【スターコラム】チュウォン「僕の彼女たち」 ― Vol.1

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俳優チュウォンは“ある日突然、彗星のように”という表現がぴったりの若手スターである。ミュージカルでデビューした彼は、3本のドラマで主演として活躍し、最高のスターとなった。そして着実に活動の幅を広げていった。人々は俳優チュウォンに対して関心を持ち始め、彼はバラエティ番組でも大活躍し、高い人気を集めている。これから彼と彼の3本のドラマを振り返りたい。マジュンとテヒ、そしてガントとして生きた彼の2010、2011、2012年のストーリーが始まる。/編集者

NAVER スターコラム:チュウォン


2010年6月29日「製パン王キム・タック」“子供のとき憧れた元S.E.S.のユジン先輩が僕の目の前に”

「製パン王キム・タック」は、今振り返ってみると、心の余裕がなかった作品だ。テレビデビューした作品である上、担当した役もドラマの中心人物だったためだ。人物の役柄を設定するときは、主に監督さんや脚本家さんとたくさん相談をするほうだ。実際にこの作品をするときも、脚本家に週に1回電話をかけ、分からないことを質問したり話をしたりした。そして監督とは撮影に入る前にたくさん話したし。実際悪役は役者にとって心理的にも疲れるし、大変な作業だ。だから僕にとってマジュンは意味のある人物だ。

ク・マジュン?

コソン家の次男であり、コソン食品の後継者。優越感に浸っていて刺々しく気難しい性格だ。負けず嫌いで人に負けることは絶対我慢できない。父親譲りのタックに強い劣等感を持ち、それが最後まで彼を不幸にさせ、破局を迎えてしまう残酷だが哀れな男。
マジュンとして生きていたときも、そして今もいつも考えることだけど、演技をするときは“手放す”ことが必要だ。その時の僕は余裕がなく寂しい子供だった。
不安と負担を少しだけでも手放すことができれば良かったのに。

そのとき僕を導いてくれた人はユジン先輩だ。学生の時憧れの対象だったユジン先輩との共演は、まるで夢のようだった。

ファンとして見てきた人と同じ作品に出演することが不思議でならなかった。演技をしながら徐々に知り合っていった時間も忘れられないと思う。ユジン先輩は右も左も分からない僕をちゃんと導いて下さった。多数の作品での経験から得たことをたくさん教えてもらった。憧れのユジン先輩のリードのおかげで、やっと誕生できたマジュンだった。

男女の共演でもっとも重要なのは“配慮”だと思う。そして、何より心を開いていなければならず、劇中の人物になって相手に心を開かないと、演技で視聴者から共感を得ることはできないと思う。
僕は過去の自分の憧れに心を開き、マジュンもそれに応えた。


2011年8月6日「烏鵲橋の兄弟たち」“しごいていた後輩が恋人になる”

「烏鵲橋(オジャッキョ)の兄弟たち」は本当に現場の雰囲気が最高に良い作品だった。スタッフや先生たちはもちろん、先輩や同年代の俳優たちとも息がすごくぴったりだった。そのため、雰囲気も自然と良くなるしかなかった。
テヒとして生きている間、実際にも本当に温かい家族たちに癒されていた。

ファン・テヒ?

気難しく逞しい刑事、ファン家の三男だ。生みの父を交通事故でなくし、母が再婚して、チャンシクとボクジャの三男として育った。頑固でお世辞も言わず、口数も少ない。融通が利かない几帳面で、わがままな人の行動が我慢できない。諦めを知らず、根性と勢いだけは最高!
テヒは気難しく冷静な人物だった。僕はそんな彼を“なりたい人物”と定義する。年上には礼儀正しく、またシニカルなようで純粋な一面を持っている。何より愛する女性のために身を投じられる、個人的には本当になりたいキャラクターだった。

そんな彼に愛の感情を吹き入れた人はユイだ。テヒになった僕は、ガールズグループAFTERSCHOOLで活躍していたユイとラブストーリーを作り上げた。
甘く美しいシーンは、誰より視聴者にきれいに見えなければならないため、そんなところがプレッシャーにもなった。共感を導き、実際にその人物になりきって演技をするのは容易ではないが、テヒを作るために本当にたくさん努力をした。

ユイとは同じ大学の先輩後輩の関係だ。学校に通っていたときから可愛がっていた後輩だった。僕は大学時代、学校にほぼ住んでいたような学生だった。作業して練習して毎日を一緒に過ごしたが、その中の一人がユイだった。どの後輩より頑張る姿を見せてくれた。可愛がっていた後輩と恋人として共演すると思ったら、変な気持ちだった。
大学時代、僕は怖い先輩だった。後輩たちにどこまでも寛大で優しいタイプではなかった。そのためだろうか。「烏鵲橋の兄弟たち」が始まり、序盤までユイは僕に丁寧に挨拶していた。たぶん、ユイはそのときまでも僕のことを接しにくく感じていたようだ。しかし、ドラマが展開するにつれ、僕たちの共演は自然になり、今は本当に仲良くなった。ユイと僕が共演した作品で賞をもらい、視聴者からも良い評価を得たりもしたので、僕も気分が良かった。


2012年5月30日「カクシタル」“子供のような純粋さ”

同じ年頃の俳優たちとの共演だったため、より記憶に残る作品「カクシタル」。一番大きく変わった点は、このドラマをしてからの人々の反応だ。お年寄りから幼い子供たちまで僕を知ってくれて、不思議な気分だったというか。

イ・ガント?

鐘路(チョンノ)警察署の刑事。しぶとくタフな性格の持ち主だ。王が支配する朝鮮ではなく、領主に靴を履かせていた部下が最高の統治者になる国、大日本帝国に忠誠を誓うことを決め、避けられない運命の荒波を越えていこうとする。
ガントは二重生活をしなければならなかった。カクシタルとして、そして巡査として。そのため混乱も覚えた。また、真夏の撮影だったため、とりわけ暑かった今年の夏、制服を着て演技をするのは容易なことではなかった。
それでも何とか乗り切れたのは、スタッフへの信頼、共演する俳優たちとも仲が良かったためだった。作品についてたくさん話し合ったり、本当に楽しかった。このすべてによって暑さを忘れることができた。
チン・セヨンは僕より年下で可愛いく、僕になついて撮影中にいつも笑って楽しく演技をした。高校を卒業したばかりのセヨンは愛嬌たっぷりで、大変な中でもいつも笑顔を失わず、かえってスタッフを元気づけた。

実は、僕はこのドラマで初めて会った。スタッフたちは「カクシタル」の女優のキャスティングをめぐって悩んでいた。ある日、監督がセヨンの写真を僕に見せ、意見を聞いた。僕は写真の中のセヨンを見て、モクダンのキャラクターにぴったりだと思った。

実際に会ったセヨンはさらにモクダンのイメージと似ていた。実際の性格は非常に明るく、時には子供みたいに無邪気だ。女優として第一歩を踏み出したセヨンが、「カクシタル」で見せたようにいつも真面目であればと思う。
明るく真面目なセヨンを先輩たちもとても可愛いがった。それで指導をしてあげることにし、僕も「こうしよう」と話をしながら会話で演技をしていった。
顔だけではなく、心まできれいなパートナーに出会い、そのおかげで僕も輝くことができた。マジュンの初恋、テヒの妻、ガントの純愛に感謝の気持ちでいっぱいだ。

文:チュウォン

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記者 : Kstyle編集部、編集 : ファン・ヨンヒ(イシューデイリー局長)