「ウェルテル」SUPER JUNIOR キュヒョン、5年ぶりの出演でジレンマも“メンバーはどんな舞台でも見に来てくれる”

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2020年9月から11月にかけて韓国で上演されたミュージカル「ウェルテル」でSUPER JUNIORのキュヒョンが主人公を演じた公演が、2月28日に衛星劇場にて日本初放送される。

本作は、ウェルテルとシャルロッテの崇高な愛の物語を扱ったゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」を原作に、韓国で初演から20周年を迎えた韓国の代表的な創作ミュージカル。現在まで30万人以上の人々に愛されてきており、2013年には日本でも初披露された。

主人公のウェルテル役はキュヒョンの他、ウェルテルを何度も演じてきたオム・ギジュン、気品ある美声で人々を魅了するKAI、テレビドラマでも活躍し国民的清純男子と呼ばれるユ・ヨンソク、そして注目の新人俳優ナ・ヒョヌが演じた。

今回の日本初放送を記念して、2月の放送回で主人公を務めるSUPER JUNIOR キュヒョンのオフィシャルインタビューが到着! 5年ぶりとなる本作への出演で変わったことや、ミュージカル公演で気を使っていることまで、たっぷりと語っている。

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――キュヒョンさんにとって、5年ぶりの「ウェルテル」でしたが、演じながら以前とは違ったものを感じましたか?

キュヒョン:以前は演出のディレクションに従って演じましたが、今回は自らいろいろ考えるようになりました。年と取ったからかもしれません(笑)。一緒に出演していた先輩の方々、例えばチョ・スンウ兄さんが5年前の2015年に、13年ぶりに戻ってきた「ウェルテル」に出演されて悩んでる姿を見て、何故悩むんだろうと考えていたのですが、年を重ねるごとにその時の気持ちが分かるようになりました。練習しながら急にジレンマに陥ったんです。一緒に練習している共演者からは、練習をしすぎて何かにハマってしまったと言われ、練習に来ないようにと言われるほどでしたね。前のシーズンよりも大変でした。

――演技をしながら気をつけたことは何ですか?

キュヒョン:5年前もそうでしたが、外見の部分だけは結構気を使いました。ウェルテルが結局は死を選ぶ作品なので、ぽっちゃりしていたり筋肉質だとやや不自然だと思ったんです。だけど、共演してるナ・ヒョヌさんがとても筋肉がすごくてガタイがいいんです。それで演出家からも筋肉を落とすようにいわれて、その場にいた僕のことを指しながら「そうだ! キュヒョンをみてごらん! まるで今にもすぐ死にそうな、運動とは無縁の体を」って言われて(笑)。実際に役のことを考えて僕も自然と小食になりましたね。食べるときもいろいろ気を配りました。


愛にまっすぐな主人公「かわいそうだと…」

――悲しい役柄ですが、共感できる部分や演技していて思わず苦しくなる場面はどこですか?

キュヒョン:初めて出演した時もそうでしたが、2幕2章で結婚したロッテのもとを訪れる場面があり、そこで銃で乱暴を働くんです。和やかな家庭に入って銃で頭を狙うような行動を取るのは、とても正しいこととは言えないのですが、やるしかないですから……。演じてるうちにウェルテルという人間がとてもかわいそうだと思いました。負け犬のようなことをしてまでも愛にまっすぐな人物なので、かわいそうだといつからか思うようになりましたね。特に2幕は悩みも多く、大変なシーンだったと思います。

――ウェルテルの気持ちを知りながらも、結局は受け入れないロッテをどう思われますか?

キュヒョン:2人は魂のパートナーのような間柄ですが、ロッテが安定感のあるアルベルトを選択するのは僕も理解できるんです。ウェルテルはロッテにとって後から現れた相手なので、それは仕方ないと思います。それに役柄自体もですが、アルベルトを演じる先輩俳優たちは身長が高く、体格も良くてかっこいいので、納得がいきます。ものすごい大きな男に挑むような感じなので、ウェルテルがより哀れに見えるのでしょう。

――ウェルテルの名場面や個人的にお好きな曲目は何ですか?

キュヒョン:2幕5章で歌う「다만 지나치치 않게 (ただし度を越さないように)」です。最後にウェルテルが、今まで大変なことがたくさんあったにもかかわらず、前も後ろも見ずにロッテに会いたいという思いで会いに行くんです。そこでお互いに度を越さないようにしようという話をし、泣きながらキスをし、最後には微笑みながら挨拶をするというシーンがあるのですが、そこが一番共感するシーンでもあり、一番好きなセリフの場面だと思い選びました。

―― 一緒に出演した俳優やウェルテルの出演者から刺激を受けたことがあれば教えてください。

キュヒョン:オム・ギジュン兄さんとは長い間一緒にやってきましたが、KAI兄さんとユ・ヨンソク兄さんと一緒にやってみて、演技が何かというものを兄さんたちが見せてくれたような気がしました。とても感動を受けました。僕はロッテ役のイ・ジヘさんと、どのようにしようかと2人で先行して練習していたのですが、兄さんたちは稽古場に入るや台本だけを見て、いきなり本番のように演じてみせたんです。ナ・ヒョヌには若々しさと初々しさがあって、僕が先輩たちから教わったことを伝えてあげたいという気にさせられました。


「ミュージカル初舞台は10年前…本当に魂を注ぎました」

――今回の出演で新しく悟ったウェルテルの魅力を教えて下さい。

キュヒョン:自分では僕自身は理性的な人だと思いますが、親しくない知人からは冷静だと言われることがあります(笑)。ウェルテルは感性的な人で詩や絵が好きですが、僕が関心のない分野をウェルテルは好きなので、正反対の人を演じるという楽しさがありました。

――この作品のどんな部分が最も好きですか?

キュヒョン:最近、僕がミュージカル関連番組を担当していて、いろんな作品を見る機会がありました。この作品の前にスケールが大きい作品にも参加していましたが、すごく舞台が立派で派手なんです。びっくりするほどに。しかし、それとは反対に「ウェルテル」は本当に叙情的でとても可愛らしく、きれいな舞台だと表現できるんです。派手ではないですが、むしろそこで感性的な雰囲気を見いだせるような魅力があると思います。

――視聴者に特に注目して欲しい点はどこですか?

キュヒョン:ミュージカルは映画やドラマではなく、劇場で現場のリアルな雰囲気を見るようなものなので、現場の雰囲気がどこまで伝わるか、(映像として観られることに)実際は心配な部分もあります。ウェルテルとロッテの関係を不倫という視線で見るのではなく、その人だけしか見えないウェルテルの純粋な愛と、愛に対する情熱を見ていただきたいです。もちろんモラル的には正しくない行動ではありますが、不倫だと考えないでほしいです。ロッテも悪い人ではなく、ロッテとウェルテルはアルベルトさえいなければ永遠のパートナーだったと思います。しかし、あんな選択をすることになり……。一つ一つ、もう少し深い部分まで見ていただけたら幸いです。

――10年前に初めてミュージカルの舞台に立った時の気持ちはどうでしたか? 印象に残っていることがあれば教えてください。

キュヒョン:その時は……本当に魂を注ぎましたね。初めてだったので慣れておらず、何も知らなかったため、先輩や演出の方たちからたくさんのことを学びました。ものすごく練習していたことを覚えています。最初の作品が「三銃士」でしたが、この作品には剣術シーンもありました。あまり体使いが慣れてない状態だったので、そういった面でも本当に練習をたくさんしたと思います。


「メンバーはどんな舞台でも見に来てくれる」

――舞台に上がる前に必ずすることや、公演中に気を使っていることはありますか?

キュヒョン:舞台の性格によって変わると思いますが、曲目がメインの場合は、喉を守るために禁酒をしたり、極力言葉を発さないようにしています。「ウェルテル」のように演技が重要なミュージカルでは、ロッテやアルベルトなどの共演者たちと一幕が終わって休む時間に、通りすがりに会ったり控室で会う時もありますが、感情をコントロールするためにわざと一切会わないようにしています。共演者たちもその部分を理解してくださり、僕がミュージカル専門俳優ではないので、より役に没入するためだと理由を説明してるので。僕を見るとお互いに逃げ合ったりしてます……(笑)。

――SUPER JUNIORのメンバーは舞台をよく見に来られるのですか? 最も劇場に来るメンバーは誰ですか?

キュヒョン:メンバーたちはどんな舞台でも来てくれます。「笑う男」の時は6人のメンバーが来てくれました。その時に来られなかったヒチョル兄さんやシウォン兄さんは「ウェルテル」の時は来てくれました。メンバーたちはだいたい来てくれているようです。そして、それを僕がちゃんと記憶しているので……(笑)。

――初めてミュージカルを見る日本のファンの方もいらっしゃると思いますが、おすすめの作品を教えて下さい。

キュヒョン:僕が出演している作品をまず見ていただけたら嬉しいです。

――2021年に挑戦したいことは何ですか?

キュヒョン:コンサートツアーをしたいです。1年に少なくても2作品ほどは必ずやりたいですね。

――では、これから韓国ミュージカルに入門する日本の方にはどんな作品をおすすめしたいですか?

キュヒョン:2021年、僕の出演作品からぜひご覧ください! 待っていてくださいね!

■放送情報
韓国ミュージカル「ウェルテル」(主演:キュヒョン)
CS衛星劇場にてテレビ初放送!
2月28日(日) 午後1:00~3:45放送
※再放送なし

<出演>
SUPER JUNIOR キュヒョン、イ・ジヘ、イ・サンヒョン、キム・ヒョンスク、イム・ジュンヒョク

ウェルテルとロッテの崇高な愛の物語を扱ったゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』を原作に、韓国で初演から20周年を迎えた韓国の代表的な創作ミュージカル。2000年の初演から現在まで30万人以上の人々に愛されてきており、2013年には日本でも初披露されている。今回は2020年10月のソウルでの公演の中から、SUPER JUNIORのメンバーとしても活動し、ミュージカル俳優としても11年目を迎えたキュヒョン主演の回をお届けする。(2020年9月1日~11月1日 ソウル・クァンリムアートセンターBBCHホール)

■関連サイト
衛星劇場「ウェルテル」ページ:https://www.eigeki.com/series?action=index&id=28216&category_id=5

記者 : Kstyle編集部、撮影 : Won Seo Yeon(STUDIO DAUN)