キム・スヒョン vs チョン・イル、CM市場での熾烈な対決

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写真=広告スチールカット
キム・スヒョンとチョン・イルの場外対決が熱い。両俳優は40%を超える視聴率を記録したMBCドラマ「太陽を抱く月」を率いていた主役たちだ。一人の女性をめぐり、心理戦を展開していた二人はCM市場でも熾烈な競争を繰り広げている。

キム・スヒョンの出演料は昨年と比べ今年は大きく変化した。締結されたCM契約も数十件に上る。化粧品、食品、携帯電話、ジュエリー、コーヒーなど重複出演の議論が広がったほど、精力的なCM活動を展開してきた。また「太陽を抱く月」の放送終了後、チョン・イルも活発なCM活動を続けてきた。

「太陽を抱く月」での競争が現実に

特にドミノ・ピザのCMはキム・スヒョン、チョン・イルの二人の熾烈な競争を明確にした。キム・スヒョンは「太陽を抱く月」に出演する前にドミノ・ピザのモデルとして抜擢され活動していたため、“キム・スヒョン効果”をどの企業よりも早く味わうことができた。

ドミノ・ピザは「太陽を抱く月」が人気を博す兆しが見えるとシン・ソンイルの変わりにキム・ユジョンを抜擢し、キム・スヒョンと共演させた。ドラマを連想させるCMだった。しかし、キム・スヒョンとドミノ・ピザの縁は長くは続かなかった。CM市場でキム・スヒョンブームが始まった当時、キム・スヒョンとの契約が終了した。

ドミノ・ピザはキム・スヒョンとの再契約を諦め、ドラマで彼とライバル関係だったチョン・イルを新モデルに選んだ。またキム・スヒョンと頻繁にカップルとして登場するmiss A スジをモデルに選んだ。予想外の選択だった。なぜドラマでのライバルを後任モデルに選んだのだろうか。

ドミノ・ピザ側はキム・スヒョンとの再契約を諦めた理由を正確に述べることはできないと伝えた。モデルの交代理由も公開できないという。チョン・イル編のCMを制作した広告代理店も「(こちらとしては)広告主の意見に従うので、交代の理由については分からない」と説明した。

ただドミノ・ピザは交代理由の代わりに両モデルの長所を比較してくれた。ドミノ・ピザの関係者は「キム・スヒョンはスマートなイメージがあり、その部分を主にアピールした。また10代から50代に至るまで幅広いファン層を持っているのが最も大きなメリットだ」と説明した。

そしてチョン・イルについては「純粋なイメージがあり、親しみのあるイメージをアピールすることに力を入れた。ドミノ・ピザの若いイメージをアピールできるモデルだ」と説明した。


同じ時期に似たようなCMで“ライバル対決”

ドミノ・ピザのCM以来、二人のCM対決はさらに本格化した。携帯電話のCMはスターたちの通過儀礼とも言える。今年3月、キム・スヒョンはiPhone4のモデルとして活躍した。同CMは袞龍袍(王の服)を脱いだキム・スヒョンの新しい魅力をアピールすることに焦点を当てていた。同CMはいわゆる“チャドナム”(冷たい都会の男)CMと呼ばれていた。

チョン・イルも同じ時期にスマートフォンのCMを撮影した。LTEスマートフォン「Optimus LTE2」のCMだった。チョン・イルとキム・スヒョンのCMは似ていた。両方とも若い青年の魅力を強調していたのだ。「太陽を抱く月」の人気が反映されたCMとして、自然にライバルの構図が形成されたのも事実だ。

二人は同じ時期に似た分野のCMを撮影した。携帯電話だけでなく、化粧品のCMにも同じ時期に出演した。キム・スヒョンは2月にLG生活健康の化粧品ブランドBEYONDのモデルに選ばれた。ドラマでの人気を通じて韓国だけでなく海外にも進出したいという抱負も見えた。

BEYONDの関係者は「キム・スヒョンは20代はもちろん、中高年にまで幅広いファン層を持っているので、アピールできる範囲が広いという魅力がある。特に『ドリームハイ』が中国や日本でも放送されたことに魅力を感じた」と伝えた。

チョン・イルも同じく2月に化粧品のモデルに選ばれた。化粧品ブランドENPRANI(エンプラニ)が新しく立ち上げたブランド「Holika Holika(ホリカホリカ)」のモデルとなったのだ。ENPRANIの関係者は「チョン・イルを選んだのは『太陽を抱く月』で見せてくれた彼の可能性に注目したためだ。ドラマは終了となったが、その人気は簡単にはなくならないと判断した」と伝えた。

ブランド側がキム・スヒョンとチョン・イルを選んだ理由はほとんど似ていた。このように二人は様々な面で似たような道を歩んでいる。二人はアウトドアウェアのCMでも興味深い対決を繰り広げた。キム・スヒョンは7月にスジとともに第一毛織株式会社(CHEIL INDUSTRIES INC.)の衣類ブランドBeanPoleのアウトドアウェアモデルとして抜擢された。

スジはチョン・イルとともにドミノ・ピザのモデルとしても活躍中だ。CMで結ばれた3人の縁も特別なものだと言える。チョン・イルもその直後にアウトドアウェアのCMを始めた。FILA SPORTSがチョン・イルを選んだ理由も、BeanPoleがキム・スヒョンを選んだ理由と似ていた。このCMでも「太陽を抱く月」の人気が考慮されたのだ。


“すでに効果はなくなっているのでは?”一部では冷静な評価も

キム・スヒョン、チョン・イルのライバル構図がいつまで続くのかは分からない。ニューフェイスを好むCM市場の特性上、新しい人気ドラマが誕生すればモデルの交代も素早く行われるためだ。一部では「すでに効果はなくなっているのではないか」との意見が出ているのも事実だ。

匿名を要求した某広告代理店の関係者は二人の代わりになる俳優はいつでも現れるだろうと述べた。第2のキム・スヒョンとチョン・イルが今すぐにでも登場しかねないという。同関係者は二人がCM市場で受けている評価も率直に聞かせてくれた。

同関係者は「最近キム・スヒョン、チョン・イルが似たようなCMに登場しているのは、一時的な偶然。効果も一時的なものに止まる可能性が高い」と伝えた。また「キム・スヒョンの価値がより高く評価されているのも事実だが、あまりにもCM出演が多く、魅力が半減していることも考慮すべきだ」と評価した。

また「二人が長らくCM市場で生き残るためには、第2の『太陽を抱く月』のような作品を多く誕生させる必要がある。頻繁な露出よりは長期的な戦略を選択したほうがモデルとしての生命力を維持できるだろう」と付け加えた。

記者 : キム・ジヒョン