DEAN、音楽で“駆け引き”する

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写真=Joombas Music/UNIVERSAL MUSIC
歌手DEANははっきりしたスタンスを持っていた。彼の言う通り、天の邪鬼のような魅力がありながらも、音楽については真面目だった。早くから音楽に人生の方向性を決めただけに、若いけれど大人っぽく、時には少年のようだった。アメリカデビューに続いて韓国でも正式デビューした彼のすべてが気になるインタビューだった。

DEANは5日、新曲「Pour Up」を発売した。先月の韓国デビューシングル「I Love It」にに続いて新曲を出し、DEANの音楽を知らせている。DOK2に続きBlock B ジコとコラボしたこの曲でもう一度DEANの実力を証明した。

「16歳の時からラップを書き、ホームレコーディングを始めました。遊びみたいにやりました。それでストレスを解消したりもしました。二十歳の時から作曲チームに入って作曲家生活をしましたが、それ以前と以後で音楽に対する態度が大きく変わりました。僕にとって音楽は遊びでしたが、作曲家生活をして様々な試行錯誤を経験しました。今は仕事でありながらも楽しむことができるようになりました」

DEANは歌手で作曲家である。ジャスティン・ビーバーの「One Less Lonely Girl」、EXOの「Growl」などを作曲したシンヒョクが率いるJoombas Musicグループ所属の作曲家で、21歳の若さでEXO、VIXXなど韓国のアーティストのアルバムプロダクションにソングライターとして参加した。アメリカと韓国を行き来しながらプロデューサーとして活動している。

「元々作曲家や音楽家になる気はありませんでした。大学に進学すると思っていましたが、もっと深くのめり込んだことで自然にこちらの道ができたと思います。とにかく、始める時に楽しさを感じるのが一番重要だと思います。実は二十歳の時に作曲家を始めた当初は自信満々でした。著作権料ももらえるし、良かったという感じでしたが、容易なことではないと直感して大変になりました。でも音楽に対する視野も広くなってたくさん考えられる、意味ある時間になりました」

作曲家から歌手として韓国で第一歩を踏み出したDEANは、何より自分がやりたい、好きな音楽に集中する予定だ。彼は現在R&B音楽で好評を受けているが、自分の好きなあらゆる音楽やジャンルで境界なく活動できるようになることが目標である。

実は最初から作曲家、歌手として順風満帆なわけではなかった。今は多くのミュージシャンから好評を受けるシンガーソングライターだが、作曲家として仕事を始めた当初は、彼なりの悩みも多かった。若くして音楽市場で多くのことを経験し、音楽にだけ集中しようという結論を出した。

「僕は自分の音楽が好きです。自分が好きな音楽を作っているのです。自分が聴きたい音楽を作るとき、どうしてももっと真心が入るし、楽しいじゃないですか。聴いている人にもその真心が伝わると思います。最初は『僕の曲はなぜ売れないんだろう』と自惚れがありましたが、様々なことを経験して、音楽本来のものに集中しています」

地道に段階を踏んでいるDEANだ。彼は今、大衆と“駆け引き”をしていると表現する。その中で自分の音楽を1つずつゆっくり表していくというのである。今はR&Bミュージシャンとして知られているが、地位を固めてから彼は“天の邪鬼”みたいに別の音楽を聴かせたいという。1つの色ではなく様々な色をゆっくりと刻印していきながら人々により深く近づいていきそうなDEANである。

「個人的に自分についてゆっくり知っていく魅力があると思います(笑) 今自分の音楽と大衆の関係は“Some(Somethingの略、男女がお互いに好感を持っている段階)”だと思います。あまりにも多くのことを一気に見せるよりは、駆け引きならぬ駆け引きをするのです。自分なりに状況を楽しんでいます。実は自分への愛情が格別なわけではありません。自分らしさを押し通すタイプですが、自分が楽になってこそ人々にも楽に聴いてもらえると思います。真面目でもあってボケているところもあって、矛盾的だし、良く言えばギャップのある魅力ですね(笑)」

アメリカで先にデビューしたDEANはエリック・ベリンジャー、ミラ・J、アンダーソン・パークなど世界的なミュージシャンと作業して注目を浴びた。韓国とアメリカで同時に様々なアーティストとコラボしながら彼の価値を証明している。DEANは韓国とアメリカ市場の違いを置くために歌詞にも気をかけた。

「アメリカで出したシングルと韓国でのシングルは異なります。アメリカをターゲットに出した作品は韓国のそれとはまた異なるのです。“第二のアッシャー”ではなく、唯一のアーティストと言われたくて新しい試みをたくさんした作品です。韓国では歌詞に気を配ろうと思っています。歌詞を見ればイメージできるように具体的な表現をたくさん書きました。おそらくそれが魅力ポイントになるのではないかと思います」

R&Bの新強者DEANは実はバンド音楽も好きだという。特に最近はhyokohのアルバムに惚れて一緒に仕事をしてみたいと述べた。「最近はhyokohのアルバムを楽しみに聴いています。カラー感を失うことなくスタイルも入っています。共通して冷笑的な雰囲気を維持して、様々な形でアーティストとして悩んでいるという感じを受けました。バンド音楽が好きなので、ご一緒してみたいです」

彼の音楽のようにDEANも独特な魅力のミュージシャンである。彼が言う“駆け引き”はDEANの音楽に対する好奇心がさらに刺激された。彼だけの世界を基礎から着実に築き上げているようだ。いつか“DEANのカラー”が大衆化するその日まで、彼の音楽的なこだわりがさらに確固たるDEANの世界を築いていくことを期待したい。

「大げさな目標ではありません。多くの方々に自分のストーリーや自分がどんな音楽をしているか、良くも悪くも聴いていただきたいです。おそらく1stフルアルバムは最初に始めたブラックミュージックを起点にしたものになると思いますが、DEANがR&Bが上手な歌手として知られる頃に天の邪鬼みたいなことをしてみたいです。もっと多くの天の邪鬼ができるように土俵を広げてほしいですね(笑) グラミー賞にノミネートされるのも夢ですが、まずは自分のカラーをはっきりとさせるのが重要だと思います。そのDEANのカラーで大衆化されるのが素晴らしいことだと思います。フランチャイズ店のカフェのように押し進めるのではなく、一つ一つ着実なアーティストになりたいです」

記者 : ソン・ミギョン