ユン・ジンソに対する自殺報道への疑問

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女優ユン・ジンソの風邪薬服用をめぐるメディアの態度

女優ユン・ジンソに対して、自殺説が浮上した。囁かれる経緯と過程は、今まで見てきたパターンと似ている。有名女優の憂鬱、人生への悲観で薬物による自殺を図ったというものだ。

女優ユン・ジンソとは去年の映画「決定的な一発」で会ったことがある。明るいトーンで視線を合わせて会話をしていた彼女は、かなり率直で誠実な人のように見えた。友達と行くカフェの話、そして旅行計画について話し合い、インタビューは楽しい雰囲気で終わった。

しかし、28日事件が起きた。女優ユン・ジンソの風邪薬服用をめぐる記事を見て、女優ユン・ジンソよりも、逆に最近のメディアの報道姿勢を心配するようになった。ちゃんと生きている人に対して“自殺”と報道するのは、誰のための記事なのか、その意図を疑わざるをえない。

ユン・ジンソのマネージャーと電話をした。彼も残念な気持ちを打ち明けた。記事を見て残念だったという記者の言葉に「そこまで残念に思ってもらうほどではないんですけど……」と答える。ユン・ジンソさんの状況のためではなく、記事が残念だったと言うと「あまりにもひどい」と愚痴をこぼした。

ユン・ジンソの病院行きを最初に報道した記事を見ると、最初の取材者は当時状況を収拾していた警察のように見える。マネージャーも「記者さんが警察から聞いたと言っていたが、警察は病院にいくところまで見て、ユン・ジンソが覚めたのは見ていない。医者も特に問題ない状況だと言っていた」と述べ、事件が誤って伝えられるいう可能性について述べた。

マネージャーの説明を聞いても、また他の取材者から出た記事を見ても、ファクト(事実)そのものには問題がないように見える。知られた通りに、ユン・ジンソはアメリカ旅行から帰ってきて、時差により睡眠をとれなくなり、1日分の風邪薬を服用した。そして眠りに落ち、周辺の人々によって病院に運ばれたのである。

ある人は、ユン・ジンソが残した文章を引用しながら「寂しい、悲しい」という文章が(自殺の)証拠ではないかと反論するかもしれない。しかし、それはあくまで推定である。百歩譲って、仮にユン・ジンソがそのような感情で薬物を飲んだとしよう。だとしても「自殺試み」という報道が正当化できるのかについては、疑問だ。それは何を、そして誰のための記事なのか?事実の報道?そのような事実を知らせる必要があるのかも、やはり議論が必要になると思われる。

現在、ユン・ジンソは非常に健康であり、今日中に退院する予定だという。彼女のマネージャーは、依然として記者たちから電話が殺到し、退院有無を確認できていない状況だという。このような騒ぎで女優のニュースを聞くよりは、女優の良い作品と良い価値観を伝えることを人々は願っているのではないだろうか。

記者 : イ・ソンピル 写真 : イ・ジョンミン