チョン・ジヒョンに投げかけた“気まずい質問”…彼女の答えは?

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スターから女優になったチョン・ジヒョン、第2幕は今始まったばかり

人々は皆、彼女に幻想を抱いている。これを否定することはできないだろう。長いストレートヘアに完璧な股下比率で注目を集めたチョン・ジヒョンは、数少ない“スター”がそうであるように掴めそうで掴めない存在であった。

そのチョン・ジヒョンが、本当に掴めない姿で戻ってきた。映画「10人の泥棒たち」でタイツを着て高層ビルを縦断するイェニコールとして。代わりに実際のチョン・ジヒョンは“掴める存在”になった。スターから女優になり、より軽くて明るい姿で観客と出会うことになったのだ。

「ピタっとくっついた感じだ」「宙に浮き上がっていたが、もう降りてきたようだ」女優のチョン・ジヒョンが最近のさまざまなインタビューで一番多く口にした言葉だ。映画のメディア試写会が終わった後に続いた好評の影響もあるだろうが、本人も自ら女優としてある地点を突破したと感じたためだろう。彼女のコメントに同意する。チョン・ジヒョンは、リラックスして取材陣の質問に答えながら、彼女らしいハツラツとした姿も見せた。


「10人の泥棒たち」のチョン・ジヒョンを自ら評価してみると?

確かに映画「10人の泥棒たち」で一番目に入ったのはチョン・ジヒョンだった。その理由として、それだけ変化の幅が大きかったというのもあるし、イメージチェンジが印象的だったということがあげられる。映画での演技に対し、チョン・ジヒョンもイェニコールの話から何かそれ以上の話があり得るという思いで熱心に臨んだと語った。

「香港のマカオで序盤の撮影をしましたが、よくできそうに思っていた部分がなかなか上手くできなくて気を揉んでしまいました。ところが、韓国に来て撮影したときは、劇中のキャラクターが本当に私のものになりました。それを監督も気付いてくれました。本当にありがたい気持ちでした。撮影をしながらずっと信頼を与えているという感じがあって、ゴム紐を伸ばすようにずっと伸ばしながら撮影しました。撮影では最善を尽くしたので、残りは観客が満たしてくれると思います」

さり気なく悪口を言ったり、相手にいつもオープンになっているイェニコールを見て、チョン・ジヒョンは「演技をしながらすっきりした部分があった」と言った。それほど汚れて世渡り上手な人間ではないという前提はあったが。ここには、これまで周りの視線を意識しながら生きてきた“スターチョン・ジヒョン”から抜け出したいという気持ちもあったという。周りを気にせず、ひたすらお金のために動くイェニコールは、チョン・ジヒョンに解放感を味合わせてくれたはずだ。

キャラクターが持つ魅力は大きかったが、もちろん簡単ではなかった。特にキム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、キム・ヘスクなど、主演俳優だけで10人もいる中で、確かに演技へのプレッシャーが大きかったのだ。俳優たちは、3位では絶対に駄目で、2位も見えるか見えないかよく分からないと冗談っぽく言ったが、それなりにライバル意識もあったという。この言葉には、それだけ立派な俳優の間で多くのことが得られたという意味も含まれている。

イェニコールというキャラクターは、チェ・ドンフン監督とチョン・ジヒョンの共同作品だ。特に、イェニコールの特技である悪口をどれほど言うのかということについてたくさん話し、修正する過程を経た。

「イェニコールは、過去に何かあったような女性でした。もともと台本では、何かを言うたびに悪口を言うキャラクターでした。私もそのまま悪口を言いたかったが、監督がそうするとキャラクターが美しく見えないと言って、結局今の魅力的なキャラクターが誕生しました。私もアドリブを入れてみたのですが、それほど魅力的ではなかったです。監督の指示通りにしました」


海外に進出した4年、本当に失われた時間だったのか?

チョン・ジヒョンを思うとき、確かに数々のCMや映画「猟奇的な彼女」を考えずにはいられない。だが、彼女が挑戦しなかったわけではない。特に、映画「ラスト・ブラッド」と「雪花と秘文字の扇」は、韓国での活動を休み、海外の扉を叩いた挑戦だった。

だが、結果は良くなかった。「雪花と秘文字の扇」は、韓国では公開されず観客はよく知らない映画となったし「ラスト・ブラッド」も海外で彼女の名を知らしめるには多少物足りないように見えた。

このような時間を経験したチョン・ジヒョンは、果たして海外進出についてどう思うのだろうか。ファンタジー中心の作品活動や広告モデル、またメディアの報道で神秘的なイメージが固まったせいもあるだろうが、もしかすると消したい瞬間なのかもしれないとも思った。

「もし機会があれば(海外市場に)また進出したいと思います。ハリウッド俳優の強みは、結局全世界をマーケットにすることですね。それでもっと長く演技ができると思いますし。『猟奇的な彼女』は、当時韓流ブームを起こしました。その映画で私が世間から関心を受けたし、かなり得をしました。女優として分かるんです。年をとるとそういう経験が減っていくのでしょう。私も30代になりました。以前の作品では、私は人々の関心をあまり受けなかったけど、時間を戻せたとしてもまた同じ選択をすると思います。その時間がなかったら、私は監督とコミュニケーションする楽しみも知らなかったでしょうし、現場の楽しみも感じなかったでしょう。ヒロインとして退屈だったかもしれないし」


“妻”チョン・ジヒョン、女優としては

今年結婚したチョン・ジヒョンは、結婚に対しては堂々とはっきりとした態度を見せた。予想より早く記事が出て当惑したというが、彼女は逃げずに報道を通じて結婚する日時を堂々と発表した。予定されていた映画の撮影にも参加し、結婚式も何ら問題なく行われた。

一人の女性として最善の選択だったが、女優としてのチョン・ジヒョンにはもう一つの課題があるように見えた。結婚後、女優としての位置をどう確立するのかとの問題だ。現時点で比較できるのは、女優のハン・ガインとムン・ジョンヒになるだろう。二人とも結婚後映画とドラマで以前よりもより一層成熟した姿を見せている。

この質問を投げかけると、チョン・ジヒョンは「一番難しい質問」だと言い、しばらく悩んだ。初恋の象徴になったハン・ガインや、癒しやカリスマ性のあるムン・ジョンヒと比べ、チョン・ジヒョンが出せるカードには何があるだろうか。

「演技で何か勝負をつけたいという気持ちはありません。長くやりたいとは思います。幼い頃から好きなことをするのが幸せなことだと思ってきました。好きだから頑張らなきゃ。また長く続けなきゃと思います。年もとったし、結婚もしているから、作品を選ぶときは、それを考慮しなければならないと思います。幼いときに可能だった役と感情の表現があるなら、今になってこそ表現できる感情もありますよね。それに逆らわず挑戦することが良い演技だと思います。私も見たいですね。焦らずに!30代に差しかかって既婚のチョン・ジヒョンがこれからどうすべきか考えたいです」

記者 : イ・ジョンミン、イ・ソンピル、写真 : イ・ジョンミン