキャンプ~楽しいじゃないか~」と似ていると指摘された。今年のMBCバラエティ番組は他社の人気番組だけを追いかけ、独自のコンテンツを発掘することに失敗した。蔓延した成果主義の影響で、斬新なアイデアは見えなかった。

廃止パレード…「無限に挑戦」は大丈夫?

相次ぐコーナーの廃止でMBCに対する視聴者の信頼度は大きく下落した。9年間もMBCトークショーの看板を背負っていた「ユ&キムの遊びにおいで」が廃止されたのは、制作陣にも視聴者にも大きな衝撃であった。時間帯の変更から番組の廃止まで、すべての過程がテレビ局の決定に左右されていた「お母さんが何だって」も同じだ。

水曜日の看板バラエティ番組「ラジオスター」や「無限に挑戦」がプライドを守ってくれているが、今年のMBCバラエティ番組は酷い凶作であったと言っても過言ではない。カン・ホドンが野心を持って復帰した「黄金漁場-ヒザ打ち導師」も第1回は同時間帯の視聴率1位を記録したが、第2回は視聴率が下落し、懸念も出ている。

廃止とは無関係だと言われている「無限に挑戦」も安心して笑えない一年を送った。毎回二桁の視聴率を記録し、依然と高い人気を博しているが、ストライキで6ヶ月も放送休止となり、危機を経験した。その影響で「SUPER7 コンサート」問題などメンバーたちのチームワークが試されるハプニングも発生した。

記者 : キム・ジヒョン、ソン・ヒョジョン