【映画レビュー】「サイコメトリー」信頼のキム・ガンウ&再発見のキム・ボム

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写真=CJエンターテインメント
幼少時代、誰もが一度くらいは超能力者を夢見たことがあるだろう。しかし、人とは違う特別な能力を持っている人たちがどんな生き方をしているか見守ったことはあるだろうか。自身の能力をうまく活用して生きる人がいる一方で、「平凡になるのが一番難しい」という言葉のように、平凡な暮らしを夢見て闇の中で暮らす人々もいる。そして映画「サイコメトリー」の中の“サイコメトリー”キム・ジュン(キム・ボム)は後者である。

「サイコメトリー」は、人間またはモノと接触し、その過去を読む能力である“サイコメトリー”をテーマにしている。刑事ヤン・チュンドン(キム・ガンウ)が偶然出会ったキム・ジュンと協力し、児童誘拐や殺人事件を解決していくストーリーを描いている。この過程で弟を失ったヤン・チュンドンのトラウマと、母親に目の前で死なれた後、自ら“人を殺す手”だと悲観するキム・ジュンのストーリーが加わり、二人は兄弟のような存在になる。

事前情報もなく好奇心だけでこの映画を見た観客ならば退屈しない100分を過ごすことができる。ただ「サイコメトリー」が立てたミステリージャンルのマニアはこの映画に満足することはできないと思われる。多くの事件の中からとりわけ“子供”を選んだことは見え透いた仕掛けのように感じられ、秘密を守ると誓ったヤン・チュンドンが突然(もちろん、チームの説得もあったが)キム・ジュンついての情報を打ち明けたことは、蓋然性が足りない。

それにもかかわらず「サイコメトリー」が輝くのは、二人の男キム・ガンウとキム・ボムがいるからだ。同じアングルに入った二人の姿は微笑ましい。また、演技への集中力も物凄い。キム・ジュンに過去を読まれ困惑するヤン・チュンドンの顔の筋肉の揺れは基本である。何もかもを諦めて嘘の自供をするキム・ジュンの眼差しは観客を揺さぶる上で十分だ。

最近、青少年観覧不可等級のレベルの高い映画が続々と公開されている。「サイコメトリー」も同じ等級を受けたが、「新しき世界」「ラストスタンド」「怒りの倫理学」「イノセント・ガーデン」等よりはレベルが低いのでご心配なかれ。最後に気になることがある。劇中で超能力を発揮するたびに鼻や口から血を流すキム・ジュンの健康状態は大丈夫であろうか。

一行コメント:キム・ガンウは検証済みの俳優だが、キム・ボムもここまでとは。

記者 : イ・オンヒョク