「ASSASSINS」カン・ハヌル“演技へのプレッシャー?ストレスは必要”

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ミュージカル「ASSASSINS」で活動を再開する俳優カン・ハヌル

「僕は演技をする時にとてもストレスが溜まるタイプです。でも、ストレスを感じることが悪いとは思っていません。演技をする上でストレスは必要なものだと思うし、それがあってこそ、上手くやれます。周りの先輩の中ではいつの間にか演技に慣れ、生計を立てるために演技をするとか、自分ができる範囲内のものだけを演じる方もいるけれど、僕は後になっても演技を容易いものだと思いたくはありません。もっと実力を身につけて成熟した後でも、今と同じように演技への心構えと大変だという思いを持ち続けたいと思います」

90年生まれの俳優カン・ハヌルは、演技への心構えが特別だ。キャラクターと出会い、演技に臨む時、楽しむよりはストレスを感じつつ悩み続ける彼の姿を見ることができる。

中央大学の演劇映画学科に在学しているカン・ハヌルは、ミュージカル界ですでに有名な実力派の新人だ。「スプリング・アウェイクニング」「スリル・ミー」などの作品で、彼の演技力はミュージカル界では定評があり、多数の少女ファンを持つ青春スターでもある。

カン・ハヌルが年末にミュージカル「ASSASSINS」で活動を再開する。「ASSASSINS」は世界的な作曲家スティーヴン・ソンドハイムの代表作であり、1800~1900年代の米大統領の暗殺或いは暗殺未遂者9人のストーリーがベースとなっている。ミュージカルの名曲及び、よく練られたストーリーから、ブロードウェイとウエスト・エンドで今もリバイバルされている作品だ。

韓国でもオ・マンソク主演で2005年に初演され、今回は韓国映画界トップの演技派俳優であるファン・ジョンミンが演出兼俳優として参加し、注目されている。ファン・ジョンミンとカン・ハヌルの他、パク・ソンファン、チョン・サンフン、チェ・ジェリム、チェ・ソンウォン、パク・インベ等、実力派の俳優が多数出演する。

「僕は『ASSASSINS』でバラディアとリー・ハーヴェイ・オズワルドという一人二役を演じることになりました。暗殺者全員が米大統領に反発し、自分の主張を繰り広げますが、バラディアは米国の立場で米国はとても良い国であり、あなたたちが知らないことがたくさんあると主張する人物です。しかし暗殺者らの話を聞き次第に説得され、リー・ハーヴェイ・オズワルドという人物になり、暗殺を犯します」

カン・ハヌルは「ASSASSINS」にキャスティングされ、数ヶ月間、バラディアとリー・ハーヴェイ・オズワルドに夢中になって、朝から晩まで練習に邁進している。ミュージカル界での長い経歴を誇るが、演技練習の誠実度や努力する姿勢については、周りもスタッフも感心するほど熱心だという。

「作品が決まった後からは配役を分析し、その配役を受け入れることに全力を注ぎます。俳優なら誰でも、与えられた役を演じる時、完璧に自分ならではの解釈でこなしたくなると思います。僕もカン・ハヌルが作り出すバラディアとリー・ハーヴェイ・オズワルドを観客に披露するために頑張っています」

特に、今回の「ASSASSINS」は、同じ所属事務所の俳優であり、大先輩であるファン・ジョンミンが演出を担い、話題を呼んでいる。演出家に変身したファン・ジョンミンは現場でどのような姿を見せているのだろうか。

「一般的に演出家は全般的に見渡す役割ですが、ファン・ジョンミン先輩は大きなスケールだけでなく、俳優個々人に対して、演技や感情の面からきめ細かく配慮してくださいます。普通、演出家の先生はスケールだけを提示し、俳優本人が自分一人で様々なことを考えなくてはいけない場合が多くありますが、ファン・ジョンミン先輩とは一緒に深めていくものが多く、俳優の立場からすればとても喜ばしいことです」

慌しくなる年末、クリスマスシーズンになると一般的なロマンチックコメディやロマンスジャンルの大作ミュージカルが中心となる。「ASSASSINS」は米大統領の暗殺をテーマにしており、やや暗い展開を見せるのではないだろうか。

「韓国では2回公演されましたが、暗く描かれた部分が多かったですね。でも、ブロードウェイではコメディ作品として大きな成功を収めた作品です。今回、ファン・ジョンミン先輩が演出を担当し、ブロードウェイで上演されていた時のコミカルな雰囲気を滑稽に描いた部分が多くあります。政治や社会についての暗い内容も明るく風刺しました。面白い台詞も多いですが、社会問題が反映されていて、純粋に笑えない、苦笑いしてしまうような場面も多くあります。笑いもありますが、内容は充実している、そんなミュージカルになると思います」

記者 : チョ・ギョンイ