【CLOSE UP】INFINITE ― 7から始まる無限大

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7という数字はとても多い。毎週新しいアイドルグループが野心を持ってデビューして知らぬ間に消える音楽市場では、人々の記憶に残すことは難しく、かろうじて生き残ったとしてもグループを越えて各メンバーの存在を認識させることはそれ以上に大きな課題である。そのような面で89年生まれのリーダーから93年生まれの末っ子まで、ソンギュ、ドンウ、ホヤ、ウヒョン、L、ソンヨル、ソンジョンなど、7人の名前と20才前後の同年齢の青年たちの顔をマッチさせることだけでも相当な集中力を必要とするINFINITEはスタート時点から勝負に出たわけだ。


7つの個性と7人の兄さんたち

しかし、似ている音楽市場の中でも一拍ずつ違う動きは微妙に魅力がある。強烈なギターリフとマイケル・ジャクソンのムーンウォークをアレンジした群舞が印象的だった、デビュー曲「また戻ってきて」がステージの上のINFINITEだとしたら、昨年の4月に放送されたMnet「INFINITE 私のお兄さん」ではステージより先に彼らのキャラクターを見せることに成功した。「女性たちのお願いを聞いてあげたり、ダンスの練習やミュージシャンみたいな姿や、僕たちが喧嘩して涙を流しながら仲直りする場面など、素晴らしいシーンが出来上がると思っていた」(ソンヨル)けど、期待とは違って「私のお兄さん」はまだデビューもしていないアイドルの狭い合宿所に、ある日突然、17歳の“妹”(ユ・ジエ)が入ってくることで繰り広げられるエピソードのリアルなコミック・ドキュメンタリーだった。生まれて初めて妹という存在を持つこととなった7人の“兄さん”は慣れないカメラの前でてんやわんやでご飯を食べたり、お風呂に行ったり、下手な手料理で妹の弁当を作って愚痴を言われつつも、番組の最後に別れる時は涙を流した。

「同じ所属事務所のEPIK HIGHのMITHRA先輩が“カメラの前では自然なのが一番良い”とアドバイスしてくれて、その通りにしました。でも銭湯でメンバーたちが僕の頭にずっとシャンプーを注いだドッキリカメラは僕が見ても本当にバカみたいでした!」底抜けに活気あふれた性格で「私の兄さん」で“ケニア”というあだ名を付けられたラッパーのドンウが泣き言を言ったら、すぐに「僕もまさかと思ったけど、5分も騙されるとは思わなかったよ」と受け流したのは、ダンスに没頭し過ぎて高校1年生の時に学校を辞め、オーディションを受けたダンサーのホヤ。Limp BizkitとMUSEが好きで高校の時からロックバンドの活動をしており、二十歳の時、やみくもにソウルに上京して弘大(ホンデ)で活動したソンギュから、サッカー選手になる夢をあきらめた後スティービー・ワンダーに憧れて歌手になろうとしたウヒョン、役者志望生だったLとソンヨル、弱々しい少女のような容姿とは違って、才能を発揮する、チャンスが来たら全然戸惑わないソンジョンまで、動機も才能もそれぞれ違う人々が集まって作り出すエネルギーは大きなパワーがある。
無口な性格のLが「東方神起は『HUG』の時から好きでした」と真剣に告白したり、兄貴らしく6人の弟の世話をしているソンギュが「NELL先輩と同じ所属事務所なのに、ボーカルの(キム)ジョンワン兄貴の歌の練習を聞いている時は本当に夢のようで、胸がドキドキしました!」と興奮し、ユーモラスでタレント性があふれるウヒョンは「この前、初めてサイン会をしたとき、メンバー別に列があったけど、もし僕のファンが来なかったらどうしようかとすごく心配しました。親でも呼ぼうかと思ったんですけど、運良くその必要はなかったです」と新人らしい心配をするなど、見かけと違う彼らの本音にもとても興味を引かれる。


「1、2、3、新人賞!」

このことから、最近ある放送局のニュースでのある種のアイドルグループに対しての“5秒歌手”(曲中で実際に歌唱しているパートが極端に短い歌手)という批判は、今の音楽市場の中でようやく各自の夢に向かって初めて踏み出す彼らの勢いには、大きな意味を与えないのかもしれない。「アルバムの中に色々な曲があって、歌ごとに似合うメンバーも違っています。『また戻ってきて』ではソンジョンのパートが少ないけれど『任せて』という曲では一番多いんです。これからは多くの方々にこのような色々な姿を全部見せたいです」(ソンギュ) 次に発表する曲「She's back」の活動ではもちろん7人の声が初めて一つになり“1、2、3、新人賞!”と叫ぶ夢もまた、その中のもう一つの過程になるだろう。過去にも現在もそしてこれからも、アイドルが生き残ることは奇跡にも近い確率だが、可能性は常に存在する。無限大がゼロから始まったように。

記者 : チェ・ジウン、写真 : チェギ・ウォン、編集 : イ・ジヘ、翻訳 : チェ・ユンジョン