Vol․2 ― ノ・ミヌ、プロデューサー活動を始動「音楽を作っている時、僕は生きてることを感じられる」

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俳優やアーティストとして活躍し続けるノ・ミヌが8月に来日。Kstyleではそんなノ・ミヌに数年ぶりにインタビューを実施した。

来日時、仲間の応援のためにMCデビューしたというが、慣れない活動に困惑続きだったというノ・ミヌ。後編のインタビューではミュージカル「エリザベート」への挑戦や今後のプロデューサーとしての活動、演技活動への意欲まで明かしてくれた。

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「エリザベート」への挑戦!緊張感と達成感で中毒に

――ノ・ミヌさん自身の近況としては、少し前までミュージカル「エリザベート」に出演されていましたが、いかがでしたか? 実はノ・ミヌさんにミュージカルの印象があんまりなかったんです。

ノ・ミヌ:僕もなかったです(笑)。

――ミュージカルは初めてですか? 「エリザベート」は韓国でも日本でもすごく有名なミュージカルですよね。すごい。大変だったんじゃないででしょうか。

ノ・ミヌ:初めてですね。大変でした。実は、5年前からずっとオファーは来ていたんですけど、なんかミュージカルって怖いなって思っていたんです。「僕ができることじゃないでしょう」と思っていたんですけど、その代表にもう5年もオファーを送ってるんだよって言われて、去年やってみようかなと思ってやりましたが、本当に大変でした。

――何が大変でしたか?

ノ・ミヌ:全部ですね、朝10時から夜10時まで2ヶ月間の練習。そして、ミュージカルの現場では新人なので、年も関係なくて、話し方もそうだし、子供のような扱いになってましたね、全部。水持ってきてとか(笑)。

――そこまで熱烈なオファーがあった理由は?

ノ・ミヌ:今からだとちょうど6年ぐらい前ですけど、「エリザベート」の話があったときに、その代表の頭の中に何人か候補がいたそうなんです。その頃にどこかのバーで僕を見かけたみたいです。その時、僕が酔ってピアノを弾いていて、その時の姿を見て、すごく「エリザベート」に似合うなって思ってくれたそうです。

――それから5年も6年もかけて熱烈なオファーを受けたと。

ノ・ミヌ:その時に台本とかも全部もらって見たんですけど、もともと作家さんがデヴィッド・ボウイを想像して作ったキャラクターだったみたいで、だから衣装も曲もけっこうロックな感じがあったりして、僕の印象や雰囲気に合っていたみたいです。

――ありがたいオファーですよね。

ノ・ミヌ:本当ですね。実際大変だったんですけど、中毒性がすごくて、今年1月までやってたんですけど、もっとやりたいなと。生きてる実感っていうか、緊張感と達成感とかがすごくて。もちろん自分のバンドもそういう実感はありますが、自分のバンドのときは、ライブでファンの皆さんと話したり、ちょっとミスしても笑ったりしてたけど、ミュージカルではそれが絶対できません。僕1人だけの舞台じゃないですし、何十人ものキャスト・スタッフとみんなで一緒にやることなので、厳しくて、1月の最後の日まで、ずっと緊張していました。あんまり緊張しないタイプなんですけど、最後の日も始まる前にちょっと震えたり、公演中ずっと緊張感があったんですけど、終わったあと、またやりたいって(笑)。

――すごい経験をしたんですね。その経験は音楽活動にも生きるんじゃないでしょうか。

ノ・ミヌ:そうだと思います。発声も結構違いますよね。勉強になったし、幸せを感じました。オク・ジュヒョンさんがエリザベートの役だったんですけど、個人レッスンを2ヶ月間ずっとやってくれたんです。全体の練習時間もあったし、その先輩は、「マタ・ハリ」というミュージカルもやっていたんですけど、それが終わって合流して練習をしていました。自分の練習時間を半分にして、僕の個人レッスンで発声とかみてくれたりして、こんなに後輩のためにしてくれるのは、やっぱり僕が同じ「エリザベート」のチームだからですよね。僕が初めてなのは知ってるけど、観客たちはそれを理解してくれないから。同じチームとして同じレベルまで高くしようと熱心に教えてくれました。

――すごい世界ですね。

ノ・ミヌ:怖かったです(笑)。でもまたやりたいです。なんかアトラクションみたいな気分ですよね。怖いけどもう1回乗りたいなっていうそんな気分と似てますね。
 

プロデューサーとしてのオファー「期待にプレッシャーも(笑)」

――そんなファンの皆さんもノ・ミヌさんの新しい音楽活動を待ってると思うんですが、今回新しくワーナーミュージックコリアとの契約もされたとのことですが、近況はいかがですか?

ノ・ミヌ:まず、今のワーナーミュージックコリアに入ってからグローバルなエレクトロニックミュージックアーティスト & プロデューサーを目指しています。自分の音楽活動もしながら、EDMとかそういうジャンルを作ってみましょうという話になって、プロデューサーとしても、いろいろやるつもりです。

――エレクトロニックミュージックアーティスト & プロデューサーになりたいという気持ちは以前からあったんでしょうか?

ノ・ミヌ:もともとそうですね。作るのが好きだから、僕の弟のプロデュースもしましたし。音楽を作っている時、僕は生きてることを感じられるんですよね。なので、ちょうどらオファーをいただいて、プロデューサーとしてタレントの才能をグローバルに出したいですって聞いたときに、ぜひやりたいですって伝えました。

――今後はプロデュースを中心に活動していくのでしょうか?

ノ・ミヌ:もちろん、合間にお芝居もお見せしますが、コアはエレクトロニックミュージックアーティスト&プロデューサーになってほしいっていうお話です。自分が一番できることって、意外とこれなのかな? みたいな感じで受け入れました。グローバルアーティストに成長するためにも、プロデューサーになって欲しいですと言われました。唯一となる何かができないと、自分のカラーが出ないと思いますが、(プロデュースが)実はその中で僕が唯一の存在になれることだとは、思ってもなかったんです。いつかずっと先にプロデューサーになるんじゃないかと思っていたんですけど、思ったより早く来て、今は準備しています。

――そのオファーはワーナーミュージックコリアからきたんですか?

ノ・ミヌ:ワーナーミュージックコリアから来ましたね。

――それはかなりすごい嬉しいオファーじゃないでしょうか?

ノ・ミヌ:嬉しいし、逆にプレッシャーもあります。最近ずっと曲作りしてるので、すごく何か期待されているのがプレッシャーになってきて……頑張ってます(笑)。

――プロデューサーという視点で音楽聴いた時、これまでと何か変わることはありますか? 音楽の向き合い方とか。

ノ・ミヌ:変わったのは契約してからじゃなくて、コロナのときから時間がたくさんあったから、音楽の勉強もやりながら、ずっと考えてたんですよね。本当に長く残る音楽、曲というのは、それぞれのジャンルは違っても何か全部同じポイントがあるんだろうな、と。みんなに聴きやすいとか、耳に残るとか、共通の何かが、それって何なんだろうと。まず曲を出したときにたくさん聴いてもらえるのは、すごい嬉しいことだから、その方法とかずっと考えていたんですけど、最近プロデューサーとして準備しながらも、いつもみんなの耳に残る、好きそうなものはなんだろうとずっと考えてるんです。

――よりアンテナを張ったりしているんですね。ノ・ミヌさんと交流のあるYOSHIKIさんもね、最近プロデュースされましたよね。

ノ・ミヌ:はい。見ました。かっこいいです。
 

演技にも意欲「年を取って出てくる味が欲しい」

――最近韓国でもJ-POPが流行っていますが、最近気になっている日本の音楽はありますか?

ノ・ミヌ:僕はですね、昔の音楽が好きだから、サザンオールスターズとか、最近も「レイニーブルー」(德永英明)とか。この曲は最近まで梅雨だったからよく聞きました。

――以前もインタビューしたとき、「レイニーブルー」って言っていましたね。

ノ・ミヌ:変わらないですね。うん。好きです。あとはあいみょんが好きで聞いています。

――ドラマや映画はいかがですか?

ノ・ミヌ:日本の「THE DAYS」を最近見ました。3日間ぐらい朝まで観てました。本当の話だから、実際にこんなに大きかったんだって。怖かったですね、もう全部観ました。出演されている俳優さんたちもすごく演技がよくて。

――「THE DAYS」は、日本でも実力派の俳優の方々が出演されている作品ですよね。

ノ・ミヌ:そうなんですね。やっぱり違うなと思いました。演技が全然違うと思って、好きでした。集中力ができました。そして、僕は俳優として、いつああいう味が出るのかな、と思いました。あの味って何でしょうか? 男性が年を取って、出てくる味がかっこよかった。

――ノ・ミヌさんは、老けてないからいつ出るかな(笑)。

ノ・ミヌ:僕が20代からずっとこの顔だった理由が、元々老けてるからなんですよね。

――年齢が追いついたと。

ノ・ミヌ:うん、そうだから逆に今は若いって言われてます(笑)。僕が25歳の頃とか、30歳の役が来ていたんです。あのときは何で老けてるのかなとずっと思っていたんですけど。今は逆にかえって若く見える。50代の顔、いつ味が出るんだろうって(笑)。

――それが味かもしれないですね(笑)。ミヌさんにしか出せないのがそれなのかもしれないです。

ノ・ミヌ:なんかちょっと味が欲しいな。ないから、逆にそれが欲しいな。人間は欲張りですね(笑)。

――演技活動も準備していますか?

ノ・ミヌ:はい。真剣に作品を見てますけど、僕自身が普通の役……例えば大学生とか先生とか合うキャラクターじゃないので……。だから、演技するときも視聴者が「先生じゃないじゃん」っていう雰囲気が出てしまうので、いろいろと考えています。年を取りながら自分の色が強くなっているのを自分でも感じてるので、感じてるからこそ自分しかできない役を見せたいと、作家さんとかみんなとずっと話しています。こんなの作ってくださいよって言っています。

――なんだろう、神とかでしょうか(笑)。

ノ・ミヌ:ファンタジーじゃないですか(笑)。……何だろう、ファンタジーはやりたいなと自分も思ってますね。アジアの作品もハリウッドみたいにどんどんクオリティがすごく高くなってるじゃないですか。そういう作品に挑戦してみたいと思っています。

――それでは、最後にKstyleをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。

ノ・ミヌ:今回ファンの皆さんに会えて本当に嬉しかったです。短い時間でしたけど、すごく暑い中、外で待っていてくれたり、応援する気持ちを送ってくれてありがとうございます。最近、10年以上経って、ファンの皆さんへの感謝の気持ちがどんどん深くなっています。僕が日本にあんまり来られなかった分、そしてこれから来れない時間も皆さんのことは忘れることはありません。僕自身も皆さんのことよく知っているので(笑)、いつも感謝しているので。お元気で、僕とまた会う日まで待っていてください。

(撮影:前手秀紀)

記者 : Kstyle編集部