歌手Gaho、ドラマ「梨泰院クラス」のOST「始まり」がヒット“自分の声が流れるなんて…成功したファンだと思った”

TVREPORT |

写真=ペク・スヨン記者
ドラマの雰囲気に良く合うOST(劇中歌)は、ドラマの展開と合わさり、感性を深める。そのため人気ドラマのOSTが愛される場合も良く見られる。韓国で最近放送が終了したJTBC「梨泰院(イテウォン)クラス」のOSTもそうだ。

ドラマは終わったが、「梨泰院クラス」のOSTは、今でもチャートで上位圏を維持し、人気を得ている。その中でリアルタイムチャート1位まで獲得した曲がGahoの「始まり」だ。Gahoはこのような結果に「正直、信じられない」とし、「ドラマと曲が良くて得られた結果」と語った。

Gahoは最近、ソウル論硯(ノンヒョン)洞の作業室で行われたTVレポートとのインタビューで、音楽配信チャート1位の成績、新しいアルバム、そして自身の音楽活動での目標を率直に打ち明けた。

Gahoが歌った「始まり」は音楽配信チャート812位で始まり、ドラマの放送開始から4回ですべての音楽配信サイトでチャートインする逆走行を成し遂げた。その後、順位は急激に上昇し、1ヶ月でチャート1位という驚きの成果を記録した。「始まり」を歌ったGahoの思いも特別なはずだ。

「あまりにも大きな関心が集まっていることに良い点もありますが、最初は少し困惑しました。曲がここまで上手く行くとは本当に思いませんでした。僕が上手くやったから(このような結果が出た)という思いはありません。タイミングと状況が良かったのだと思います」と語った。

放送当時、「梨泰院クラス」では特にGahoの「始まり」が頻繁に流れた。不合理な世の中に立ち向かうパク・セロイとタンバムズメンバーの姿を軽快に表現した曲らしく、新しい始まりを知らせる場面にこのOSTがたくさん使われたためだ。Gahoの感性的な声と豊かな感性が歌に良く合わさるのに一役買った。

「パク・セロイの男らしい姿を生かしながら歌おうと思いました。(ドラマで)ポジティブなエネルギーを与えるたび曲が流れて、より好んでくださるようです。(視聴者の)一人として『自分の声が流れるなんて』と思い、『成功したファンだな』と思いました。今もドキドキしています(笑)」

この日Gahoは、「梨泰院クラス」のOSTに参加することになった背景も公開した。ドラマ制作会社と関係者たちがGahoを勧めたという。GahoはSBS「皇后の品格」、MBC「私の恋したテリウス」など様々なドラマOSTに参加した。この中でGahoはMBC「時間」と同名のOSTである「時間」をもっとも記憶に残る曲として取り上げた。

「僕はOSTと縁が深いと思います。それで(制作会社、関係者の方々も)僕を良く見てくださったようです。特に『時間』というOSTが記憶に残っていますが、僕が好きなスタイルの曲でもあったし、ドラマもとても面白く観ていました」

Gahoは3月27日の午後6時、ニューアルバム「A song for you」を発売し、本格的なカムバック活動を始めた。今回のアルバムは、同名のタイトル曲「A song for you」と「Beautiful」2曲が収録されたダブルシングルだ。シンガーソングライターのGahoが自ら作詞、作曲、アレンジに参加した。

「今回の『A song for you』の歌詞には『離れていった誰かに自分の真心を伝える』という内容の真正性を盛り込もうとしました。ある人は直筆の手紙で気持ちを伝えるでしょう。僕は真心を伝えられる手段として歌を選びました。メロディーとアレンジにたくさん気を使いました。ジャンルはポップですが、僕のカラーをたくさん入れた曲です」

「Beautiful」は胸いっぱいの感情と、余韻が感じられる「A song for you」とはまた違う魅力を持つ曲だ。実は「Beautiful」を作る方がもっと大変だったと明かしたGahoは、タイトル曲の選定に沢山悩んだという。それだけ「Beautiful」もGahoにとって特別な意味を持つ曲だ。

「『Beautiful』は『自尊心を低くする必要はない。自分は美しい』というメッセージを盛り込んだ曲です。最近、自尊心が低い方が多いですが、『人のことに気を使わないで、ありのまま堂々と考えて』という勇気を与えたかったです」

また、昨年発表したシングル「FLY」「Pink Walk」と、今回の新曲の違いについて「バンドや楽器編成が変わった」と説明した。

「長年音楽をしながら、一緒に作業する仲間をいつも探していました。(仲間に出会い)僕が作りたい音楽を作ることができました。1次元的にただ僕の音楽が気に入りました」

2018年に「いて」を発表し、正式デビューしたGaho。デビュー3年目になった彼に、最近の音楽の悩みについて尋ねた。

「創作をする人、すべての悩みだと思いますが、自分のものをやり続けていると客観性を失います。一人で(曲の作業を)していると、『僕にとって良い音楽を作っているのではないか』という悩みが生まれます。『僕の信念を守る』と勘違いしている音楽を作っているのではないかと、心配にもなります」

悩みもあるが、音楽をしながら嬉しかった瞬間も確かにあったはずだ。Gahoに嬉しかった瞬間に関する質問をすると、彼は海外ツアーに関する話を語った。最近、Gahoはヨーロッパ5ヶ国と、アメリカツアーを終えた。

「ヨーロッパツアーの最初の公演が記憶にたくさん残っています。実は、あまり期待していませんでした。しかし、海外のファンが韓国語で僕の収録曲まで一緒に歌ってくれました。驚いたし、嬉しかったです。また、最初から僕のことが好きだと言ってくれた(韓国の)ファンの皆さんが『Gahoが誇らしい』と言ってくれるときも嬉しいです」

シンガーソングライターのGahoではなく、普段のカン・デホはどんな姿なのだろうか。Gahoを見守ってきた周りの人は、彼の性格について「4次元を超えた4.7次元だ」と表現した。Gahoが一般的ではなく、少し変わった一面を持っているからだ。周りから見たとき、時々「(Gahoが)なんでそんなことを考えるんだろう?」と疑問に思うこともあると話した。

「実は僕は普通ではありません。変わった性格を隠しているといいましょうか。僕がやっている音楽と、普段の行動がアンバランスかも知れないと思って隠しています。こんな(変わった)性格が音楽に役だったりもします」

普段、特別な趣味がないというGahoは、すべての時間を音楽作業に費やしているという。彼が活動しながら成し遂げたい特別な目標はあるのだろうか。Gahoは「どんな歌手になりたいのか」という質問に戸惑うことなく、答えを出した。

「Gahoというアーティストのジャンルを作りたいです。僕が曲を作るたび信じて聞いてくださる方が多くなればと思いますし、ファンと音楽でコミュニケーションを取りながら一緒に年を取っていきたいです」

GahoはドラマOSTのタイトル「始まり」のように、今回のアルバムを通して新しい活動を始める。「OSTの人気でプレッシャーはないのか」という問いにGahoは「ない」と強調した。

「Gahoが歌ったから『始まり』という曲が1位になったとは思っていません。曲が良くて、ドラマが素晴らしいからOSTを聞いていると、人々がGahoという歌手を知るようになったんだと思います。ランキングに入るのも慣れていないので、あえて高い順位を期待したりもしません。計画した通りに進んでいく事が大事です。もちろん、『始まり』が上手く行ったから、人々に僕の歌をたくさん聴いてほしいという期待はあります(笑)」

記者 : キム・ミンジュ