「勇気100倍コンサート」もっと勇敢になれなかったのか

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大学生のための登録金寄付コンサート、いい“趣旨”を活かせなかったのが残念

空高く雲がたなびき、涼しい風が吹いていた9日午後、KBS 2TVお笑い番組「ギャグコンサート」で活躍中の勇敢な奴らによる「勇気100倍コンサート」を観に来た人々で、ソウル新村(シンチョン)にある延世(ヨンセ)大学の露天劇場の入り口の前には長蛇の列ができていた。フランスから来た観光客イザベル(23)さんも交換留学生として韓国に来ている地元の友達とともにアイドルグループBEASTを見るためにペンライトを手にして並んでいた。

「公演の収益金は、全額大学生の登録料として寄付するチャリティーコンサートだということも知っています」

公演開始時刻の午後6時。ステージに張られていた白い幕の後ろから4人のシルエットが現れた。幕が上がると、勇敢な奴らのメンバーのチョン・テホ、シン・ボラ、パク・ソングァン、ヤン・ソンイルが「待ってろ、そして準備しろ」を歌いながら、ステージのセンターに立った。

まだ日が暮れてない時間だったが、会場は一瞬で盛り上がった。続いてDJ DOCが登場し、自らのヒット曲を歌い、観客を熱狂の渦に巻き込んだ。DJ DOCのステージが終わってからステージに再登場したパク・ソングァンは、「DJ DOCは意外にも場を盛り上げられなかった」と“勇敢に”指摘し、笑いを誘った。

約7000席で埋め尽くされた露天劇場の秋の夜。IU(アイユー)、Dynamic Duo、KARA、4Minute、SISTAR、タイガーJK、BEASTの順で続いた華麗なステージとともに、新人アーティストの初々しいパフォーマンスも加わって、会場はさらに盛り上がった。テレビ局の年末恒例番組「歌謡大祭典」のような華やかな顔ぶれや、パフォーマンスと司会を務めた勇敢な奴らがギャグを連発したことで、歓声と笑いが止まらなかった。“サプライズゲスト”として登場した「ギャグコンサート」のソ・スミンプロデューサーも勇敢な奴らと一緒にステージに上がり、「I ドン(お金) Care」を披露し、観客を楽しませた。

アイドルグループやヒップホップミュージシャンのステージが披露される間、10~20代の観客はペンライトを振りながら熱狂した。客席には時間が経つにつれ眠い目をこする子供から、20代の子供と一緒に来ている中年の夫婦まで、様々な年齢層の人々が観覧していた。


追われるようにコメントもせず去って行ったスターたち

しかし3時間の公演に各芸能事務所の新人アーティストまでステージに上げていたせいか、「登録料の負担に悩まされている大学生を応援する」というイベントの趣旨を十分に活かせなかったことは残念だった。会社員パク・ナリン(20)さんは「新人アーティストも多くて、出演したアーティストたちが挨拶もせず、歌だけを歌ってステージから去って行ったのが残念だった」と話した。この日、参加したアーティストはイベントの趣旨に賛同するという意味で出演料なしで参加していたため、登録料問題について一言でもコメントしていたら、さらに有意義なものになったはずだ。

この日の出演者の中で簡単な挨拶をしたのは、IUが「大学生を応援するという意味のあるコンサートに参加できて嬉しい」と言い、Dynamic Duoは「僕たちにできるのはステージで楽しく遊ぶことだけだけど、教育制度が改善されるまで、このようなコンサートが続くといいと思う」と話したなど少数に過ぎない。

観客は「100人の大学生に100倍の喜びを」というキャッチフレーズの下で行われたチャリティーコンサートであっただけに、「若者の悩みに共感し社会的な関心を喚起するような場が欲しかった」と口を揃えた。次はより勇敢な「勇気100倍コンサート」を観覧したいと期待を寄せていた。

記者 : ホ・ジョンユン