「花を咲かせろ!イ・テベク」新鮮な題材、陳腐な設定を乗り越えられるか

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写真=KBS
実在の人物イ・ジェソクをモチーフにしたKBS 2TV月火ドラマ「花を咲かせろ!イ・テベク」が、ベールを脱いだ。

まず、広告業界を題材にした点は新鮮だ。KBSは1999年「クァンキ」で広告を扱ったが、舞台が大学のサークルである青春物だったため、本格的な広告を題材にしたドラマとは言えない。そのため、「花を咲かせろ!イ・テベク」は、広告業界を取り扱った最初のドラマだと言える。

新鮮な題材は、第1話から視聴者の好奇心を刺激するものだった。「広告は都市が吹き出す酸素だ」というイ・テベク(チン・グ)のナレーションから始まった「花を咲かせろ!イ・テベク」は、「都市に住む私たちにとって、広告は誘惑であり、公害であり、芸術であり、誰かにとっては夢だ」という台詞でメッセージを伝えた。

小規模な看板会社で働くイ・テベクは試案を無くしてしまい、大手広告代理店の金山(クムサン)ADから預かった広告看板を勝手に縦向きにしたが、上からの指示で横向きに変えては、再び縦向きに変えるという出来事があった。この過程で、イ・テベクのユニークなセンスを伺うことができた。誰が見ても横向きのほうがいいが、イ・テベクは誰もがやる方法では注目されることができず、広告の役割を果たせないと判断し、これを見た広告主も満足する。

しかし、題材の新鮮さが全てだった。ありふれたサクセスストーリーから脱却できないストーリーには、新鮮味が感じられない。イ・テベクは、これといった取り柄もない平凡な20代だ。留学にも行ったことがなく、面接でもことごとく落ちる。「清潭洞(チョンダムドン)アリス」のハン・セギョン(ムン・グニョン)と似ているようだが、それでもハン・セギョンには、国内コンペでの受賞や成績などの経歴があった。しかし、イ・テベクはユニークなアイデアによって、数多くの挫折や逆境を乗り越え、広告業界の第一人者となる。このようなストーリーは、あまりにもありきたりだ。

主人公である4人のストーリーも陳腐だ。イ・テベクとコ・アリ(ハン・チェヨン)は、かつて恋人同士だったが、コ・アリが留学に行ってイ・テベクを裏切るといった設定は、裏番組の「野王」を始め、ドラマで無数に登場した展開であり、ペク・ジユン(パク・ハソン)とイ・テベクの出会いも恋人としての進展を暗示した。しかも、会社のオーナーの息子であるエディ・カン(チョ・ヒョンジェ)は、能力と条件を兼ね備えた男性として描写された。このような設定は、「屋根部屋のネコ」(2003年)を始めとする数多くの作品で描かれた。

「花を咲かせろ!イ・テベク」は、まだ始まったばかりだ。陳腐な設定だが、まだ登場していないキャラクターであるマ・ジンガ(コ・チャンソク)と彼の息子マ・イチャン(EDEN ヒソン)などの切り札が隠されており、広告業界という新鮮な題材があるため、まだドラマを判断するのは難しい。新鮮な題材が陳腐さを覆い、“ドラマの天才”になれるかどうか関心が集まっている。

記者 : イ・ヨングァン