「SUPER STAR K」ソ・イングクからカン・スンユンまで…シーズン5までの中核メンバーを振り返る

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韓国にオーディションブームを巻き起こしたMnetの「SUPER STAR K」が8月末、シーズン5の不振を振り払い、シーズン6で戻ってきた。

1話も残さずリアルタイム視聴に命をかけていた序盤とは違い、シーズン4からは関心が徐々に減り始め、シーズン5の優勝者パク・ジェジョンの名前はあまり聞いたことがないような気さえもする。熾烈なオーディション番組での競争を経て、今や“育児バラエティ”に夢中になっている放送局の間で「SUPER STAR K」は再び過去の栄光を取り戻すことができるのだろうか。「SUPER STAR K6」を迎えながらシーズン1から5までの中核メンバーを振り返ってみた。


“奇跡を歌った5人のTOP1”

ソ・イングク
シーズン1の優勝者:ソ・イングク(1987年10月23日)

可愛い外見と優れた歌唱力で視聴者たちの心をつかんだ「SUPER STAR K」シーズン1の優勝者ソ・イングク。以前からオーディション番組は存在し続けてきたが、これほどエピソードも多く感動的なオーディション番組は初めてで、韓国はそれこそ“SUPER STAR Kブーム”だった。シーズン1にも関わらず70万人という大規模の応募者が殺到し、オーディション番組史上初の賞金1億ウォンという破格的な条件を掲げた。そのような条件のためか、「SUPER STAR K」シーズン1はケーブル業界では珍しく3%台の視聴率を記録した。当時ソ・イングクは個性の強いボーカルチョ・ムングンと最終決戦で対決した。審査委員の点数ではチョ・ムングンが多少高かったものの、優勝者を決めたのはネットや携帯電話のメールで行われた投票の点数だった。実力をベースにした強力なファン層が、ソ・イングクをトロフィーの主人公にした。「SUPER STAR K」での優勝以来、精力的に活動しているソ・イングクは、tvN「応答せよ1997」で男前なユン・ユンジェ役を演じることで、本格的な実力派俳優の仲間入りを果たした。これからが楽しみなスター、ソ・イングクだ。

ホ・ガク
シーズン2の優勝者:ホ・ガク(1985年1月5日)

「SUPER STAR K」の全シーズンを挙げてもっとも人気が高かったシーズン2の優勝者ホ・ガク。換気扇の修理業者から、あらゆるイベントに出演する無名歌手に続いた彼のストーリーは、どの歌詞よりも美しかった。特に、シーズン2では優れた実力を持つ候補者たちが競争を繰り広げ、視聴者たちの耳をとりわけ楽しませた。ジョン・パク、チャン・ジェイン、カン・スンユン、キム・ジスが含まれたTOP5からは、もはや優勝者を選ぶ意味がないほどだった。ホ・ガクはオーディション序盤のチームミッションを通じて2AMの「Never let you go」を歌い注目を浴びた。実はジョン・パクの“チョミルド”(韓国語が未熟でミルチョドをチョミルドと発音)も有名なシーンだが、パク・ジニョン審査委員が鳥肌が立ったとしながらホ・ガクを絶賛した瞬間、多くの視聴者たちがホ・ガクを優勝候補に予想したとのことだ。さらにはイ・ジョクの「空を走る」のステージは、オーディション番組では空前絶後の、最高の“レジェンド”だと言いたい。ドラマのサウンドトラックや感性的なバラードアルバムなど、今や無名ではなく“有名”な歌手として活動しているホ・ガク。このような宝物を発掘した「SUPER STAR K」に感謝するだけだ。

ULALA SESSION
シーズン3の優勝者:ULALA SESSION

シーズン3にグループ部門が新しく追加されると、グループULALA SESSIONが優勝を勝ち取った。実は、序盤から断トツの力量を見せた参加者だったため、目に見える結果に繋がる番組が退屈になる恐れもあった。しかし、毎週私たちをテレビの前に座らせたのは、ULALA SESSIONの見ても信じられない実力とステージでのパフォーマンスだっただろう。ULALA SESSIONは初登場から尋常ではなかった。既存の歌手と比較しても劣らない実力を備え、“見る音楽”と“聴く音楽”を両方とも満たした。最後までどんでん返しなく流れていたシーズン3は、故イム・ユンテクさんの闘病生活と共に、さらに視聴者の共感を得た。故イム・ユンテクもまた、視聴者たちの期待に応じるために最後の決勝戦まで最善を尽くし、変わらぬ音楽で私たちを慰めた。いつも愉快で明るいエネルギーで見る人を微笑ませるULALA SESSION。彼らがいてとても幸せな2011年だった。

ロイ・キム
シーズン4の優勝者:ロイ・キム(1993年7月3日)

とりわけ男性参加者たちの競争が熾烈だったシーズン4の優勝者は、名前を聞くだけでも甘いロイ・キムだ。4次元(個性が強く、ユニークな考え方を持つ)の魅力を持つチョン・ジュニョンから、教会のお兄さん(教会で人気を集める年上男性)ホン・デグァンまで、女性視聴者たちの反応が熱かったシーズンだ。さらにTOP7からはたった1人の女性参加者もいなく、男性だけで競争を繰り広げた。また、全員がギターの実力は基本で、カメラに向かってにっこりと笑ったお陰で、当時携帯電話での投票を手で押したのか足で押したのかさえも覚えていないほどだ。ロイ・キムは決勝戦でDICKPUNKSという怖い相手に出会ったが、結局優勝を勝ち取った。決勝戦が放送される前、ほとんどの人はDICKPUNKSの優勝を予想しただろう。長い経験で鍛えられたパフォーマンスには勝てないと思われたからだ。しかし、ロイ・キムは決勝戦でLesssangの歌を歌うことで勝負に挑み、自作曲のミッションでも成長した姿を如実に見せた。そして、もっとも決定的な生放送の携帯電話投票で多くの視聴者から支持を受け、優勝者の座を獲得した。デビュー以来様々な出来事で力が抜けたが、それでもロイ・キムのギターの旋律とときめくボイスは、いつ聴いても心地が良い。

パク・ジェジョン
シーズン5の優勝者:パク・ジェジョン(1995年12月25日)

オーディション番組の“絶対強者”として絶えず走ってきたせいだろうか。いつも斬新なものを求める大衆に、「SUPER STAR K」シーズン5はターニングポイントであり、犠牲になった。その中でも健気に優勝者リストに名を連ねた“TOP1”パク・ジェジョン。視聴率や携帯電話メールの投票数はさておき、「SUPER STAR K5」とそれまでのシーズンの最も大きな違いは、大衆が優勝者の名前すら知らないことだ。パク・ジェジョンは「SUPER STAR K」の歴代優勝者の中で最も若い。さらに、アメリカで高校に通っていたがオーディションをきっかけに韓国に来た海外派だ。重低音の魅力的なボイスという長所は確かにあるが、果たして優勝するほどの実力を持っているのかに対し、決勝戦直後に数多くの記事が書かれた。歌詞のミスでステージの完成度の面でも決勝戦らしい面を見せられなかったためだ。しかし、198万人を押しのけTOP1になった最高の優勝者に相応しく、自信のある実力派の歌手に生まれ変わることを期待したい。このように「SUPER STAR K」を手放すにはまだまだ惜しいためだ。

優勝?そんなの関係ない

優勝トロフィーはなくてもイケてる「SUPER STAR K」の出身者たち。ナンバー2のようで、ナンバー2ではないような、ナンバー2たちを集めてみた。

Busker Busker
Busker Busker

毎春、桜が咲くたびに“ランキングの逆走行”を見せる、中身だけは1位のBusker Busker。当時ULALA SESSIONという手強い相手に出会い、残念ながらTOP2に止まったが、音源の販売量だけは歴代最高の「SUPER STAR K」出身だ。今やお互いに違う道を歩みながら活動を準備しているBusker Busker、「Hey ブレッド、Do You Know マッコリ?」を叫んでいたその愉快さに再び出会うわけにはいかないのだろうか。

チャン・ジェイン
チャン・ジェイン

ホ・ガクとジョン・パクの対決に押されてTOP3に止まったが、実力だけはTOP of TOPのチャン・ジェイン。「SUPER STAR K」の後に体重を大幅に減量し、美貌もいつの間にかTOPになった。彼女が歌ったイ・ムンセの「並木の木陰の下に立てば」は、未だに雨が降れば自然に頭に浮かぶほどだ。ユン・ジョンシンの「チャン・ジェインに誰が勝つでしょう」という審査評価のように、韓国音楽界でチャン・ジェインは誰も追いつけない声とスタイルの持ち主だ。

キム・イェリム
キム・イェリム(トゥゲウォル)

毒舌を躊躇わなかったイ・スンチョルが、ステージに向かって「人魚の声のようだ」と絶賛した姿を覚えているだろうか。その主人公がトゥゲウォルの人魚のボイス、キム・イェリムだ。デビュー以降、順調にユニークな魅力をアピールしているキム・イェリムは、おそらく優勝者より成功の可能性が高いアーティストではないだろうか。オーディションのようにトゥゲウォルの組み合わせは見られないが、韓国にもこれだけ美しい人魚姫がいて幸いだ。

エディ・キム
エディ・キム(キム・チョンファン)

TOP5で惜しくも脱落したが、女性ファンの心の中ではTOP1として記憶されているエディ・キムことキム・ジョンファン。作詞、作曲はもちろん、優れたギターの実力までを兼ね備えた“すべてを揃えた男”だ。正式デビューしてからわずか1ヶ月で単独コンサートを開催し、追加公演さえもわずか5分で売り切れになったのを見ると、今後が期待される歌手であることは確かだ。エディ・キムは当時軍人の身分で出演し、“毒舌家”イ・スンチョルの「優勝したらどうすればいいのでしょうか?」という審査評価で話題を集めた。その言葉通り本当に、エディ・キムさん!そんなに格好良かったらどうすればいいでしょうか?

歌だけスーパースター?慌てずにバラエティまでドン!終わり

「SUPER STAR K」の出身者は果たして歌謡界でしか活躍していないのだろうか。バラエティまで制覇した3人の「SUPER STAR K」がいる。

ジョン・パク
ジョン・パク

Mnet「放送の敵」で天然キャラクターが定着し、ジョン・パクに対する人々の考えも180度変わっただろう。背が高く良い声を持ったアメリカ留学組の完璧なイメージだったが、「放送局のやつら!」と「ニニャニノ」、そして冷麺に目がないキャラクターだとは。今や顔を見るだけで笑いが出てしまう。最近、時の人に浮上した“音楽の天才”の兄さんたちとバラエティを縦横無尽しながら活躍しているジョン・パク!人間的な姿が隣の家に住む幼馴染のお兄さんのようで、さらに好感が持てる。

カン・スンユン
カン・スンユン

MBCシットコム(シチュエーションコメディ:一話完結で連続放映されるコメディドラマ)「ハイキック3」で慶尚道(キョンサンド)訛りを使う4次元の高校生を演じたカン・スンユン。赤ちゃんのような顔とは裏腹の男前な声が笑いのコードと出会い、妙なハーモニーを成した。ユン・ジョンシンの歌で“大ヒット”したせいか、とりわけ審査委員ユン・ジョンシンとの“ケミ(共演者同士の相性)”も格別だ。期待を集めているYGの新人ボーイズグループ「WINNER」でデビューしたカン・スンユン!本能的に感じられる。人気スターになりそうな予感が。

チョン・ジュニョン
チョン・ジュニョン

モデルのように長い腕と脚、カン・ドンウォンに似ていると言われる顔を持つチョン・ジュニョンにこれだけユニークな魅力があるとは。さらにKBS 2TV「ハッピーサンデー-1泊2日」シーズン3で兄さんたちを翻弄する賢い頭まで持っている。ステージの上ではロッカーのカリスマ性を思い切り発散する彼だが、バラエティ業界では旬のバラエティ新人“モンジュンヨン”で通じる。いくらタフな魅力が重要なジャンルがロックとはいえ、これだけ愛らしいロッカーなら両手を広げて歓迎したい。

記者 : キム・ドゥリ