Vol.2 ― BIGBANGのV.I 「僕は馬のように前に突き進むタイプ」
10asia |
最近、SBS「夜になれば」でBIGBANGのT.O.Pがチームの末っ子であるV.Iの憎たらしい姿をモノマネしながら暴露した。そして、彼より前にG-DRAGONがSBS「強心臓」でV.Iに裏切りの真相を尋ねた。その日、G-DRAGONはBIGBANGのメンバーたちが行方をくらまそうと計画したことがあるが、V.Iがそのことをヤン・ヒョンソク社長に伝えて失敗したエピソードを話した。それに対し、V.Iは自分とヤン社長との取引を打ち明け、大きな話題を集めた。V.Iの口から他のメンバーに関する話が出たり、他のメンバーがV.Iの話をしたり。このようにBIGBANGというスターアイドルのプライベートは、V.Iという“通路”を通し、多くの人々に伝わる。彼のソロ活動に関する話も、やはり彼の基盤となるBIGBANGに関する話に繋がった。
―V.Iの色というのはどんなもの?子供のころからYGで成長したG-DRAGONやSOLのようなメンバーの色とは違うと思うが。V.I:僕の場合は様々だが、ひとまずポップ的な要素が強い。SOLさんは黒人のR&Bが好きで、D-LITEさんは正統派バラード、T.O.Pさんはヒップホップで中でもダーティサウンド、G-DRAGONさんの場合は非常に幅広い範囲の音楽を好むが、僕は白人の音楽が好きだ。ジャスティン・ティンバーレイクが好きだし、NSYNC、Backstreet Boysなどのボーイズグループも好き。
ただ、僕はYGに属する歌手だから、ソロアルバムのほとんどの曲をR&B調で歌った。もし、YGのスタイルからかなり外れて歌ったら、多くの人が気に入らなかったと思う。“YG所属のBIGBANGのメンバーV.I”に期待する部分というものがあるから。
「G-DRAGONに『この曲、おまえが作ったの?』と聞かれた」
V.I:そのためにレコーディングの時、IUさんにもR&Bスタイルを要求した。普段彼女が自分の曲を歌うときとは違う、YG独特の感じが必要だと思ったから。
―IUにとっては少しやりづらい環境だったかもしれないのに、今が旬の人気女性歌手にどうやって交渉したのか。
V.I:ほぼ脅迫に近い交渉だった。(笑) 3年ほど前から知り合いだったので、「君のために甘いデュエット曲を作ったから、録音しに来て」と話した。曲があまり良くなかったら歌いたくないと言われたかもしれないが、IUが曲を聞いて気に入ってくれたみたいで、デュエットで歌うことができた。結果的にうまく仕上がった。
―作曲とプロデュースだけでなく、IUとの曲のようにコラボが目立つ曲もあるが、そういう曲はどのように意見を調整したのかが気になる。特に「窓を開けて」の場合はG-DRAGONさんがラップをしたが。
V.I:「窓を開けて」の場合、最初はPSY兄さんにフィーチャリングを頼もうと思った。曲の中に息の音を入れたりして少しセクシーな感じを出したかったから。でも、PSY兄さんがやったら19歳未満の未成年は聞けなさそうな感じに仕上がるかもと思って。「僕の部屋のドアを開けて、入ってきて」という部分が。(笑)
それで悩んでいたとき、G-DRAGONさんが朝の5時くらいにGD&TOPのプロモーションビデオを撮り終わってヘトヘトの状態で帰ってきて。ヤン社長が「じゃ、G-DRAGONがやって。そんなに時間かからないでしょう」と言って家に帰った。G-DRAGONさんは本当に疲れていたはずなのに、3時間かけてラップを完成させた。眠かったせいか、ラップが夢幻的で妙な感じになった。(笑) 非常に良く仕上がったと思う。
―それで、G-DRAGONさんに何と言った?
V.I:「やっぱG-DRAGONはさすがG-DRAGONだね」。(一同、笑)
―そしたら、G-DRAGONさんは何と答えた?
V.I:「おい、兄さん~!」と言った。(笑)
―そのように、本人の色とYGの色をミックスしてアルバムを作り上げたが、YGの中ではどんな反応だったのか。
V.I:ヤン社長が非常に驚いていた。感情表現はあまり大きくない方だが、歌を聞いた後、「これ誰が作ったの?」「V.Iが…」「歌詞だけ?」「メロディーも…」「え…と…これと似ている曲なんかないよね?」と言っていた。(笑)実を言うと、僕も不安だった。曲がすらすらと頭の中から出てきたから、無意識にどこかの曲から持ってきたんじゃないかと思えたりもして、似ている音楽を探してくれるアプリケーションをチェックしてみたくらい。G-DRAGONさんもかなり驚いたみたいで、「これ誰が作ったの?」「僕です」「これも?」「はい」「これは?」「僕が…」「この曲はなかなかうまくできたけど…おまえが作ったんじゃないだろ?本当におまえが作ったの?」と聞いてきた。
―そんな反応をされたのはどの曲?
V.I:「Magic」という曲を聞いて、本当に僕が作った曲なのかと聞かれた。SOLさんやG-DRAGONさんが毎日のように聞いている曲でもある。聞きながら、「曲はいいけど、おまえが作った曲だから少しイラッとする」と言っている。(笑)その意味を知っているから、僕的には嬉しい。
―そうやって以前もメンバーたちからV.Iさんの何かを認められたことがある?
V.I:ほとんどなかった。メンバーの兄さんたちもヤン社長も僕の扱い方をよく知っているから。(笑)僕はたくさん認めたり褒めたりすると、図に乗ってしまう性格であることをみんなよく知っている。今回のソロ活動も、初ステージの翌朝にG-DRAGONさんから30行ほどのメッセージが来た。モニタリングをして書いてくれたものだが、彼女にもそんなに長いメッセージは送ったことないと思う。(笑)表情やジェスチャー、視線の処理、衣装、歩き方などがどうだったかに関して、非常に細かく書いてくれた。僕は嬉しかったし、幸せだった。指摘してくれる人がいなかったら、イケてないまま活動を続けたはずだから。
実際、僕の会社の人々はそういう面ではものすごく冷静だ。歌手に「最高だ」とか「素敵だ」ばかり言わず、あまり良くないと思ったら「あんまりだった」と素直に言ってくれる。そして、僕は彼らの言う通りだと思っている。
「僕は愛想では国家代表級」
―その分、彼らのモニタリングについての信頼は大きいと思うが。V.I:ほとんど全てを受け入れるが、30行の中で5行くらいは受け入れない。僕にもこだわりがあるから。たとえ、背が低く見えると言われても、僕がどうにかできる問題ではないじゃない。もともと僕の背はあまり高くないから。それに、顔が長いほうだから、テレビの画面では実際より低く見えたりもする。でも、(靴の)中敷で解決できる問題ではないと思うから、僕のスタイルを貫く。
―メンバー間で行われるモニタリングとフィードバックを見たら、BIGBANGというグループは単なる兄と弟の関係とは違うように思える。
V.I:公私がはっきり区別されていると見たらいいと思う。仕事面ではリーダーの役割がはっきりしていて、4人の意見をリーダーに渡したら、リーダーが承認するという仕組みになっている。しかし、プライベート面では気楽な関係だ。BIGBANGのメンバーほど、人間味あふれる人は他にいないと思う。毎日がシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)のようだ。T.O.PさんやG-DRAGONさんと僕は一緒にお酒もよく飲むし、D-LITEさんやSOLさんとは教会に通っているから一緒に聖書の勉強をしたりする。
しかし、仕事のときは冷静になる。たとえばT.O.Pさんの場合、G-DRAGONさんが作ったラップがあっても、自分が作ったラップの方が曲に合うと思ったら、それでやりたいと言い出す。そしたら、G-DRAGONさんもT.O.Pさんの意見を尊重して、そのラップを入れてやってみる。でもG-DRAGONさんのラップの方が似合うと思ったら、また変える。そんな風にやっているため、BIGBANGの音楽は僕たち5人が本当にやりたいこと、聞きたいと思う音楽になっている。
―そんな仕事面でのこだわりや尊重が、もうすぐ発売されるBIGBANGのニューアルバムでどんな風に調和するのか気になる。1人が中心を取って引っ張るか、それとも5人の共通点を強調するか。
V.I:白い画用紙に赤、青、黒、緑、紫を塗ったら、それ自体が作品になる場合ってあるじゃない。BIGBANGがそうだと思う。ハッキリ分かれた5つの色ではあるけれど、それでどんな絵を描いても格好良い絵になるみたいな。
―不思議なのが、5人の個性がそれぞれかなり強かったら、チームとしての相乗効果が出にくい場合が多いが、BIGBANGはちゃんと出ている。
V.I:G-DRAGONさんがメンバーたちの個性をうまく交ぜ合わせているからだと思う。例えばT.O.Pさんの場合、声が独特なので彼の声だけ浮いている時があるが、そういうのをG-DRAGONさんがキャッチして調整する。また、他のメンバーたちの個性が強いため、僕はあまり目立たない場合が多いが、そういう時に僕が目立つようにしてくれる。そうやってG-DRAGONさんがチームの中心に立ち、リーダーの役割をちゃんと果たしているからだと思う。
―そういう公的な部分で、G-DRAGONさんがリーダーの役割を果たすとしたら、BIGBANGのプライベートを人々に伝えるのは、チームの末っ子であるV.Iさんの役割だ。自伝エッセイ集でも明かしたが、BIGBANGのメンバーたちは人見知りでメンバー同士でいることが好きと言った。しかし、V.Iさんは少し違うと思う。
V.I:僕は愛想では国家代表級だ。好奇心が強くて、人に会ったら声をかけてみたくなるから。
―そういう立場から、最近SBS「夜になれば」でT.O.PさんがV.Iさんを題材に話したことはどのように見たのか。
V.I:悪くないトークだったと思う。僕たちの中で“V.Iアカデミー”という講義があるが、T.O.Pさんが数日前に入ってきてすごく頑張った。G-DRAGONさんもいつ講義を受けることができるかと聞いているし。
―そういうバラエティ向けのキャラクターに関して、会社の反応はどうか。以前、YGコンサートでヤン・ヒョンソクさんの「悪魔の煙」を歌い、「ウンジュ、愛してるよ」と叫んだりもしたが。
V.I:それについては、ヤン社長が「V.Iは本当におもしろい」と言ってくれた。「そんなのやらないで」とも言われたが、本当は嬉しく思ってるから、社長は。
―自分でおもしろいと思ったら、とりあえず大胆に試してみるタイプだ。
V.I:よく試しもするが、違うと思ったらすぐ諦めるタイプ。メンバーと比較すると、D-LITEさんと僕の性格は正反対だ。2人でミュージカル「SHOUTING」の練習をしたとき、おもしろいアイデアが浮かんで「兄さん、これはこうしたらどうでしょうか。とりあえず、やってみて、監督さんが“あまり”と言ったらやらなければいいじゃないですか」と聞いたら、D-LITEさんは「先に話してからやるべきじゃないかな」と答えた。つまり、僕は挑戦を繰り返しながら、馬のように前に突き進むタイプなんだ。
記者 : ウィ・グヌ、インタビュー : チェ・ジウン、ウィ・グヌ、編集 : イ・ジヘ、翻訳 : ナ・ウンジョン