「SUPER STAR K4」ロイ・キムよりチョン・ジュニョンが目立った理由

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新しい“音楽”より新しい“顔”にこだわった「SUPER STAR K4」

ロイ・キムは“オムチナ”(母親の友達の息子の中で最も勉強が出来て性格も良く、何でも出来る完璧な男)だった。そのオムチナには、音楽を反対する父がいた。そしてオーディション番組で活躍を見せ歌手になったこのオムチナの父は、結局生放送のステージに立って息子を応援する暖かいシーンを演出した。いわゆる“スター性”を秘めた原石の温かい成長物語。

Mnet「SUPER STAR K4」が幕を下ろした。「いろいろと言われた」と言うには興行はもちろん、話題性の面でもそんなに問題はないように見えた。優勝者のロイ・キムより、バンドBusker Buskerを念頭において制作陣が選んだ2位のDICKPUNKSより、注目すべき人物は、3位となったチョン・ジュニョンだ。

音が外れると言われ、議論の中心になっていたチョン・ジュニョンは、「SUPER STAR K4」全体の基調を見せてくれる象徴的な人物だ。キム・ヨンボムプロデューサーからキム・テウンプロデューサーに船長を変えた“SUPER STAR K4号”が示し、強調した“スター性の極限”を見せたためだ。

その中で今回のシーズンを通じてもう一度確認されたことは、“ファンダム”の力だと思う。国民を対象にする人気投票を左右するこのファンダムは、イ・スンチョル(RUI)から「一般の人と審査委員の間の音楽的乖離」という発言を引き出した。4シーズンに参加しながらずっと「今シーズンの参加者が歴代最高」と言うイ・スンチョルの言葉から「SUPER STAR K4」の過去と現在、未来を全部読み取れたと言っても過言ではない。


スター性にこだわり過ぎた「SUPER STAR K4」の意図された自己否定

ソ・イングクを誕生させた「SUPER STAR K」は、斬新そのものだった。よく知られている通り、その後「SUPER STAR K」はブームを巻き起こし、韓国にサバイバルオーディション番組を移植することに成功した。この成功の中には、確かに審査委員を含めた制作陣が持っている“原石”への信頼があったと見ることができる。

制作陣は“発見”し、出演者は“成長”し、視聴者は”選択“するというかなり確実で説得力のある三位一体の形式。シーズン2のホ・ガクとジョン・パク、チャン・ジェインのうち、人々はホ・ガクを選択した。シーズン3はトゥゲウォル、Busker Busker、ULALA SESSIONを誕生させた。外見やスター性に偏りがちなファンダムの限界は、TOP3以上を許せなかった。(それにもかかわらず、「SUPER STAR K」の文字投票では、女性の影響力が絶対的に反映される構造が変わっていない)

船長を変えた“SUPER STAR K4号”がきしむようになったことは、このような自己完結性を備えているように見える構造を自ら崩したことに起因する。スーパーウィークを前後としてより激しくなったロイ・キム、チョン・ジュニョン、ユ・スンウへの過度な集中は、“スター性”を最優先にするこのショーが“発見”を諦め、制限された“選択”を強要するという懸念を生み出した。

そして、この憂慮は現実のものになった。生放送になった「SUPER STAR K4」は、すでに制作陣の編集によって“予備スター”に指定されたこの出演者を支持するか、支持しないのかのゲームに変質した。一般の人との乖離が問題になるわけではなく、制作陣が意図的に育成した出演者を捨てるか否かの問題に変質したことを物語ってくれることが、生放送の途中で10回以上音が外れたチョン・ジュニョンが生き残こった衝撃的な場面だった。一言で「スター性があれば、音の外れも許せる」と言えるのだろうか。


オーディション番組の疲労感?「SUPER STAR K」に必要なものは…

これは、過度の競争をあおる“サバイバルオーディション”の弊害というよりは、選択されたものとそうでないものの間の競争に見えるほどだった。前のシーズンまで指摘された“悪魔のカット”を指摘する声がなくなったことには、他に理由があるわけではない。その空間をイケメンのロイ・キム、チョン・ジュニョン、ユ・スンウで埋めながら「SUPER STAR K4」は早くから生放送の原動力になるファンダムを育成した。

結局感動は音楽から、新しい人材の発掘から来る。そのような点で前のシーズンの出演者と別に変わらない出演者が生放送を埋めたことは、指摘されるべきだ。新しい“音楽”より新しい“顔”だけにこだわっていれば、答えは出てこない。

オーディション番組の疲労感は、シーズン4が始まる前から指摘されてきた。「the Voice of Korea」や「TOPバンド」「私の人生最後のオーディション」のようなオーディションに「SUPER STAR K」の持分を奪われている。このような状況でSMエンターテインメントとYGエンターテインメントの支援を受ける「K-POPスター」との競争で優位を占め続ける保証もない。

パク・ジミン、イ・ハイを誕生させた「K-POPスター」に女性の出演者を全部奪われるつもりでなければ、スーパーパスなどTOP10選定の基準を自ら崩した制作陣の考え直しが求められるだろう。シーズン3でピークに達した「SUPER STAR K」の人気を反映する視聴率が伸び悩んでいることと、文字投票数を見ればこれは確かだ。

このようにショーは終わった。もしかしたら制作陣の意図通りになったシーズンだったのかもしれない(ロイ・キム、チョン・ジュニョンのデュエット曲「塵になって」が今シーズンで一番ヒットした曲だと言う)そして抜群のスター性を持つチョン・ジュニョンは話題を集めながらデビューすることになるのだろう。ロイ・キムの5億ウォン(約3千7百万円)寄付も“神話”に残るだろう。そして「K-POPスター」が放送を開始した。オーディション共和国の“サバイバル”と“成長神話”は一週間も休まずに続いていく。

記者 : ハ・ソンテ 写真 : イ・ジョンミン