Vol.1 ― SHINee「僕たちは夜行性、夜になると活発になります」

10asia |

「TypeAも買ってください(笑) TypeBは僕たちが直接撮った写真がたくさんあって、ビジュアルの完成度はTypeAの方が高いです」SHINeeをインタビューする日、メンバーのキーは「10asia」の取材チームが持参した彼らのアルバム「LUCFIER」を見てTypeA・B(彼らのアルバムは写真の内容によってA・Bのふたつのバージョンに分かれている)の違いに関して話してくれた。2枚目のミニアルバムの「ROMEO」を作る時から今回のアルバムの準備にとりかかり始めたという彼らは、歌うことをはじめ、ダンス、スタイリング、そしてアルバムに使う写真まで、制作のすべての過程を細部にわたり経験した。その時間はいま現在のSHINeeに多大な影響を与えたようだ。アルバム1枚の制作を通して彼らはアルバムが作られる過程を理解し、「矢(Quasimodo)」のようなバラードから「LUCIFER」のようなダンスナンバー曲まで、すべての曲を自分たちのハーモニーで作り上げるほど、グループとしての自分たちの色を見つけ出した。それは今すぐ、人々にアピールするには心もとないかもしれないが、“音楽をしているグループ”として、彼らにとっての今後数年の力となる大切な財産なのかもしれない。アイドルとして、ミュージシャンとして、今を生きている若者たちが今この瞬間の音楽と夢について語ってくれた。

―早速アルバムの話から始めましょう。アルバムで最も気に入っている曲は何ですか?

キー:「Electric Heart」です。Hitchhiker(ジヌ)さんが作ってくれた曲ですが、今回のアルバムでなかったら、このようなジャンルの曲を入れられなかったと思います。

オンユ:不思議な感じですよね。僕は「Your Name」です。僕が作詞しました(笑)

ジョンヒョン:僕は「慾(Obsession)」です。

一同:(笑)

ジョンヒョン:あ、僕が歌詞を書いたからでもありますが(笑) 元々好きな曲です。録音して結構時間が経っている曲ですが、この曲に対してのみんなの反応も良かったですし。

テミン:「Life」です。落ち着いたバラードですが、元々落ち着いて静かな曲がとても好きなので。


「メンバーそれぞれをありのまま認めるようになりました」

―ミンホさんはひょっとして「悪(Shout Out)」ではないですか。あまりにも迫力あるダンス曲だから“炎のカリスマ”というミンホさんのスタイルにバッチリ似合うと思いますが(笑)ラップも多いし。

ミンホ以外のメンバー:悪!悪!

ミンホ:何だよ(笑) 違いますよ!僕は「LUCIFER」です。

―なぜこれを聞いてみたかというと、今回のアルバムがフルアルバムでもあって、13曲すべてが新曲として収録されているからです。最近ではめったに見られないことですし、アルバムを作る過程自体も皆さんにとって有意義だったと思います。

ジョンヒョン:そうですね。以前より、アルバム制作により深く参加して、ディレクターの方々とたくさん話し合って作り上げたアルバムでした。

キー:所属事務所から、今回のアルバムに以前のアルバムの収録曲を入れないという話を聞いて、とても嬉しかったです。最近のフルアルバムには以前のアルバムの収録曲が結構入っているでしょう。そうするとアルバムの方向が僕たち考えている方向と違ってくるかもしれないから。

―特にアルバムに収録された曲のジャンルは様々ですが、メンバーのハーモニーでアルバムの一貫性を保ちましたね。そのためにはメンバー同士、お互いに息を合わせる時間が必要だったと思います。

ジョンヒョン:はい。メンバー全員が曲に対して理解しなければならなかったので、歌詞の解釈やビートを感じたりなど、曲ごとにディレクターとたくさん話し合いました。そして録音する時は5人が一緒に録音ブースで録音するのではなく、録音前に先に歌ったメンバーの歌、ボーカルスタイルを聞いてから歌います。コーラスも前のメインボーカルのボーカルに合わせてコーラスを入れて、ビブラートの長さも他のボーカルと合わせなければならないので、常にお互いの歌を聞きながら、息を合わせていきました。

キー:どうすればいいのか、聞けば分かりますし。それにハモリが合わなかったら、自分のせいだから(笑) メンバーそれぞれに合う曲があって、それをお互いが分かっているから理解し合っている部分もあります。言い争う必要がないんです。練習する時、一度も僕たちの意見が分かれたり、曲が合わず苦労したりしたことはありません。5人の色がそれぞれ違うから溶け込むことができたと思います。

オンユ:ディテールに合わせる時は呼吸ひとつひとつ、どこを指標にして歌うかなどに気をつかいながら合わせます。特に「僕がここでこうするから、ああするから」ではなく「お前がここを歌って、俺はこの部分を歌うから」という風に話し合います。

―それは音楽よりむしろ生活の問題だと思います。お互いを理解しているからこそ、ハーモニーを入れる時もお互いに対して理解できるんだと思います。

キー:僕たちは何かが起きるたびにお互いに頼ったりするタイプではないけど、話すべきことは全部話します。言い争いがあっても、それをずっと引きずらないし、後味が悪くならにようにします。もちろん5人が一緒に暮らしているから、言い争いがないわけではありませんが、喧嘩したり、お互いの心を傷つけ合ったりはしません。そうやってお互いに合わせていきます。

ジョンヒョン:気をつけていれば大丈夫です、練習する時は、集中できるように。休む時は別々に休んでも、集まってやる時は集中して!(笑) 僕たちのグループが特殊なのかもしれないけど、仕事とプライベートをかなり分けています。それがより良い影響を与えているようです。合宿所で特別なことがなければ本当に静かに過ごしてますし、みんな、お互いのありのままを認めるようになりました。

オンユ:休戦地域ですね(笑)


「『LUCIFER』のステージは最初、不可能だと思いました」

―それと共にお互いに影響を受ける時もありますか?以前会った時、ミンホさんはサッカーが好きで、キーさんはショッピングが好きで、お互いに違っていたけど最近はどうですか?

キー:2年前は単純でした。高校2年生の時だったから。「俺と違う」としか考えなくて、それに対しての長所を探せなかったですね。それが2年くらい一緒に住んでみたら自分とは違うけど、見習うところがない訳ではないと気づいたんです(笑) むしろ互いに似てたら喧嘩ばかりしたかもしれません(笑)とにかく、何か……見習うことはありましたか?(笑)

ミンホ:喧嘩しません(笑) 僕たちが一緒に暮らしてもう3年になりますが、最初、キーを見たとき「アイツは俺と合わないタイプだな」と思う部分も多かったです。だけど一緒に生活しながらキーという友達に出会えて、理解すればするほど、違う面も見えてきて、お互いにもっと気をつかったりしながら理解できるようになりました(笑) たとえば、キーは自分のスタイルで服を着るけど、僕が服を買う時、どんなスタイルが良いのかアドバイスしてもらったりもします。音楽もそうです。お互いの好きな音楽を聴かせ合って、この歌が良いと勧めたりして。もっと良い方向へ行くよう、お互いに高め合っているようです。

―そのようなメンバーの生活が一番表れているのが「LUCIFER」のステージだったと思います。ハーモニーも合わせなければならないし、中盤、叫びながら大声で歌う部分もあって、振り付けもきっちりと合わさなければならないし(笑) それぞれのメンバーが忙しい状況だったのにどうやって練習したんですか?

テミン:今回分かったことがそれでした。人間やればできるようです(笑) 迫ってきたら、よく分からなくてもやるしかないんです。実は僕たちも不可能だと思っていました。

オンユ:やればできるんです。

ミンホ:最初振り付けを練習して、もう一度ライブの練習をしたけど、ビックリしました。これはマズイ。できない。もし、できなかったら機械音をいっぱい使おう、って(笑)

キー:体調が悪いと言って仮病を使ったらどうかな(笑)

ミンホ:だけど、不思議に二日経ったら、慣れてきて大丈夫でした。結構良いなと思えて、三日目に練習した時は「これはいけるぞ」と思いました。それで「あ、練習すればできるんだな」と理解しました。

テミン:僕はミンホ兄さんが怪我をして「出発!ドリームチーム」に出演するために公開一週間前に香港へ行きました。行く前までみんなダメだと諦めていたし、僕も「この状態だと無理だ」と心配しながら、香港へ行きました。ところが戻ってきたら、みんな、振り付けや歌がまとまっていたんです。これはどういうことだと思いましたね。本当に(笑)

ジョンヒョン:アルバムを準備した時は所属事務所に2時くらいに行って、合宿所には夜中の12時過ぎて帰りました。その時ずっと一緒に練習しました。ミュージックビデオを撮った後は、振り付けの練習ができていたので、ライブの練習を始める感じでした(笑)

ミンホ:ミュージックビデオの撮影前の1ヶ月間はほとんど事務所で生活している感じでした。


「お互いに慣れてきて、放送もさらに面白くなりました」

―チームの雰囲気も変わったと思います。KBS「夜行性」に出演した回を見ましたが、以前よりもっと活発になっていると感じました。

テミン:僕たち本当に夜行性なんです。夜になったらもっと活発になります(笑)

ミンホ:今回活動しながら感じたことだけど、前はテレビ収録をすることに慣れていなかったみたいです。若干、緊張していた部分もあって、テレビに対して分からなかった部分が大きかったです。だけど2年が経ち、何度もモニタリングして、他の収録で他の人がやっていることも見ながら、テレビに対して気が楽になったようです。元々、僕たちの雰囲気が控え室でも車の中でも、いつも笑っているような感じなので「夜行性」でありのままを気楽に見せたことが、視聴者の方々に楽しく受け入れられて、とても感謝しています。

ジョンヒョン:今リアリティー番組の撮影をしなければならないのですが(笑)、お互いに慣れたことが一番大きいと思います。

―「夜行性」でキーさんを見たら「夜行性」の3回目に出演したオンユさんがした行動に対して何か話したようですね。みんなチェックをしてあげているんですか?

ミンホ:チェックというほどではありません。決まってはないんですが、面白いと言ってくれた時に欠かさず見たり、偶然に見たり、インターネットで見て「あ、放送したんだな」と思ってちょっと探してみたりして。全部はできません。

―ミンホさんはKBS「出発!ドリームチーム」で先輩たちに会った時はどうですか?

ミンホ:僕がいつもいちばん年下です。他のアイドルが出演しても、僕より年上の方々が出て、だから、最初はどう振る舞えばいいかが少し難しかったです。分からない部分も多くて。だけど、時間が経てば経つほど楽になった部分もあって。僕がレギュラーなのを分かっているから。「君、テレビで見たけど、この前の活躍は凄かったね」と気軽に話しかけてくれる方たちもいて、気楽になっています。ある番組でレギュラーになれたら、多くの人々に知られるようになるから、こうやって色んなことが経験できるから嬉しいです。

記者 : カン・ミョンソク、写真 : チェ・ギウォン、編集 : イ・ジヘ、翻訳 : チェ・ユンジョン